スティーブン・スピルバーグ監督が手掛けるVR(仮想現実)空間でのオンラインマルチプレイ宝探しゲームをテーマにした映画『レディ・プレイヤー1』。そのワールドツアーの最後を飾るジャパンプレミアが、2018年4月18日、新宿・歌舞伎町のシネシティ広場にて開催された。
ジャパン・プレミアには、2005年の『宇宙戦争』以来の来日となるスティーブン・スピルバーグ監督、初来日となる主演のタイ・シェリダン、オリビア・クック、そして本作がハリウッドデビューとなる森崎ウィンが登場。
ゲストとして、高梨沙羅、すぴ豊&コスプレ隊、大関れいか、小林麗奈、桃月なしこ、ダンテ・カーヴァ、神山健治&荒牧伸志両監督、叶姉妹、桐谷広人&E.T.、開田裕治&開田あや夫妻、ハローキティ(登場順)がレッドカーペットを歩き、招待されたファンたちと交流し、サインや写真撮影に応じた。
夢のVRワールド“OASIS”を舞台に、日米の超有名キャラクターたちが大集結する本作では、『機動戦士ガンダム』のRX-78-2 ガンダムや『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のデロリアン、『AKIRA』の金田のバイクといったアイコンをはじめ、『ストリートファイター』のリュウと春麗、『 トゥームレイダー』のララ・クロフト、『ハローキティ』のキティちゃんなどを含む、さまざまな作品のキャラクターたちが登場する。日本版では、イラストレーターの開田裕治氏がキャラクターポスターを書き下ろし、日本のPOPカルチャーへの称賛が表現されている。
カーペットウォークが終わると、ヴァン・ヘイレンの『JUMP』が流れる中、出演者がステージに改めて登場。スピルバーグ監督は、「この作品はとても個人的な映画なので、ぜひとも自ら日本に来て、この映画を紹介したいと思いました。タイ、オリビア、ウィン、ここにいるキャストのみんなが素晴らしい演技を見せてくれました。日本のPOPカルチャーのいろんな要素が(映画に)含まれています。そして皆さんにはこのキャラクターたちを楽しんでいただきたいし、ストーリーを楽しんでいただきたいと思います」とあいさつした。
それを受けた形でタイ・シェリダンは「この映画は特別。いろんな技術による素晴らしく美しい映像もあるが、2018年のいま、この世界にとても関連性のあるストーリーだと思います。私がこの映画を作っているあいだにいろんなことを学んだように、皆さんもぜひこの映画からいろんなことを学んでいただきたいなと思います」と本作を紹介した。
初来日の主演のふたりは、日本の印象について「みなさんとても礼儀正しい」(タイ)、「本当に美しい街だと思っている。いろいろ探検したいのですけれど、来日してからたくさん仕事をしているので、明日の夜、できるだけいろいろいろなところに行って、いろいろ食べて、歩いて、皆さんの文化を楽しみたい」(オリビア)と語った。
スピルバーグ監督は、13年ぶりの日本について、「いろいろ変わっているところはあると思うんですけれど、タイが言うように人々が礼儀正しい。お互いに敬意を払う。そしてこの国はあまりシニシズム(皮肉)が見受けられないところが私の国とは違う。『レディ・プレイヤー1』は私が作った映画の中でももっともシニシズムがない映画だと思っているので、日本には合っているんじゃないかと思います」と感想を述べた。
また、「アニメに出会ってから、日本のPOPカルチャーには本当に魅了されています。私が本当に幼いころ、父に連れられて東宝映画の『ゴジラ』を見たのが最初。『ジュラシック・パーク』は『ゴジラ』をもとに作りました。『レディ・プレイヤー1』には“メカゴジラ”が登場しますが、オリジナルの『ゴジラ』の曲も使わせていただいています」といい、ステージの背後にある新宿東宝ビルの壁面に描かれた“ゴジラ”を皆で見上げる一幕もあった。
森崎ウィンには、ハリウッドデビュー作の出演について質問が飛んだ。「監督に一番最初にお会いしたのは、ロサンゼルスでのセカンドオーディションの時。いまでもそのシーンを覚えているんですけれど、部屋に入ったら監督が“ハイ ウィン!”という握手から今日という日を迎えられたことがいま、幸せな気持ちでいっぱいですね。夢のように覚めないでほしい。監督には(撮影時)“一番最初にセットに来ているね”と褒められたのがうれしかった」と感慨深く語っていた。