2018年4月6日に全国ロードショー予定の『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』。ゲームの世界に飛び込んだお話ということで、ファミ通.comでも同作の情報を順次ご紹介させていただいてきたわけだが、先日、ソニーが研究開発を進めている、 “ハプティックベスト”を着用して鑑賞する期間限定の先行上映が、3月29日~4月5日まで、TOHOシネマズ 日比谷にて行われることになったのは既報のとおり。

 “ハプティックベスト”ってなんぞや? という方のためにご説明しておくと、ソニーの最先端テクノロジーであるハプティクス技術(触覚提示技術)を用いて、ベストを着用することによってリアルな触感や振動、衝撃が体感できるテクノロジー。ベストには前6ヵ所、後ろ4ヵ所の計10個の振動装置が設けられており、映画のシーンに合わせて振動し、臨場感たっぷりに映画が体感できるようになっている。

 いったいどんな体験なんだろう……と、映画ファンならずとも気になるところだが、そんな疑問が解明される日が来た。プレスを対象とした先行体験会が開催されるというのだ。これは行かなければ……ということで、馳せ参じた次第。映画ファンたるもの、オープン間近のTOHOシネマズ 日比谷にいち早く行けるということでテンションが高まったのは言うまでもない(会社から歩いていけるし……)。

 当日“ハプティックベスト”を体験できたのは、担当者さんいわく「とくに振動や衝撃が体感できる」という4つのシーン。ゲームの世界に入った主人公、ブレイブストーン博士(演じるはロック様)が敵と立ち回りをしたり、ペリコプターで移動したり……といったシーンとなっている。敵のくり出す攻撃をかわすと軽く振動がブルン、ロック様がアッパーをかますと、強烈な振動がブルンという具合だ。ペリコプターが急上昇するシーンでは、10個の振動装置がフル稼働しているのでは……と思われるほど、強烈な振動。体験の前は「振動といってもかわいいもんなんでしょう?」と思っていた記者だが。なかなかのガチぶりに文字通り震える。振動が体験できるのは映画中で20シーンほどで、振動には100種類のバリエーションがあるとのことだが、なかなかに斬新な体験でした!

『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』の “ハプティックベスト”を先行体感、マジな振動に思わず文字通り震える_02
こちらが“ハプティックベスト”。前後10ヵ所の振動装置が仕掛けられている。
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ベストの後ろにも『ジュマンジ』のロゴが。
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機械はドリンクホルダーに入れて、有線でベストとつないでいる。オン/オフの切り替えも可能。設備的にはけっこうな汎用性がありそう。
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体験後の撮影タイムより。カメラマンさん(堀内剛)に乞われるままに体験時の演技をしてみるが、どうにもくさい。実際のところはここまでではないが、けっこうな衝撃ではありました。
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お口直しに撮影用に用意してくださった皆さんのショット。

 体験のあとは、担当者による質疑応答の時間が設けられたので、以下にその模様を紹介しよう。お話しいただいたのは、ソニー ブランドデザインプラットフォーム グループイニシアティブ推進部 エンタテインメントパートナーシップ課 ビジネスディベロップメント マネージャー 大原弘嗣氏、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント エグゼクティブディレクター 映画 マーケティング部 堀内啓氏、TOHOシネマズ 営業本部 マーケティング部 マーケティング室 中島博明氏の3名となる。

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左から、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント 堀内啓氏、ソニー 大原弘嗣氏、TOHOシネマズ 中島博明氏。

――『ジュマンジ』を“ハプティックベスト”の体験の最初に設定した理由は?

堀内 世界的に見れば、“ハプティックベスト”の上映会は違うタイトルでメキシコでやってはいます。『ジュマンジ』という映画を10倍以上楽しんでいただくには、いちばん適した新しい映画の鑑賞体験かなと思い、TOHOシネマズ様に私どものほうで、「ぜひ、やりませんか」とお声かけさせていただいたのが、経緯ですね。

大原 映画が違うキャラクターに成り代わるという設定があるので、ちょうど“ハプティックベスト”も“映画の中の世界を体感できる”というコンセプトがあったので、非常にマッチするんじゃないかという発想がありました。あと、世界中で大ヒットしているタイトルで、TOHOシネマズ 日比谷さんも新しくオープンするということで、この3つを組み合わせるのが最高の形だと判断しました。

――“ハプティックベスト”と4DXってミックスすることもできるのですか?

大原 現時点ではお答えすることはできないのですが、検討していきたいと思っています。

――今回4シーン体験できたのですが、映画そのものではどれくらい体験できるのですか?

大原 映画の全部にはついていなくて、いちばんキーとなるシーンに付けられています。

広報担当 時間的に計算しているわけではないので、明確な尺数はお出ししていないのですが、効果のパターン的には100以上あります。

――振動をつけるにあたってのこだわりポイントをお教えください。

大原 これがおもしろいポイントって、目で見ている映像と自分の触覚がマッチするところなので、そこのあわせこみが非常にたいへんなのですが、そこがいちばんのこだわりです。

堀内 あとは、本編の中では感情の昂ぶりみたいなものも(“ハプティックベスト”で)表現しています。心臓の音とか。単純に今日体験いただいたアクションシーンだけではありません。

――今日体験できた中でも、おしっこをするシーンがありましたね。

堀内 (笑)。それはおもしろいので、ジャストアイデアで僕がお願いしました。「ぜひ、かけられるがわの岩になりたい」ということで(笑)。

大原 魅力としては、もちろんキャラクターになるということもありなのですが、ふだんでは絶対に体験できないようなことができる。おしっこをかけられるような……。

堀内 おしっこをかけられることが思いっきり全面に押し出される宣伝ではないのですが(苦笑)。

――あれ、かけられる側の体験なのですね?

堀内 はい。それで上から下に下がってくる感じで揺れたかと思うのですが、岩目線です。

一同 (笑)。

――10分くらいの体験だったのですが、代謝がよくなりました。それでも訴求できそうですね。

大原 (笑)。このタイミングではそういった訴求はしていないのですが、そういった業種の方とコラボできればと思います。

――僕みたいな体育会系の人間からすると、気持ちよくなるんですよ。どんどん温かくなっていって……。

大原 “ハプティックベスト”のよさは触覚というものを突き詰めたものなので、それに関してはおもしろいかなと思っています。

――ヒットしたら“ハプティックベスト”の上映館を拡大していく?

中島 今回はTOHO シネマズ 日比谷のオープンニング記念として、8日間限定で予定しています。今後については、まったくの未定です。

 冒頭で述べたとおり、“超体感シネマ 『マジジュマンジ』”は、3月29日~4月5日の期間限定でTOHOシネマズ 日比谷にて上映予定。通常の料金で楽しめるのもうれしいところ。“百聞は一体感に如かず”ということで、気になる方は体験してみることをオススメしたい。オープンなったばかりのTOHOシネマズ 日比谷に行く絶好の機会でもあるわけですし!

■撮影/堀内剛