『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』が“ゲーム・オブ・ザ・イヤー”を圧巻の勢いで受賞、『NieR:Automata(ニーア オートマタ)』も“Audience Award”に輝く【GDC 2018】

いよいよGDCも本格化する会期3日目の3月21日、毎年恒例となった前年のすぐれたタイトルに贈る“18th Annual Game Developers Choice Awards”と、すぐれたインディーゲームに贈る“20th Annual Independent Games Festival Awards”が開催された。

 アメリカ・サンフランシスコにて、2018年3月19日から23日まで行われる、ゲームクリエイター向けの世界最大規模のカンファレンス、“GDC(ゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス)2018”。GDC EXPOやGDC Playなども開幕し、いよいよGDCも本格化する会期3日目の3月21日(現地時間)に、毎年恒例となった前年発売されたすぐれたタイトルに贈られる“18th Annual Game Developers Choice Awards”と、インディーゲームを対象とした“20th Annual Independent Games Festival Awards”が開催された。

 その名の通り、デベロッパー自身が投票することで知られる“Game Developers Choice Awards(GDCアワード)”。2017年を代表する“Game of the Year(ゲーム・オブ・ザ・イヤー)”に輝いたのは、任天堂の『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』に。これまで“The Game Awards 2017”“日本ゲーム大賞2017”など、数々の賞を総ナメにしてきた感のある『ゼルダの伝説 ブレス・オブ・ザ・ワイルド』だが、輝かしい受賞歴にさらに華を添えることになった。なお、『ゼルダの伝説 ブレス・オブ・ザ・ワイルド』は、そのほかにも“Best Design”と“Best Audio”を受賞している。この日、残念ながら『ゼルダの伝説 ブレス・オブ・ザ・ワイルド』の開発スタッフは諸般の都合により授賞式に出席することは叶わなかったものの、“Game of the Year(ゲーム・オブ・ザ・イヤー)”にノミネートされたということで、プロデューサーの青沼英二氏とディレクターの藤林秀麿氏からのビデオメッセージが寄せられていた。そのコメントは以下の通り。

代理で登壇したニンテンドー・オブ・アメリカの担当の方も大いにうれしそう。

 「“ゲーム・オブ・ザ・イヤー”で『ゼルダの伝説 ブレス・オブ・ザ・ワイルド』に投票してくださった開発者の皆さん、本当にありがとうございます。とても光栄です。また、今回ノミネートされたすべての作品に対しても、この場をお借りして賛辞を送らせていただきます。『ゼルダの伝説』シリーズでは発見と探索が大きなふたつのテーマとなります。今回、いままでとは違う『ゼルダの伝説』の制作は、我々自身にとって発見と探索の旅でした。その我々のチャレンジについて、多くの方々に喜んでいただき、そして熱狂的に受け入れていただけたことを心から感謝しています」(藤林秀麿氏)

 「『ゼルダの伝説』シリーズには、30年以上に渡ってサポートしてくださる、温かいファンの皆様がおられます。本作のような大きな冒険の旅にいっしょに出てくださったことは、『ゼルダの伝説』シリーズに対する愛の現れだと思っております。いままでいただいたポジティブな反応はこれからもファンの皆さんのために新しい驚きを与え続ける励みとなります。ゼルダチームと任天堂を代表して、Thank You!」(青沼英二氏)

 青沼氏と藤林氏のふたりが、GDCアワードでの“Game of the Year”の受賞を知ったら、大いに喜んだのではないかと思われる。

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 また、ノミネートされていた“Game of the Year”や“Best Design”、“Best Audio”などでの受賞は惜しくも逃したものの、“Audience Award”に見事輝いたのが、『NieR:Automata(ニーア オートマタ)』。会場には、その日の講演を終えたばかりのヨコオタロウ氏とプラチナゲームズの田浦貴久氏が慌てた様子で登壇し、「受賞すると思っていなかったので、とてもうれしいです!」(ヨコオ氏)と、喜びを語った。実際のところ、オーディエンスが選ぶ賞ということで、同作の海外での評価も極めて高いものであることが推察される。

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本当にうれしそうなヨコオ氏(中央)と田浦貴久氏(右)。

 それ以外では、“Innovation Award”と“Best Mobile Game”を受賞した『Gorogoa』、強力なライバルに勝利して“Best Visual Art”を受賞し、スタジオが“Best Debut”を取った『Cuphead』が印象的だった。なお、今年すぐれた功績を残したクリエイターに贈られる“Lifetime Achievement”を受賞したのは、地元サンフランシスコの開発スタジオ、ダブルファインプロダクションズを率いるティム・シェイファー氏。日ごろは軽快なトークから、GDCアワードなどでの司会ぶりが極めて高い人気を誇るティム・シェイファー氏だが、この日は微妙にしんみりとした面持ちで関係者に感謝の言葉を述べた。ちなみに、ティム・シェイファー氏は、スピーチで、ダブルファインプロダクションズの転機となったエピソードを語ってくれた。当時、資金を焦げ付かせて倒産の危機に瀕していたシェイファー氏は、あのウィル・ライトにダブルファインプロダクションズの株式の10%を購入しないかと持ちかけたのだという。当時、エレクトロニック・アーツに在籍していたウィル・ライトにそれは叶わなかったものの、10%の資金を無償でティム・シェイファー氏に与えてくれたのだという。ウィル・ライト氏のなんたる金持ちかといったところだが、非常に心温まる話だと言える。それにより、ダブルファインプロダクションズは持ち直したのだとか。

いつもは名司会ぶりで会場を笑いの渦に巻き込むティム・シェイファー氏もこの日ばかりは少ししんみりした雰囲気。オフィスはサンフランシスコにあるということで、スタッフが多数駆けつけてきておりました。その熱烈ぶりといったら!

故人を冥福を祈る“IN MEMORIAM”では、『アルカナハート』の生みの親である、さくらいとおるさんや、声優の鶴ひろみさんも偲ばれた。

18th Annual Game Developers Choice Awards

Game of the Year(ゲーム・オブ・ザ・イヤー)

<受賞作>
ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド (任天堂企画制作本部 / 任天堂)

<ノミネート>
PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS (PUBG Corporation)
NieR: Automata(ニーア オートマタ) (プラチナゲームズ / スクウェア・エニックス)
Horizon Zero Dawn(ホライゾン ゼロ・ドーン) (Guerrilla Games / ソニー・インタラクティブエンタテインメント)
スーパーマリオオデッセイ (任天堂企画制作本部 / 任天堂)

Innovation Award

<受賞作>
Gorogoa (Jason Roberts / Buried Signal / Annapurna Interactive)

<ノミネート>
ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド (任天堂企画制作本部 / 任天堂)
What Remains of Edith Finch (Giant Sparrow / Annapurna Interactive)
Everything (David OReilly / Double Fine Productions)
PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS (PUBG Corporation)

Best VR/AR Game

<受賞作>
Superhot VR (SUPERHOT Team)

<ノミネート>
Star Trek: Bridge Crew (Red Storm Entertainment / Ubisoft)
Lone Echo (Ready at Dawn / Oculus Studios)
バイオハザード7 レジデント イービル (カプコン)
The Elder Scrolls V: Skyrim VR (Bethesda Game Studios / ベセスダ・ソフトワークス)

Best Design

<受賞作>
ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド (任天堂企画制作本部 / 任天堂)

<ノミネート>
スーパーマリオオデッセイ (任天堂企画制作本部 / 任天堂)
Horizon Zero Dawn(ホライゾン ゼロ・ドーン) (Guerrilla Games / ソニー・インタラクティブエンタテインメント)
PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS (PUBG Corporation)
Nier: Automata(ニーア オートマタ) (プラチナゲームズ / スクウェア・エニックス)

Best Visual Art

<受賞作>
Cuphead (StudioMDHR)

<ノミネート>
ペルソナ5(P-Studio / アトラス)
Horizon Zero Dawn(ホライゾン ゼロ・ドーン) (Guerrilla Games / ソニー・インタラクティブエンタテインメント)
ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド (任天堂企画制作本部 / 任天堂)
Night in the Woods (Infinite Fall / Finji)

Best Audio

<受賞作>
ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド (任天堂企画制作本部 / 任天堂)

<ノミネート>
Cuphead(StudioMDHR)
Nier: Automata(ニーア オートマタ) (プラチナゲームズ / スクウェア・エニックス)
Hellblade: Senua's Sacrifice (Ninja Theory)
Horizon Zero Dawn(ホライゾン ゼロ・ドーン) (Guerrilla Games / ソニー・インタラクティブエンタテインメント)

Best Technology

<受賞作>
Horizon Zero Dawn(ホライゾン ゼロ・ドーン) (Guerrilla Games / ソニー・インタラクティブエンタテインメント)

<ノミネート>
デスティニー2 (Bungie / アクティビジョン)
Hellblade: Senua's Sacrifice (Ninja Theory)
アサシンクリード: オリジンズ(Ubisoft Montreal / ユービーアイソフト)
ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド (任天堂企画制作本部 / 任天堂)

Best Narrative

<受賞作>
What Remains of Edith Finch (Giant Sparrow / Annapurna Interactive)

<ノミネート>
Night in the Woods (Infinite Fall / Finji)
Hellblade: Senua's Sacrifice (Ninja Theory)
Horizon Zero Dawn(ホライゾン ゼロ・ドーン) (Guerrilla Games / ソニー・インタラクティブエンタテインメント)
Wolfenstein II: The New Colossus(ウルフェンシュタインII:ザニューコロッサス) (MachineGames / ベセスダ・ソフト-クス)

Best Mobile Game

<受賞作>
Gorogoa (Jason Roberts / Buried Signal / Annapurna Interactive)

<ノミネート>
Reigns: Her Majesty (Nerial / Devolver Digital)
Hidden Folks (Adriaan de Jongh and Sylvain Tegroeg)
Monument Valley 2 (ustwo games)
Bury Me, My Love (The Pixel Hunt / Figs / ARTE France / Playdius)

Best Debut

<受賞作>
StudioMDHR (Cuphead)

<ノミネート>
Team Cherry (Hollow Knight)
Sidebar Games (ゴルフストーリー)
Infinite Fall (Night in the Woods)
Jason Roberts / Buried Signal (Gorogoa)

Audience Award Winner

NieR: Automata(ニーア オートマタ) (プラチナゲームズ / スクウェア・エニックス)

Lifetime Achievement Winner

Tim Schafer

Ambassador Award Winner

Rami Ismail

 一方の“20th Annual Independent Games Festival Awards”にて、大賞にあたる“Seumas McNally Grand Prize”を受賞したのは、Infinite Fallの『Night in the Woods』。同作は大学を中退して実家に戻った猫のMaeが若い日々の生活を取り戻そうとするアドベンチャー。そのほかにも“Excellence in Narrative”を受賞しており、日本語版のリリースが待たれる1作だ。そのほかでは、“Best Student Game”と“Excellence in Design”を受賞した(つまり学生さんのタイトル!)言葉合わせのパズルゲーム『Baba Is You』が目を惹く。

20th Annual Independent Games Festival Awards

Seumas McNally Grand Prize(大賞)

<受賞作>
Night in the Woods (Infinite Fall)

<ノミネート>
Getting Over It with Bennett Foddy (Bennett Foddy)
West of Loathing (Asymmetric Publications)
Into the Breach (Subset Games)
Heat Signature (Suspicious Developments)
Baba is You (Hempuli)

Excellence in Narrative

<受賞作>
Night in the Woods (Infinite Fall)

<ノミネート>
Tacoma (Fullbright)
Attentat 1942 (Charles University and Czech Academy of Sciences)
Where the Water Tastes Like Wine (Dim Bulb Games)
Butterfly Soup (Brianna Lei)
Tooth and Tail (Pocketwatch Games)

Nuovo Award

<受賞作>
Getting Over It with Bennett Foddy (Bennett Foddy)

<ノミネート>
Tarotica Voo Doo (TPM.CO SOFT WORKS)
10 Mississippi (Karina Popp)
A Mortician's Tale (Laundry Bear Games)
Cosmic Top Secret (klassefilm)
Everything Is Going to Be OK (Nathalie Lawhead)
Baba Is You (Hempuli)
Kids (Playables)

Excellence in Design

<受賞作>
Baba Is You (Hempuli)

<ノミネート>
Into the Breach (Subset Games)
Shenzhen I/O (Zachtronics)
Wilmot's Warehouse (Richard Hogg, Ricky Haggett, Eli Rainsberry)
Uurnog Uurnlimited (Nifflas Games)
Getting Over It with Bennett Foddy (Bennett Foddy)

Excellence in Audio

<受賞作>
Uurnog Uurnlimited (Nifflas Games)

<ノミネート>
Tormentor X Punisher (e-studio)
Cuphead (StudioMDHR)
Vignettes (Skeleton Business)
Rain World (VIDEOCULT)
Celeste (Matt Makes Games)

Excellence in Visual Art

<受賞作>
Chuchel (Amanita Design)

<ノミネート>
Night in the Woods (Infinite Fall)
Cuphead (StudioMDHR)
Echo (ULTRA ULTRA)
Luna (Funomena)
The Gardens Between (The Voxel Agents)

Best Student Game

<受賞作>
Baba Is You (Hempuli)

<ノミネート>
IO Interloper (DANG!)
Don't Make Love (Maggese)
Penny Blue Finds a Clue (DigiPen Team Cactus Curse)
We Were Here (Total Mayhem Games)
Guardian of the Gears (DigiPen Team Studio 76)