1月中旬にアメリカで行われたコーエーテクモゲームスのプレス体験会から、『進撃の巨人2』と『真・三國無双8』のプレイのインプレッションと、両作品のプロデューサーへのインタビューをお届けする。

 2018年1月中旬、アメリカのカリフォルニア州サンフランシスコで、コーエーテクモゲームスのプレス体験会が行われた。

 出展されたのは、日本発売が2月8日に迫った『真・三國無双8』(PS4)と、同じく3月15日に発売予定のアクションゲーム『進撃の巨人2』(PS4/Vita/Switch/PC)、そして日本では既発の『リディー&スールのアトリエ ~不思議な絵画の錬金術士~』(PS4/Vita/Switch)の3タイトル。

 いずれも結構じっくりと試遊可能で、じゃんじゃん動画撮影オーケーという太っ腹なルール。聞けば現地法人が単独実施するプレスイベントは2年半ぶりとのことで、仕上がりを現地メディアにしっかりチェックしてもらおうという意図がうかがえた。

 『リディー&スールのアトリエ』は日本で発売されており、『真・三國無双8』と『進撃の巨人2』についても本誌で過去にその概要やプレイの内容をお伝えしているが、せっかくなので後者2タイトルについて、簡単にインプレッションと個人的な注目点をお届けしよう(ただしどちらもかなり強いデータが用意されていたため、難度については判断を避けたい)。

やっぱり立体機動装置のアクションが気持ちいい『進撃の巨人2』

 まず『進撃の巨人2』は、2016年に発売されたアクションゲームの続編。前作ではアニメのSeason 1までを扱っていたが、今回はオリジナル主人公の視点からSeason 2プラスα(詳細は後述)までの物語が描かれる。

 ゲームは街での日常パートがハブとなっていて、原作キャラとの交流などさまざまな要素にアクセスできるほか、自室ではキャラクターの外見のカスタマイズも可能。基本的には各パーツのテンプレートを選んでいくタイプのエディットなので、ゴリゴリ弄りまくってもちゃんと諫山創タッチのどことなく中性的な3Dキャラになるのが面白い(デフォルトで用意されていたゴツめの男性キャラをしばらく女性キャラにエディットして遊んだ)。

 肝心のミッションに出てからのアクションパートは、やはり本作の要のひとつである立体機動装置のアクションが気持ちいい。高速に移動して、巨人の弱点を的確に切り刻み、次の現場に颯爽と向かう、調査兵団の精鋭の気分になれる。

やっぱりこのムーブが気持ちいい。

 しかし“進撃”世界では、あまり調子に乗っていると、巨人に捕まって泣きわめくことになりがち。本作では巨人の警戒度が“デンジャーゾーン”に突入すると動きが機敏になり、大胆に人間を襲ってくるようになる。これがなかなか、一気に緊張感が高まっていい感じ。プレイ中のテンションのいいアクセントになっていると感じた。

こうなるとデンジャーゾーン突入。まずは回避!

 なお会場にはシングルプレイの体験用にPS4版が、マルチプレイの体験用にNintendo Switch版が用意されていて、後者では新たなオンライン対戦モードである“殲滅モード”を遊ぶことができた。殲滅モードは最大4対4での対戦で、基本的には巨人を倒して稼いだポイントを競うという内容。

 体験会場では単に各自巨人を倒し合うだけの感じになってしまったが、実は対人用の妨害アイテムが用意されているので、製品版では巨人よりも非情な足の引っ張りあいが起こるかもしれない。

殲滅モードは巨人の討伐勝負。純粋に対巨人の腕を見せつけるか、それとも……。

オープンワールドになって本当にどこまでも行ける『真・三國無双8』

 お次は『真・三國無双8』。言わずと知れたアクションゲームシリーズの最新作となるが、今作では全土を一枚のマップで再現したオープンワールドアクションゲームになった。どんなものかと思い、会場でのデモでは最初の目的地まで馬で行こうとしたのだが、本当にずっと行けてしまう。

 結局、地域間移動(ファストトラベル)を使ったのだが、そこから次の目的地までの距離もそれなりにある。しかし、採集などの探索にまつわる要素がいろいろと用意されているし、道中の各所で起こっている自軍と敵軍の勢力争いに加勢したり、道を外れてサイドミッションに手を出すのもアリ。広大なマップの中でいかに流れるようにプレイ要素を見出していけるかで、感触は大分変わってきそうだ。

寄り道途中に狼に襲われる記者。

 また、オープンワールドゲームになるのに合わせて、バトルアクションの設計も変わっているのもポイント(詳細はインタビュー部分参照のこと)。

 □や△を押すだけでもコンボを簡単に出せるのは変わらないが、敵の状態や間合いに応じて攻撃が変化するという作りなので、これまで自分のコンボを敵に押し付けていくようにプレイしていた人は違いにとまどうかも。結構思い切ったチャレンジだと思う。

 会場では、『進撃の巨人2』の鯉沼久史プロデューサーと、『真・三國無双8』の鈴木亮浩プロデューサーに話を聞くことができた(収録は個別)。というわけでラストにインタビュー2本をどうぞ。

鯉沼久史(こいぬまひさし)

コーエーテクモゲームス代表取締役社長。『進撃の巨人2』ではプロデューサーを務める。

鈴木亮浩(すずきあきひろ)

コーエーテクモゲームス執行役員。『真・三國無双』シリーズではプロデューサー。

――コーエーテクモゲームスとして、ここアメリカでは単独のプレスイベント開催は久しぶりになります。

鯉沼 そうですね、2年半ぶりになります。前作『進撃の巨人』は日本に遅れて半年後に欧米で発売しまして、結果は日本・アジア・欧州・米国各地域で遜色なく売ることができました。ワールドワイドで合計すると100万本を超えたタイトルになったのですね。それで、日本だけじゃなくて海外でも支持があるタイトルに関しては同時に発売したほうがいいだろうということで、今回は全世界同時期発売ということにチャレンジしました。

――それが今回のイベントにもつながってくると。

鯉沼 『進撃の巨人2』はGamescomで開発中であることを発表しましたが、実は1作目もGamescomでの発表でした。その後日本ではイベントを行いましたが、「ユーザーの反応を見て、欧州や北米も同じくらい頑張らないといけないよね」と、海外でもイベントをやるようにしています。

鯉沼 そして今回は、ちょうど『真・三國無双8』も同じ時期で、ガストの『リディー&スールのアトリエ ~不思議な絵画の錬金術士~』もアメリカでは同時期に出る(現地3月27日発売)というので、合同イベントになった形ですね。特に『進撃の巨人2』と『真・三國無双8』は欧米でもちゃんと売れるタイトルなので、ちゃんとプロモーションを展開しよう、ということで力を入れてやっています。

――最近、SNSなどでの北米のゲーマーや業界関係者のやり取りを見ていると、日本製のゲームが再び存在感を示してきている感がありますが、そのあたりはいかがでしょうか。

鯉沼 ちょっと前まで日本のゲームが海外でなかなか厳しい時期があったのですが、「最近は日本のゲームが見直されてきていたりするのかな?」というのは感じていまして、そういう意味では日本だけでなく海外でも、日本のゲームにいい流れが来ている時期なのかなとは思っています。

Season2まで+αのストーリーを、新たな視点で

――『進撃の巨人2』のデモを遊んでみて気が付いたんですけども、今日出ているのは北米版のプログラムだと思うんですが、音声は日本語なんですね。

鯉沼 はい。結構アニメ系のタイトルでは悩むところで、以前は「英語音声を入れようか」と迷ったこともありますが、容量の問題とか収録の難しさとかがあります。まず収録して入れるまでが大変なんです。

 そして何を言われたかと言えば、「アニメファンは日本語音声で遊ぶので、英語音声が入るのもいいけど、そのために日本語音声を抜くのはやめてください」と(笑)。なので音声は日本語のままで、それ以外のテキスト部分についてはもっとちゃんと翻訳しようということで、一作目以上にいろんな言語に翻訳しています。

実は北米版でも日本語音声を収録(ただしテキスト系には日本語は入っていない)。

――キャラクターやアクションが増えていたり、いろんな部分がパワーアップしていると思いますが、プロデューサーとして「ここが2だ」という一番の違いを挙げるとすれば。
鯉沼 当然、前作はアニメのSeason 1のストーリーしか入れていなかったので、今回はSeason 2までを入れて、その後にさらにゲームオリジナルのエンディングを迎えます。まずはそこですね。

 前作を遊ばれた方はSeason 1の部分ももう一度やることになるのですが、前作ではエレンなど原作のキャラクターを使ってストーリーを進めていたのが、今回はオリジナルの主人公キャラクターを作って、調査兵団の中に入ることになります。なので(扱われている出来事は同じでも)これまでとは違う視点で、キャラクターを愛でながら一緒に戦うことができます。

自キャラは男女のカスタマイズが可能。

――「キャラクターを愛でながら」っていうのはいいですね。

鯉沼 キャラが増えたのも実は、キャラクター同士のかけあいとか、キャラクターとの交流をもっとやりたいという要望にお応えしてのことなんです。前作では「キャラクターが10人では少ない」という声を頂きました。そのため今作は30名以上にプレイアブルキャラクターを増やすことになるのですが、ここまでキャラクターが支持されている作品だとは正直予想以上でした。

 原作がある以上、(ゲームキャラクターとして)アクションでの差をつけにくいといったこともあるんですけども、「やっぱりこのキャラでやりたい」といった意見を頂いたので、増やしましょう、と。ですので、たくさんのキャラクターを使えたり、いろいろコミュニケーションを取れるというのも、2としてバージョンアップしている部分かなと思います。

 それと、これは特に北米と欧州からオンライン周りの強化を望まれていたので、それで今回このイベントでも、「オンラインの対戦はこうなりますよ」とお見せしています。

日常パートでのエレンとの会話シーン。

より怖い巨人との、よりやりごたえのある戦闘

(前段に引き続き)鯉沼 あと前作は“自分たちの考える立体機動装置の気持ちよさ”という所は担保できたものの、気持ちよく巨人を駆逐することを目指したために、例えば巨人特有の怖さとか動きの部分などはもうちょっと工夫できたかもなという感があったんですね。背景の建物とかのデストラクション(破壊要素)なども初めて入れたものだったので、なかなか不具合が取れなかったりもして大変だったんですけども、こちらももう少し頑張れたのではと思っていました。

 それで今回はもうベースとなるものはあるので、巨人の動きなら「四つん這いになる所が見たいよね」とか「覗き込む動きは必要だよね」といったところのブラッシュアップ、デストラクションなら「壊れ方のリアルさを上げよう」といった部分にも手を入れられて、“2”らしくまとめられたんじゃないかなと思っています。

――今日は怒りモードの巨人に掴まえられて悲鳴をあげてました(笑)。

鯉沼 難度の話で言えば、今日いろいろインタビューを受けた中でも、結構「これは作るの難しいでしょう」と言われたんです。というのは“(ハードコアな)ゲームユーザーのアニメファン”と、“アニメファンでゲームもやる人”って結構レベルが違うから、どっちにも対応するのは大変だろう、と。「そうですね、でもどちらも拾えるようにしていますよ」なんて答えるんですけど。

 でも前作では「易しすぎる」という声を結構頂いていたんですよ。それで今回は歯ごたえがあるようにしているのですが、冒頭でイージーモードを選べるようにもしてあって、それを選ぶと前作より易しいぐらいの感じで遊べると思います。

 例えば、巨人が一時的に激しく攻撃してくる状況が起こったりするのですが、アイテムの閃光弾を使うと瞬時に鎮められたりします。あまりアクションが上手でない方はアイテムを沢山持っていってもらうと楽にゲームを進めることができますし、それでも厳しければ、ストーリーモードもオンライン経由で2人同時プレイができるようにしてあるので、Co-op(協力)プレイで挑戦してみるのもいいと思います。

――不安なら調査兵団のうまい先輩と一緒に立ち向かうというのも手のひとつだと。ちなみに、フィードバックについて日本と海外で違いなどは?

鯉沼 「もう少し歯ごたえがある物にして欲しい」というのも「キャラを増やして」というのも大体同じだったんですが、お話したようにオンライン要素の強化については特に海外からの反応が強かったですね。

“殲滅モード”は、最大4対4で巨人を倒したりしながら獲得ポイントを競う新たなオンライン用の対戦モード。(※この画像はSwitch版で実際にプレイ中のもの)

アニメを超えるぐらいの巨人の動きをご覧あれ

――先程、ゲームオリジナルの展開について言及されましたが、そのあたり原作サイドとのやり取りはどうでしたか。

鯉沼 今回はコミュニケーション要素を増やすために街を作って、そこにもちょっとしたオリジナルのイベントが入っていたり、各キャラのオリジナルシナリオなどもあります。そのあたりはすべて講談社さんや諫山先生の確認は取ってあるので、公式なものと思って遊んで頂ければと思います。

――日本で発売前に体験できる機会などはあるのでしょうか?

鯉沼 店頭体験会を予定しています。2月17日より、各地の家電量販店やゲームショップなど11店舗にて実施します。

――では最後に発売を待っている日本のファンにメッセージをお願いします。

鯉沼 いよいよ3月15日にPS4、PS Vita、Switch、Steam同時発売ということで、ぜひ自分のやりやすい機種でプレイして欲しいですね。それと、今回は最初からオンライン対応しております。普段あまりオンラインをやらない方でも楽しめる対戦モードが入っていますので、ぜひそちらも楽しんで頂けると嬉しいですね。「アニメで見られるような巨人の動きを再現しようぜ」と頑張ってきましたので、アニメを超えるぐらいの巨人の動きをぜひご覧あれ!