2018年2月13日にタイトーよりリリースとなるSteam版『スペースインベーダー エクストリーム』。タイトル名を聞いて「あれか!」と思った人は、なかなかのゲーム通だ。タイトーの超ヒット作にして現在のゲーム文化の原点ともいえる『スペースインベーダー』。その30周年記念として10年前にリリースされた同名タイトル(ニンテンドーDS版/PSP版)が、40周年にあたる2018年に、進化を遂げて再登場するのだ。ここでは、プレビュー版のプレイを元に、その進化の具合をインプレッションしていく。

シンプルなゲーム性と練り込まれたスコア制度、ダンサブルなサウンドが本能を刺激する。Steam版『スペースインベーダー エクストリーム』をインプレッション_01

歴史的テレビゲーム『スペースインベーダー』の後継作

 本題に入る前に、少し『スペースインベーダー』の歴史を振り返っておきたい。1978年にアーケードゲームとしてリリースされた同作は、“撃って避ける”という当時のゲームにはなかった斬新なゲーム性が大いに受け、瞬く間に大ヒット。国内ではインベーダーハウスと呼ばれるゲームセンターがそこかしこに生まれ、100円玉を積み上げたサラリーマンが昼間からプレイに興じるなど、社会的ブームとなった。さらに、米国を手始めに世界中へと出荷されるなど、テレビゲーム文化の発展に大きく貢献した歴史的タイトルである。

 そうした記念碑的な『スペースインベーダー』だけに、数年ごとに何度かリメイクが試みられてきたが、そのほとんどが原作を大きく超えるサムシングを実現することはなかった。しかし、2008年に『スペースインベーダー』30周年を記念して制作された『スペースインベーダー エクストリーム』(DS/PSP)は、そのボーダーを超えてきたのだ。Steam版も基本的なゲームのルールは、DS/PSP版と違わないので、まずは本作がどんなゲームであるかを説明していこう。

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基本の遊びはそのままに新要素を“積み重ね”

 本作は、原作にはないふたつの新要素が加わっている。ひとつ目は、“プレイとサウンドの一体化”だ。ゲーム中にはつねにBGMとしてノリノリのダンスミュージックが流れているのだが、ショットを撃つ音や敵の撃破音は、BGMが刻むビートとシンクロするのがミソ。ゲームをプレイしているだけで、音と音とがどんどんと重なり合っていくのは、理屈抜きに気持ちいい……のだけど、こればかりは文字だけで説明してもどうにも説明不足。こればっかりは職務放棄を承知で、「触ればわかるから!」と言うしかない。あえて一番近い感覚としては、リズムマシンを適当に操作していたら、いつの間にか気持ちよくなっていた状態だろうか。

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 気持ちよくなったプレイヤーがつぎに気がづくのは、インベーダーに赤・青・緑などに色分けされている点のはず。察しがよい方は気付いたかもしれないが、インベーダーの色と(イカやカニに似た)種類は、倒した順番によって発動する“フィーチャー”を発動させるための仕掛けだ。たとえば同色のインベーダーを4体連続で倒すと、その色に対応したパワーアップアイテムが出現する。レーザーやボムといった強力かつ派手なショットが用意されていて、インベーダーを一掃できるのが、また気持ちいい。

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画面右側にあるのがフィーチャーを示すインジケーター。倒したインベーダーの順番によって、さまざまな役が発動する。

 さらに熱いのが“ラウンド”と“フィーバー”の存在だ。まず、同色のインベーダー4体を連続して倒すx2(それぞれ別の色で)をすると上部に7色に輝くUFOが出現し、それを破壊すると“ラウンド”と呼ばれるチャレンジステージに突入する。ラウンドの条件を達成すると、フィーバー状態に突入。ワシワシ出現するUFOを破壊するとジャックポットとなり、高得点が得られる。

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ラウンド中の様子。画面中央にある条件を達成するとフィーバーに突入。
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フィーバー中はUFOが続々と出現。倒せば一気に数万点となるジャックポット!

 といったように、フィーチャーは攻略には欠かせない要素なのだが、出現するインベーダーの色や種類は編隊によってまちまち。いざフィーチャーを狙おうとすると、倒す順番を考えながら緻密なショットを撃種ばならぬゲーム性にガラリと豹変するのだから、じつにおもしろい。

 これら新要素のが躍動感あふれるビジュアルで展開するわけだが、ゲームの基本はあくまで、左右に移動しながら敵を倒していく『スペースインベーダー』。原作の(いまとなってはシンプル過ぎる)操作法は崩さぬままに、パワーアップやスコア獲得のための新たな要素を“積み重ねていった”ゲームデザインは、なんとも素晴らしいものだ。

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ステージの最後にはボス敵も出現。ステージが分岐式なのもタイトー的!?

ゲームの原点と進化を同時に味わえる!

 ゲームの原点に近いシンプルさでありながらも、奥深い遊びを実現した『スペースインベーダー エクストリーム』がいかに魅力的か、ここまでの説明でおわかりいただけただろうか。加えてSteam版は、グラフィックをHD化し、全15曲(新曲含む)ある楽曲もオリジナルのコンポーザーたちによってリファインされている。変更点でとくに嬉しいのは、DS版では途中で途切れることがあったビートが、ステージクリアーまでずっと続くようになった点。ノリが途切れることなくゲームが続けられるのは、ハッキリいって最高の気分だ。

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映像的なクールなカッコヨサは説明するまでもナシ。刺激的なビジュアルに身を委ねよう。

 バカスカ弾を撃って気持ちよく音楽に浸るもよし、敵を倒す順番を考えながらシリアスに競うもよしと、気分次第でいかようにも楽しめる本作。世界中のプレイヤーとスコアを競い合う“グローバルランキング”が追加されているので、ハイスコアラーにとってはよだれモノだろう。発売から1週間はセール価格(通常2000円[税込]が1800円[税込])で購入できるとのことなので、これを機会にぜひプレイしていただきたい。

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DS版のサウンドディレクター・コンポーザーを務めた元ZUNTATAのCOSIO氏、ZUNTATAの土屋昇平氏、下田 祐氏による新曲も用意されている。

タイトル:『SPACE INVADERS EXTREME(スペースインベーダーエクストリーム)
ジャンル:シューティングゲーム
対応機種:PC(Steam)
メーカー:タイトー
サービス開始日:2018年2月13日(火)予定
対応言語:日本語 / 英語 / フランス語 / ドイツ語 / イタリア語 / スペイン語 / 中国語(簡体字・繁体字)/ 韓国語
価格:2000円[税込]
※2月13日(火)~19日(月)まで特別価格1800円[税込]で販売