Matt Makes Gamesの『Celeste』を紹介する。本作は本日より、日本語入りのPC/Mac版がSteamとitch.ioで配信開始。なお海外ではPS4/Xbox One/Nintendo Switchでも配信が行われる(Xbox Oneのみ27日配信。また国内でのコンソール版配信は不明)。
『Celeste』は、不思議な山“セレステマウンテン”を登っていく少女Madeline(マドレーヌ)の冒険を描いたアクションゲーム。移動・ジャンプ・エアーダッシュ・壁などへの掴まりといった限定されたアクションとマップギミックを利用して、罠だらけのマップを攻略していくのだ。
実は本作は、メインクリエイターのMatt Thorson氏とNoel Berry氏が、8ビット風のドット絵ゲームを手軽に作成できる一種のゲームエンジン兼プラットフォーム“Pico-8”用で開発してみたものがオリジナル。
技術的制約に適応するために、攻撃などの要素がないシンプル操作と、各面を基本的に1画面に収めて、とにかくスタートからゴールにたどり着けばいいというミニマルな設計を採用したのが、基本的にこの製品版でも継承されている(ただし製品版にはスクロールするステージもある)。なおオリジナル版は現在でもWebで無料公開されているので、気になった人はそちらも触れてみて欲しい。
オリジナル版からの製品化にあたっては、まずグラフィックがドット絵+現代的なライティングとエフェクトという今風の組み合わせになっているほか、ボリュームも大幅にアップ。
ステージは合計600スクリーン分以上になり、ステージの合間の物語要素なども登場。さらに3Dのワールドマップ画面や、タイムアタック機能、リーダーボード(ランキング)機能なども追加されていて、コンセプトを発展させた完全な別物といったところだ。
カジュアルに戦える対戦プラットフォームアクション『Towerfall』を開発したスタジオの新作ということもあって、とっつきやすさは抜群。難解なことはないのだが、わかっちゃいるのに罠にひっかかってリトライをくり返す、という内容になっている。
攻撃アクションなどがない分、マップごとのギミックで変化をつける形になっていて、敵(もちろん触れられただけで即死)に追われながらの攻略になったり、触れた所が即死罠に変化するようになっていたり、新たなエリアに進むごとに「ほう、そう来ましたか」となるのが面白い。
もちろん腕に自信がある人のために、ゴールとは別の場所にある“ストロベリー”を道中で何個集められるかという追加目標や、やり込みたい人のための“裏ステージ”も存在。動画などを見て「こんぐらい大したことねーじゃん!」と豪語する人はそちらにトライしてみてはいかがだろう。
また本作、サウンド面も評価が高く、Lena Raine氏らによるBGMは合計2時間以上収録というなかなかのボリューム。世界的インディーゲーム賞IGFでも、本年度ノミネート作の中で“Excellence in Audio”(音響賞)のファイナリストとして残っている。ちなみにサントラは同氏のBandacampで購入可能だ。