植松伸夫氏と北瀬佳範氏が語る、『FFVII』の思い出とコンサートへの意気込み。“BRA★BRA FFVII”開催決定記念インタビュー

2018年に、吹奏楽コンサート“BRA★BRA FINAL FANTASY VII BRASS de BRAVO with Siena Wind Orchestra”が開催されることが決定。これを記念して、作曲家の植松伸夫氏と、スクウェア・エニックス 北瀬佳範氏にインタビュー。

 作曲家・植松伸夫氏が制作総指揮を務め、2015年から行っている吹奏楽コンサートツアー“BRA★BRA FINAL FANTASY”(以下、BRA★BRA)。その2018年公演“BRA★BRA FINAL FANTASY VII BRASS de BRAVO with Siena Wind Orchestra”の開催が決定し、内容は『ファイナルファンタジーVII』(以下、『FFVII』)の楽曲のみで構成されることが明かされた。『FFVII』単独コンサートは、スクウェア・エニックス公式では初の開催となる。

『ファイナルファンタジーVII』公式吹奏楽コンサートが開催決定! 本日(12月8日)よりチケット先行受付開始

スクウェア・エニックスは、『ファイナルファンタジーVII』の公式吹奏楽コンサート“BRA★BRA FINAL FANTASY VII BRASS de BRAVO with Siena Wind Orchestra”を開催すると発表した。

 ファミ通.comでは、植松伸夫氏と、オリジナル版『FFVII』でディレクターを務め、現在開発中のリメイク版ではプロデューサーを務めているスクウェア・エニックス 北瀬佳範氏にインタビュー。BRA★BRA FFVIIへの意気込みや、『FFVII』開発時の思い出を語ってもらった。

 なお、2018年1月11日17時より、チケットオフィシャル二次先行受付がスタート。先着受付となるので、申し込みはお早めに!
BRA★BRA FFVII チケットオフィシャル二次先行受付ページ
https://l-tike.com/st1/brabraff2018off/sitetop

作曲家 植松伸夫氏(左)
スクウェア・エニックス 北瀬佳範氏(右)

『FFVII』オンリーのコンサートにした理由

――まずはBRA★BRA4年目突入決定、おめでとうございます!

植松4年目を迎えられるのは、これまでお客さんが会場に足を運んでくれたからです。いくらこちらがいいものを作っているつもりでも、BRA★BRAはあくまでエンターテインメントで商売ですから、お客さんがお金を払ってくださらなかったら続きませんでした。

――1年、2年と続けていく中で、コンサート自体に変化はありましたか?

植松毎年、シエナ・ウインド・オーケストラさんと日本各地を回らせてもらっていますが、初めのうちは遠慮気味で。格闘技で言うなら“ローキックから始まって探り合い”からだったんですけど、3年続けてきたことで、和気あいあいとした、バンド的なノリになってきたかなと思います。こちらから「こんなことをしたら、おもしろいんじゃないでしょうか」と提案したり、シエナさんからも「これはどうでしょう」って提案があったり。「この曲を演奏したい」、「こんなアレンジがいいと思う」とも言ってきますからね、シエナさんは。シエナさんのメンバーは若い方も多くて、ゲーム世代の方が多いんですよ。実際に『FF』をずっと遊んでました、という方たちがね。それはすごくうれしいですよね。

――もとのゲームを愛している方に演奏してもらえるのは、うれしいですよね。

植松昔、初めてオーケストラで収録したころはね、「ゲーム音楽でしょ?」と、軽んじられたこともあったんですよ。それこそ、20年くらい前は。そんな昔と比べると、「いっしょにおもしろいものを作りましょう」と言っていただけるのは、すごくありがたいです。シエナさんも、楽しそうに演奏しているのがわかるし、会場のお客さんも喜んでくれているのがわかるので。幸せですよ、すごく。

――では、来年の内容について詳しくうかがいたいと思います。『FFVII』をフィーチャーした内容になるとのことですが、そのような形にした理由をお聞かせいただけますか?

植松どの国でコンサートをやっても、やっぱり、『FFVII』の人気って異様に高いんですよね。プレイステーションで最初に出た『FF』、というインパクトもあるんだろうね。『FF』が世界的に認知されるようになったのは『FFVII』からですし。それほど人気なら、『FFVII』の曲だけで構成してみてもいいんじゃないかと思ったんです。

――BRA★BRA4年目に、変化球を投じた形になりますね。

植松毎年同じようなものをやると、飽きられちゃうでしょ。まず、僕が飽きちゃうんですよね、同じことをやっていると。だから、自分としてはやったことのない、ひとつのタイトルに特化したコンサートを初めてやります。怖いは怖いんですけどね、だって『FFVII』ファンしか来ないわけじゃないですか。でもまあ、やってみてダメだったら、つぎをまた考えようと。

――今回、『FFVII』オンリーのコンサートになると聞いて、北瀬さんはどう思われましたか?

北瀬ビックリしましたよ。「植松さんといっしょにコンサートを盛り上げて」という話をいただいて、自分がそういう立場になるということは考えていなかったので……怖いですね。植松さんは無茶ぶりしてくるので(笑)。コンサートでは壇上に立たされるかもしれません。でも、いままでやってこなかったことなので、楽しそうだなと思っています。

植松北ちゃん(北瀬氏のこと)がトップで仕切った『FF』って、『FFVII』が最初じゃん? 北ちゃんにとっても『FFVII』は印象的な作品なんじゃないかなって。だから今回は北ちゃんに来てほしいな、という気持ちが僕にもあったんですよね。

北瀬ハードがプレイステーションになって、劇的な変化がある中で、植松さんがいろいろとチャレンジしていたということもあって、『FFVII』は印象に残っていますね。

今回も、来場者を驚かせる変化球が満載!?

――『FFVII』の曲といっても、かなりの種類がありますが、どの曲が演奏されるのか、気になります。すでに譜面がある曲は、もちろん演奏しますよね?

植松それはやりますよ。もちろん、これまで演奏されていない曲もやります。みんなに喜んでもらえるといいんですけどね。

――北瀬さんは、曲目はご存じなんですか?

北瀬一応、最初にお声がけいただいたときに、曲目もいただいて。自分の好きな曲もリクエストしたんですが、それが最終的に演奏されるかどうかは……? 『FFVII』の曲はどれも印象深かったので、リクエストした曲がたとえ入っていなくても、満足なんですけどね。

植松2時間ぐらいのコンサートなので、さすがに全曲は難しいんですよね。

――2017年のBRA★BRAでは、「クレイジーモーターサイクル」が尖ったアレンジで演奏されましたが、今回も、どんなアレンジがあるのか楽しみです。

植松ただキレイなだけ、ただカッコいいだけの音楽というのもできるとは思います。でも、音楽だからいろんな楽しみがあるわけで。それぞれの音楽に味の違いがあって、その味わいかたさえ覚えれば、音楽って全部楽しいんですよね。それを伝えたいので、たとえばジャズっぽくしてみたりと、ふだんは聴けないようなアレンジを1、2曲は入れています。

北瀬そういう変化球、好きですよね? つねに人を驚かせてやろうとか、うまくだまして楽しませてやろうとか、そういった精神が昔からありますよね。

植松FFVIII』の曲に「FITHOS LUSEC WECOS VINOSEC」ってあるじゃないですか。あれはアナグラムで、文字を入れ替えると、“魔女の継承(SUCCESSION OF WITCHES)”と“愛(LOVE)”って言葉になるんですよ。その仕組みを考えて、アルファベットを区切っておもしろい言葉にできないかな、と悩んでいるときに、北ちゃんが部屋をのぞきに来て(笑)。

北瀬「ちゃんと仕事してくださいよ」って(笑)。でもそういうのがいいんですよ。お客様を楽しませたいという気持ちが、コンサートにも出ているんだろうなと。

――アンコールにいたるまで、お客様を楽しませようという気持ちが出ていますよね。今回も、アンコールで来場者といっしょに演奏する形は踏襲しますか?

植松はい。あれは定番で、あのアンコールのために1年間楽器を練習する、という方もいらっしゃいますからね。とくに吹奏楽をやっている人にとっては、シエナさんの隣でいっしょに吹けるというのは幸せでしょうし。もちろん演奏がうまくなくてもいいんですよ。いっしょに楽しんだもの勝ちですからね。

――そのアンコールに『FF』の曲で参加できるというのが醍醐味ですよね。北瀬さんもぜひ参加を!

植松ちなみに、前の奈良公演(2017年6月)は、坂口さん(坂口博信氏)や渋谷さん(渋谷員子氏)もステージに上がっていたよ。

北瀬楽器は演奏したんですか?

植松カスタネットみたいなものをやってたな。

坂口博信氏・植松伸夫氏・渋谷員子氏が集結! 『FF』のメインテーマ生演奏に思わずホロリ?! 『FF』コンサート奈良公演記念インタビュー

植松伸夫氏が手掛ける『ファイナルファンタジー』の吹奏楽コンサートツアー奈良公演に、坂口博信氏、渋谷員子氏が参加。終演後、コンサートの感想や、『FF』30周年への思いなどをうかがった。

――北瀬さんは、楽器のご経験は?

北瀬小学校の音楽の授業でやったぐらいです。

植松ハーモニカなら大丈夫じゃない? 時ちゃん(時田貴司氏)はギター持ってたしね。なんでもありですよ。