エピソード5での新クラス登場による変化と問題点への対応、そして今後の展開について『ファンタシースターオンライン2』開発陣を代表する酒井智史氏と濱崎大輝氏のふたりを直撃!

聞きにくいことも聞いちゃいます! 『ファンタシースターオンライン2』開発陣インタビュー

 2017年7月末の実装から、約半年を迎えたエピソード5(以下、EP5)。さまざまな新コンテンツがプレイヤーを楽しませる一方で、いくつかの要素で波紋を生んだのも事実だ。今回は、現在進行系で改善作業に尽力している開発陣を直撃。バランス調整や新しいコンテンツを含めて、EP5のこれまでとこれからを語ってもらった。

酒井 智史(さかい さとし)

『ファンタシースターオンライン2』 シリーズプロデューサー

濱崎 大輝(はまざき だいき)

『ファンタシースターオンライン2』 エピソード5ディレクター

EP5の問題点改善とこれからの方向性

――冒頭からネガティブな話題で恐縮ですが、EP5は革新的な要素が多かった反面、不満を漏らすユーザーも多く見受けられました。これに関する現状の所感をお聞かせください。

酒井EP5では、上級クラスとして実装したヒーローが一強になり過ぎた点が大きな反省点です。同時に実装したバスタークエストがヒーローの活躍しやすい環境ということもあり、ヒーローだけが優遇されている印象をユーザーさんに与えてしまった。加えて、既存クラスに行ったバランス調整で大規模な下方修正を行ったために、ユーザーさんとしては5年間積み重ねてきたものを、ないがしろにされたと感じてしまった。その結果、大きな不満が噴出したと考えており、バランス調整方針の検討が不十分だったと反省しています。また、複数ブロックマッチングなど、利便性を向上させるための仕様も取り入れたのですが、こちらも機能が不十分な状態でリリースしてしまったことも、開発への不信感を高めた原因と認識しています。

――実際にアクティブユーザーの減少はあったのでしょうか。

酒井僕らがEP5で目指していたアップ率に対しては、大きく下がってしまった状態です。よくない状況だという危機感は感じています。僕らも5年間サービスを続けてきて、「この変化にもユーザーさんはついてきてくれるだろう」というおごりのような部分があって、こちらの都合を押し付けすぎてしまった結果、EP5ではNOという答えが出てしまった。それについても真摯に反省しています。当面は失ってしまった信頼を取り戻すため、いまのユーザーさんがプレイしやすく、そして離れてしまった方に戻っていただける環境にしていくために、当初の予定から今後のコンテンツ配信計画を大きく変更してリリースしていきます。

――東京ゲームショウ(以下、TGS)直後、早々にバランス調整をされましたが、これほど早く対応されるとは予想外で驚きました。

濱崎TGSの直前がいちばん不満が大きくなったタイミングで、直後の9月下旬に1回目のバランス調整を実施しました。もともと通常クラスのバランス調整の計画はあったのですが、もう少し後の時期を予定していました。しかし、通常クラスに対する要望が非常に多く挙がっていることを受けて、大きく前倒しを決め、実施しました。

――そういった施策の主軸として、通常クラスのバランス調整が順次実施されていますが、現状でユーザーの反応はいかがですか。

濱崎EP5で下方修正がなかったファイターやハンターといったクラスの方からは好意的なご意見などもいただいています。一方、フォースやサモナーは、2017年12月に追加の調整を実施しますが、まだまだ調整が不十分なので、今後も優先して対応していきます。また、ガンナーやバウンサーの調整も2017年12月に実施予定です。引き続き様子を見ながらバランス調整を行って、全体的な底上げを目指していきます。

――頭ひとつ抜けていた上級クラスのヒーローと、通常クラスの差を縮めていくと。

濱崎EP5配信当初と比べると、9月のバランス調整から、上級クラスと通常クラスの位置関係は少し変わりましたね。アルティメットクエストのように、継続的に火力を出す場面が多いクエストでは、通常クラスのほうが活躍できるように調整方針を変更しています。

――平均的に能力が高いヒーローと、得意分野ではヒーローよりも突出する部分がある通常クラス、というイメージでしょうか?

濱崎そうですね。手軽に一騎当千を味わえるクラスとしてのヒーロー、という立ち位置は、当初から変わっていません。

――EP5全体で見ると、今後のアップデートはどういった方向性になるのでしょうか。

濱崎年内に関しては、バスタークエストやヒーロー中心のアップデートが多くなっていましたが、来年以降はそれ以外のコンテンツも充実させ、通常クラスが活躍できるシーンを増やすことで、遊びやすい環境づくりを目指します。バランス調整のほかにも、既存クラスには新しい要素の実装も考えていますので、引き続き安心して遊んでいただければ。

――開発スタッフも募集されていますが、開発体制にも変化はあったのでしょうか。

濱崎複数ブロックマッチングなどで、チェックが不十分な状態でリリースしてしまった今回の反省点を踏まえて、現在は、クオリティーアップにより多くの時間を割ける新体制へ移行しています。いままで遊んでいたクラスも大切にして欲しいというユーザーさんの意見に、向き合える形にしていきます。

酒井開発スタッフは、入れ替わりも多いですが、そんなことはユーザーの皆さんにとっては関係のない部分ですから。うまくフォローできる体制を作っていければと思います。