PlayStation Experience 2017に出展されていたゲームから、PlayStation VR対応ゲーム『Accounting+』を紹介しよう。
本作はメタフィクション的な怪作インディーゲーム『Stanley Parable』の開発者のひとりWilliam Pugh氏(※)のスタジオCrow Crow Crowsと、アニメ『リック・アンド・モーティ』のモーティ役などで知られるジャスティン・ロイランド氏が率いるSquanch Gamesによるコラボ作品。(※オリジナル版はDavey Wreden氏によるもので、製品版にする際にPugh氏が共同開発を行っている)
さてそのジャンルは……VRスラップスティック・コメディとでも言えばいいだろうか?タイトルの“Accounting”とは“経理”や“会計”といった意味だが、冒頭こそそういう設定のシーンがあるものの、全速力で脱線していく。
基本的には、ちょっとした謎解きをして「木マンが住む木の世界」、「かわいい動物キャラたちがワルを目指している世界」、「デブクリーチャーが食べすぎちゃった世界」、「骨でできた木琴(骨琴?)の世界」、「邪悪コンビが召喚ラップでサタンを呼び出そうとしている世界」といったナンセンスな世界を次々と渡り歩いていく、ヤングアダルト向けコメディの地獄めぐりのような内容だ。
ギャグのネタばらしみたいになってきたので真面目な説明を試みると、名作VRゲーム『Job Simulator』のように、「やっちゃいけない(しょうもない)ことをやらされる」というダチョウ倶楽部スピリッツに則ってプレイすればオーケーだ。
“木マン”がモーティの声で「やめろよ! 僕のヘッドセット持ってくなよ! ファ●キュー! まじふざけんなよ! フ●ッキュー!」と罵ったら、それは“ヘッドセットをパクってけ”という話だし、“食いすぎちゃったクリーチャー”の腹は割かないといけないし、骨骨コンビには酸をぶっかけなければいけない。動物ギャングはポルノ雑誌を手にとってビビらせろ! 窓はぶち破るためにある! 卵キャラは割れ!
大半の人には何が何やらだと思うが、『リック・アンド・モーティ』のファンの人なら、毎度リックに面倒なことに引きずり込まれるモーティのように、無茶な設定のVR世界で無茶なことをやらされるゲームだというのがなんとなく察せられると思う。それ以上でも以下でもないのだが、個人的にはメチャくだらなくて面白い。
ネタがネタだけに日本版が出るとはあまり思わないが、実は本作にはHTC Vive向けのオリジナル版『Accounting』が存在し、本作は新キャラやシナリオを追加してPS VRに対応させたバージョンという位置づけ。というわけで「ほう、そんなものが……」というスキモノの人は、Vive版でトライしてみてはいかがだろうか。