右肩上がりの業績をアピール

 2017年10月21日、DMM GAMESは東京ゲームショウ2017の同社ブース内特設ステージにて戦略発表会を開催。“DMM GAMESの事業戦略 2017”と題し、これまでのサービス実績をデータで振り返るとともに、今後の事業展開について説明がなされた。

 ステージに登場したDMM GAMESの林研一氏は、現在のユーザーの動向を資料を交えて解説。総登録会員数およびその男女比や、ユーザーがプレイに用いるデバイスの内訳などを示したうえで、同社の今後のビジョンを示したのだ。

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DMM GAMES企画営業本部本部長の林研一氏が事業戦略を説明した。

 本稿では、この日の発表内容を3つの項目に分けてダイジェストでお伝えしていく。

会員数

 2013年2月に発足したDMM GAMESは、2017年の8月時点で1924万人の登録会員を獲得。年内には2000万人の大台を突破できる見込みとのこと。

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登録会員数は毎年右肩上がりで伸び続けている。
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ユーザーがプレイに利用しているデバイスの内訳。2015年を境に、PCでプレイするユーザーの比率が拡大しいることがわかる。
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男女別の会員数の推移。これまでは男性が9割くらいを占めてきたが、2016年あたりから女性の割合が増えつつある。林氏は「『刀剣乱舞-ONLINE-』と『文豪とアルケミスト』が女性層の獲得に大きく寄与しているのでは」と状況を説明していた。
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男女ごとの年代比率。女性層の半数が20代を占めている理由も、『刀剣乱舞-ONLINE-』と『文豪とアルケミスト』の人気のおかげだろう。

売り上げ

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デバイス別の消費の内訳。PCの比率が目に見えて大きい。
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さきほどの内訳をR18と一般で分けると、前者のほうが6割以上を占める結果に。
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ARPPU(課金ユーザーひとり当たりの平均収益を表す指標)の推移。とくに2015年から2016年にかけての伸びが大きい。
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こちらは課金率の推移を表すグラフ。まもなく20%に届きそうな勢いだ。
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林氏によると、月商規模は「5000万円から1億円までがアベレージといったところ」。1億円以上の月商を挙げている作品の特徴は、「PCとスマートフォンの双方で展開しているマルチデバイス対応タイトルであること」だ。
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DMM GAMESが一環して推奨するビジネスモデルである、マルチデバイスの展開状況。
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スマートフォンアプリとPCとのあいだでデータ連携を行うことによって、ユーザーの接触機会が増やせる。林氏は「面を増やして、グロスで売り上げを伸ばすという考えかたです」と説明していた。

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『神姫PROJECT』のDAU(アクティブユーザー数)の平均値を示すグラフ。AppStoreとGooglePlayのふたつの新規プラットフォームで得られるDAUが、そのまま数値に上積みされていることがわかる。

プラットフォーム戦略&グローバル展開

 スマートファンアプリのPCへの展開を推し進めるために、BlueStacksと協業して、DMM GAMESのプラットフォームにエミュレーターを導入する。これによりAndoroid版がPCでそのまま動くようになるため、「導入工数の軽減」が見込まれる。

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両社の協業により、エミュレーターは2017年11月の実装に向けて着々と準備が進められているとのこと。
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DMM GAMESでPC向けタイトルを展開する際の手段。それぞれに一長一短があることがわかる。
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PCで展開する際に懸念事項となるチートなどの診断も、DMM GAMESの側で今後行ってくれるように。
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国内在住の外国人向けに、DMM GAMESのトップページの多言語化を実施。
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海外人気タイトルのDMM GAMESへの誘致なども今後行なう。
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国外誘致やライセンスアウトの一例。
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ビジネスの窓口や体制も多言語化が図られる。

“DMM GAMESの事業戦略 2017”の発表内容は以上の通り。今後は、現在推し進めているマルチデバイス化だけでなく、グローバル展開にも一層力を入れていくようだ。スマートフォン&PCタイトルのさらなる“開国”は、DMM GAMESの手で行われていく……そう予感させる発表会だった。