2017年9月21日〜24日まで、千葉・幕張メッセにて開催されていた東京ゲームショウ2017(21日・22日はビジネスデイ)。プレイステーションブースでは21日、23日、24日にさまざまな新作・話題作の魅力を伝える“LIVE SHOW”イベントを実施。開催最終日となる24日の“LIVE SHOW”イベントの大トリを、10月19日に発売予定の『グランツーリスモSPORT』が務めることになった。

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 ブースには、レーシングドライバーで現在は国内レースの最高峰、SUPER GTでチーム監督を務める脇阪寿一氏と、『GT』シリーズのイベントではおなじみのアナウンサー・木幡ケンヂ氏が登場。今回、東京ゲームショウ2017の“グランツーリスモコーナー”では、タイムトライアル予選が実施されており、この予選の上位進出者によるスペシャルマッチが行われることに。

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左端が木幡ケンヂ氏、右端が脇阪寿一氏。

 脇阪氏は、レーシングドライバーを集めてニコ生で“グランツーリスモ選手権”を行ったこともあるそうで、自称ユーチューバーだと明言。これまで数々の伝説を作り出してきたが、今日も伝説が生まれるかもと期待感をあおる。まずは鈴鹿サーキットがどういったコースなのか、脇阪氏がみずからステアリングを握り、コース紹介を開始。

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タイムトライアル予選は、鈴鹿サーキットを2周で、使用車種はGT3カテゴリーのBMW M6を使用。タイヤはレーシングハードで、マシンセッティングは不可となっている。
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 鈴鹿サーキットの第1コーナーは、ダウンフォースのあるクルマは全開でクリップまで入り、第2コーナーはアンダーが出やすいので慎重に走行。左右コーナーが連続するS字区間は、最初のコーナーをアウトインアウトで走ると、次のコーナーへの進入がきつくなり、それがその後のコーナーにも続いてしまい、早く走ることができなくなるため、連続するコーナーをリズミカルに走ることが大切だと脇阪氏。逆バンクを立ち上がってのダンロップコーナーは、セッティングが決まっているクルマの場合は全開で駆け抜けていく。そのままデグナーを抜け、鈴鹿名物の立体交差をくぐり抜けると、ヘアピンコーナーに侵入。ここは右前輪にGがかかった状態でブレーキングをするため、リアの荷重が抜けてしまいクラッシュする可能性が高いとのこと。ヘアピンを立ち上がった後の緩やかな右コーナーは、全開で走行。そこから左に回り込むスプーンコーナーでは、脇阪氏は縁石にタイヤをひっかけて走っていたそうだが、最近の若い選手は縁石にタイヤをかけない走行をしているそう。そのまま、脇阪氏の駆るマシンはバックストレートから130Rへ進入。「F1マシンとかはこの130Rは全開で駆け抜けていきますが、僕は恐がりなのでブレーキを踏みます(笑)」と言いながら130Rを抜け、シケインに突入。シケインはふたつ目の左を全開で抜けるラインを考えて走るといいと語っていた。

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解説走行中、「鈴鹿サーキット、難しいなぁ」とぼやき節も。するとすかさず木幡氏から「ここで4回も勝ったことがあるのに!」と突っ込みを入れられていた。

 鈴鹿サーキットの走行中、木幡氏が実況を行ってくれていたが、走行終了後に「『グランツーリスモ』があって、プロの実況者が横にいれば、それはリアルです」と脇阪氏。「(今日のスペシャルマッチの参加者で)将来的にうちのチームで使えるドライバーがいるか、判断させてもらいます」と語ったところで、本日のスペシャルマッチに参加する4名の選手4人がブースに登場。

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左から予選4位のHamada選手、3位のTakahashi選手、2位のOkamoto選手、1位のYamanaka選手。

 4人が登場したところで、脇阪氏がとつぜんOkamoto選手を名指しで批判。どうやら2013年の東京ゲームショウで空気を読まない走行で赤っ恥をかかされたことを忘れておらず、ぶっちぎりで倒されたことをまだ根に持っているよう。「お前、また来たのか」といいながらも、今日は自身との対戦がないことにホッとしている様子を見せ、会場を沸かせていた。

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3位のTakahashi選手も、昨年5月にイギリスで開催された『グランツーリスモSPORT』アンヴェイルイベントで行われた、プレシーズンイベントの初代王者。「お前、ワークス(自転車メーカーが運営するチームの専属ドライバーの意)じゃないのか!」と脇阪氏に突っ込まれる一幕も。

 レース開始前、4選手の意気込みは以下の通り。

Hamada選手「クリーンで綺麗なレースを心がけたいです」
Takahashi選手「去年のTGSでも『GT SPORT』の大会で優勝しているので、今年も連覇したいです」
Okamoto選手「今回の『GT SPORT』はスポーツマンシップレーティングがあるので、意識の高いドライブをしたいです」
Yamanaka選手「予選を1位で通過できて調子がよかったので、決勝もこのままの勢いでいきたいです」

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 ここで脇阪氏が「(参加選手の)皆さん、靴を脱がれているんですよ。これは、アクセルとブレーキを繊細にコントロールするためなんです」と、画面からは見えない各選手の足下を紹介。ここからは解説を脇阪氏、実況を木幡氏が担当し、レース開始を迎えることに。4人の駆るマシンはポールポジションのYamanaka選手がBMW M6 GT3(Walkenhorst Motorsport)’16、2位のOkamoto選手がトヨタ FT-1 VGT(GT-3)、3位のTakahashi選手がポルシェ 911 RSR(991)’17、4位のHamada選手がシボレー コルベット C7 Gr.3。予選順位のまま、ローリングスタートによって決勝レースがスタート!

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 ローリングスタートのため、大きな波乱もなく、各選手が予選順位のまま第1、第2コーナー、S字コーナーを駆け抜けていく。このまま膠着状態が続くかと思われた瞬間、S字コーナーを抜けたところで2番手を走行していたOkamoto選手が痛恨のスピン。大きく順位を下げ、4番手に落ちることに。

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レース中の会場は、プロの実況が付くことで、まるで本物のレースが行われているような臨場感に包まれていた。
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Yamanaka選手を追走している途中、痛恨のスピンで戦線から脱落するOkamoto選手のマシン。

 Okamoto選手の脱落によって、優勝争いはYamanaka選手とTakahashi選手の一騎打ちといった様相を呈してきた。ほぼ同条件に近い状態でのバトルということで、決定的な抜き合いはないまま、レースは2周目(ファイナルラップ)に突入。Takahashi選手はYamanaka選手の真後ろに張り付き、なんとかミスをさせようと執拗にプレッシャーを与え続けての走行が続く。迎え撃つYamamoto選手も、若干走行ラインを乱すといった些細な乱れは見せるものの、終始安定した走行で1位をキープ。結果、最後までこのまま順位が変わることなく、フィニッシュラインを通過し、Takahashi選手の猛追をおさえきったYamanaka選手がポールトゥウィンを飾っていた。

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1位と2位のタイム差はわずか0.24秒差という僅差。レースがもう1周あったなら、結果がどうなっていたかわからないほどの接戦であった。

 レース終了後、脇阪氏はTakahashi選手の駆るポルシェ 911 RSR(991)’17が、ポルシェ初のミッドシップ(エンジン搭載位置が前後輪の中心部にある)車ということで、Takahashi選手がRR(後輪駆動でエンジンを後部に搭載)のつもりで走ってしまい、ファイナルラップの130Rでリアを滑らせてしまったのが敗因ではと、するどい突っ込みを入れていた。優勝したYamanaka選手については、後ろから厳しいプレッシャーを与えられながらも、ミスなく走行した点を高く評価。Yamamoto選手は、「ポールからのスタートで楽勝かなと思っていたんですが、2周目はかなりプレッシャーが強くて、ヘアピンでオーバーシュートしそうになったりしたんですが、なんとか勝つことができてすごくうれしいです」と、よろこびのコメント。優勝したYamanaka選手には、脇阪氏の手から優勝トロフィーと月桂冠に、レーシンググローブを授与されていた。

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 以上をもって、『グランツーリスモSPORT』のTGSスペシュルマッチは終了。今回のような白熱のレースが家でプレイできる『グランツーリスモSPORT』は、10月19日に発売開始。ここから将来、脇阪氏のチームに所属し、世界へと羽ばたく選手が登場するのだろうか。今後の『GT SPORT』の盛り上がりにも注目していきたい。

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東京ゲームショウ2017のプレイステーションブースの一角に設置されていた『グランツーリスモSPORT』試遊コーナー。発売前の話題作に触れると言うことで、連日大盛況だった。
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『グランツーリスモSPORT』コーナーの中心には、限定発売される“PlayStation4 グランツーリスモSPORT リミテッドエディション”も展示。シルバーとブラックのツートンカラーの重厚感がたまらない仕上がりを見せていた。
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スペシャルマッチ終了後は、プレイステーションブースもフィナーレということで、『GT SPORT』コーナーを華やかに彩っていたコンパニオンたちも総出で来場者をお見送り。

【2017年9月25日14時40分記事修正】
記事初出時、出演者の氏名の一部に誤りがあり修正いたしました。読者の皆さま並びに関係者各位にご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。