2017年9月21日(木)~9月24日(日)まで、千葉県・幕張メッセにて開催中の東京ゲームショウ 2017(21日・22日はビジネスデイ)。Wargamingブースでは9月23日に、『World of Warships』(以下、WoWs)の公式大会“オペレーション TGS 2017”のオフライン決勝戦が開催された。
今回のトーナメントの基本ルールはシングルエリミネーション・BO1。つまり、一発で決まる真剣勝負がくり広げられてきたわけだ。決勝戦でもこれは変わらなかったのだが、Wargaming側が考慮した結果、予選とは異なるルールが追加された。
変更点はふたつ。まず艦艇選択の制限に、煙幕が使用可能な艦艇は2隻までという制限が加わった。さらにもうひとつ、マップが予告されていた“河口”ではなく、隠れる場所が一切ない“大海原”に変更となった。
一手の判断が勝敗を分けるトップクラスの海戦!
障害物が一切ない大海原が舞台ということで、試合は激しい砲打撃戦となることが予想された。そんな大方の予想はつゆ知らず、試合スタートとともに艦艇ピックを見てみると、かなりおもしろいことに。
攻撃と制空に優れた航空母艦Shokakuを軸にしている点は、両チームとも同じだ。
ZOOは修理班で自己修復ができる巡洋艦Atago、高機動の駆逐艦Bensonを高火力の戦艦とともに押し進める、砲打撃力だけでなく継戦能力にも優れた構成を取った。
対してBullseyeは、魚雷に対する防御や警戒能力が高い戦艦を揃えつつ、対空に優れ、煙幕も使用できる巡洋艦Mikhail Kutuzovを入れるなど、腰を据えて戦う防御型の布陣だ。
また、Bullseye側には駆逐艦HSF Harekazeが入っている点も、注目すべきポイントだ。魚雷装填ブースターを使用できるこの艦艇で、チャンスが来れば雷撃のラッシュを仕掛けることも考えられる。
開戦直後、南西のA地点と北東のC地点に両チームが殺到した。これらのポイントを序盤から占領したほうが圧倒的に有利となるが、隠れる場所がないこのマップでは、少しでも突出しすぎると集中攻撃を受け、撃沈されてしまう。
お互いの航空母艦の艦載機が敵艦を見つけ、そこに味方が砲火を浴びせる。けん制と削り合いがしばらく続くこととなった。
けん制勝負の中で、まずA地点とC地点を占拠したZOOが、ポイントでは優勢に立った。だがBullseyeも艦載機で慎重に戦線を押し上げつつ、A地点の奪取に成功する。
ここで、A地点占領のために前に出た隙を突かれたのか、Bensonの魚雷を受けたHarekazeが轟沈。最序盤に重要な偵察役を1隻倒したことで、ZOOが大きな有利を得た。
続いて、ZOOはC地点奪還のために前に出てきたBullseyeの主力戦艦Bismarckへの集中砲火に成功した。砲火から逃げ切れず、Bismarckは轟沈。だが、お返しとばかりに、Bullseyeも戦艦Amagiを撃沈していく。
Bullseyeは駆逐艦を失うという大きな痛手を受けながらも、局所的に見るとむしろ戦闘を優位に運び、占領に移行できている場面もあった。これは駆逐艦の差がある中では非常に困難なことで、さすが決勝まで残ったチームといったところか。
ここまではまだ均衡が保たれていたが、占領のためにどうしても足の遅い艦艇を前に出さざるを得ないBullseye、は少しずつ不利になっていく。対して、受けるダメージを仲間同士の配置転換で分散させ、耐久力を温存してきたZOOが一気に仕掛けていった。
この攻勢にたまらずBullseye側が一時後退したことで、ふたたびにらみ合いが始まった。ポイントに加え、観戦数、総耐久力ともにZOO側が優勢なところに、Bullseyeは耐久力が減るのを覚悟のうえで、占領を狙いに前進しなくてはならない状況に。
Bullseye側も押されたままではなく、戦艦Alabamaが奇跡的な粘りを見せ、相手側のAtagoを沈めつつ味方にB地点を奪わせた。局所的な戦いでは一歩も譲らない。そうした接戦の中で、ZOOは致命的な悪手を避け、最序盤に生まれた差をギリギリで守り続けた。
接戦の末、最後は占領により先にポイントが1000に達し、ZOOの勝利となった。
Bullseyeのリーダーtoridayo氏も試合後に賞賛していたが、ZOOはとにかく全体の位置取りと、魚雷の使いかたがうまかった印象だ。受けるダメージは味方同士で分散させつつ、敵が見つかればいつでも魚雷を含めた集中砲火に移行できる、絶妙な味方間の距離が保たれていた。
こうして、『WoWs』初の公式トーナメントは、公式の名にふさわしい激戦で幕を閉じた。今後はクラン戦の実装などもあり、『WoWs』チームバトルの魅力はますます高まっていくだろう。
公式トーナメントで素晴らしい試合を観られる機会はこれからも続いていくのだろうか。『WoWs』のトップを目指す皆さんには、今後も公式の情報を欠かさずチェックしていただきたい。