2017年9月21日(木)~9月24日(日)まで、千葉県・幕張メッセにて開催中の東京ゲームショウ 2017(21日・22日はビジネスデイ)。Wargamingブースでは同社の最新作『Total War:ARENA』(以下、TWA)が試遊可能だ。
一見しただけでは、本作は兵隊を大量に動かして戦うウォーシミュレーションゲームにも見える。そのため、ハードルが高いと感じる人もいるかもしれない。
だが、実際にはプレイヤーフレンドリーなゲームであり、非常にプレイしやすくまとめられている。そんな本作の内容と魅力について、TGS2017に来場していた担当チームの面々が、わかりやすくプレゼンテーションを行なってくれた。
規模からして既存作品とは違う! 戦場にユニットが6000体!?
プレゼンテーションは『TWA』の概要説明から始まった。
そもそも『TWA』の元となった『Total War』シリーズは、18年間展開し続けており、いまなお毎月100万人がプレイしているというウォーシミュレーションのビッグタイトルだ。緻密な時代考証に基づいた各種デザインと、広大なマップの中でくり広げられるバトルの壮大さがとくに人気を集めている。
このタイトルをWargamingのFree to Playオンラインゲームとしてデザインし直し、より遊びやすくしたRTT(リアルタイムタクティクス)ゲームが、Wargamingの『Total War:ARENA』というわけだ。
クローズドβテストで使用可能な勢力として実装されているのは、待ち伏せなどの奇策を得意とする“蛮族”、統率の取れたフォーメーションが強力な“ローマ”、防御に優れるため局地戦で優位となる“ギリシア”の3つだ。
各勢力には3~4名の司令官ユニットが実装されており、それぞれが個性的なスキルを有している。さらに各勢力の史実に基づいた兵士ユニットが、現段階でも合計で159種類も存在し、司令官に3つの部隊を追従させて出撃する。
部隊の人数は、1部隊につき100人。つまりプレイヤーはひとりで300人からなる部隊を率いることになる。プレイヤーが10 vs 10で対戦する『TWA』の戦場には、最大で6000人の兵士たちが同時に存在することになるのだ。
ここまで多彩なカスタマイズ要素がありながら、実際にプレイしている様子を見せてもらうと、複雑さは一切感じなかった。その操作や戦闘は、想像よりもはるかに分かりやすい。
出撃前の部隊編成や、部隊の選択と移動、攻撃の指定は、ドラッグ&ドロップですべて行える。戦闘中のチャット入力の邪魔にならないのはもちろん、移動や射撃の指示なども素早く出せるため、300人という規模の部隊も直感的に操作できる。
局所的な戦闘はシンプルだが、広大な戦場ではこのような戦闘があちこちで起こっており、そのスケールの大きさもまた想像以上だった。わかりやすく、また即座に状況に合わせたアクションがとれる戦闘システムと、壮大な戦場の全体を把握する戦略性が両立しているのだ。
プレゼンテーションで見せてもらった戦闘は、時間にして約8分で終了した。上記の通り、さまざまな要素が詰まっていたため、たったの8分とは思えないほどに濃密な内容となっていた。
ゲーム内容も気になるが、日本勢力の実装についても気になる!
『TWA』チームにはゲームのプレゼンテーションに続き、いくつかの質問・疑問にも応えてもらえた。
とくに気になるのは、ビジネスデー初日のステージで発表された、日本勢力についてだ。日本勢力は司令官がひとり、マップが少なくともひとつは新たに実装され、さらに独自のユニットも用意しているという。
まずは実装時期。まだ開発が最終段階とはいえ、クローズドβテストの期間(9月頭から8週間の予定)には実装されることはなさそうとのことだ。どんな勢力になるかも調整中で、司令官がどの英雄なのかについても、どの時代の人物かもまだ未定として教えてもらえなかった。残念。
日本における『TWA』のプロモーション展開については、担当のガルシア氏が答えてくれた。
東京ゲームショウ2017の会場では、『TWA』のプレイ方法を説明したマンガを掲載した小冊子が配られた。このようなアニメやマンガといった形など、日本向けに浸透しやすいプロモーション方法を現在模索しているということだ。
また、コラボなどの企画については、まずはどのような層のファンが『TWA』に集まってくれるかを調査したうえで、フィードバックを元に協議を重ねる予定らしい。
ローマやギリシアなど、歴史要素にフィーチャーした作品なら落とし込みやすいとのことで、何かいい作品はないか? と、逆に我々が質問される場面もあった。『ドリフターズ』や『テルマエ・ロマエ』などの作品名が談話の中で挙がったが、果たしてこうした日本作品とのコラボはあり得るのか? 動向に注目したいところだ。
東京ゲームショウ2017の出展や本プレゼンテーションによって、全容がいよいよはっきりとしてきた『TWA』。ゲーム内容やプロモーションの展開など、Wargamingの既存タイトルとは大きく異なりそうな点が多く、今後が非常に気になるタイトルだ。
クローズドβテストのフィードバックなどにより、我々がプレイできる日にはどのようなゲームに仕上がっているのだろうか。興味を持った読者の皆さんには、ぜひその日を心待ちにしていただきたい。