2017年9月21日(木)~9月24日(日)まで、千葉県・幕張メッセにて開催中の東京ゲームショウ 2017(21日・22日はビジネスデイ)。Wargamingブースでは同社の最新作『Total War:ARENA』(以下、TWA)が試遊可能だ。

ウォーゲーミング新作『Total War: ARENA』の魅力とは? 4人がかりでみっちりプレゼンを受けた【TGS2017】_01
ウォーゲーミング新作『Total War: ARENA』の魅力とは? 4人がかりでみっちりプレゼンを受けた【TGS2017】_02
ウォーゲーミング新作『Total War: ARENA』の魅力とは? 4人がかりでみっちりプレゼンを受けた【TGS2017】_03
▲2017年9月1日から開始したクローズドβテストは現在も継続中。東京ゲームショウ2017会場では誰でも試遊できる。

 一見しただけでは、本作は兵隊を大量に動かして戦うウォーシミュレーションゲームにも見える。そのため、ハードルが高いと感じる人もいるかもしれない。

 だが、実際にはプレイヤーフレンドリーなゲームであり、非常にプレイしやすくまとめられている。そんな本作の内容と魅力について、TGS2017に来場していた担当チームの面々が、わかりやすくプレゼンテーションを行なってくれた。

ウォーゲーミング新作『Total War: ARENA』の魅力とは? 4人がかりでみっちりプレゼンを受けた【TGS2017】_04
『TWA』の開発ならびにマーケティングなど、さまざまな担当者が一堂に会してくれた。
ウォーゲーミング新作『Total War: ARENA』の魅力とは? 4人がかりでみっちりプレゼンを受けた【TGS2017】_05
ウォーゲーミング新作『Total War: ARENA』の魅力とは? 4人がかりでみっちりプレゼンを受けた【TGS2017】_06
プレゼンテーションの中心を務めてくれた、シニアマネージャーのジェフ・スミス氏。18年以上のキャリアを持ち、かつて『LEGO Star Wars』などの名作の数々に大きく貢献した人物だ。
『Totar War』の開発会社Creative Assemblyにて、さまざまな『Total War』シリーズ作品にアーティストとして参加した経験を持つ、アートリーダーのロブ・ファレル氏。
ウォーゲーミング新作『Total War: ARENA』の魅力とは? 4人がかりでみっちりプレゼンを受けた【TGS2017】_07
ウォーゲーミング新作『Total War: ARENA』の魅力とは? 4人がかりでみっちりプレゼンを受けた【TGS2017】_08
ファレル氏と同じくCreative Assemblyにて、同作の戦場デザインを担当していたリーフ・バロウズ氏。『TWA』でも、戦場のレベルデザイナーを務めている。
本作を含む各作品の、APACアソシエートプロデューサーを務めるホセ・エドガルド・ガルシア氏。APACのプレイヤーたちが、本作をスムーズにプレイできるように対応してくれている。

規模からして既存作品とは違う! 戦場にユニットが6000体!?

 プレゼンテーションは『TWA』の概要説明から始まった。

 そもそも『TWA』の元となった『Total War』シリーズは、18年間展開し続けており、いまなお毎月100万人がプレイしているというウォーシミュレーションのビッグタイトルだ。緻密な時代考証に基づいた各種デザインと、広大なマップの中でくり広げられるバトルの壮大さがとくに人気を集めている。

 このタイトルをWargamingのFree to Playオンラインゲームとしてデザインし直し、より遊びやすくしたRTT(リアルタイムタクティクス)ゲームが、Wargamingの『Total War:ARENA』というわけだ。

ウォーゲーミング新作『Total War: ARENA』の魅力とは? 4人がかりでみっちりプレゼンを受けた【TGS2017】_09
スミス氏は本作の魅力として、以下のポイントを挙げた。バトルの壮大さ、実在した英雄たちの存在、戦略が重要となるバトル内容、こだわり抜いた時代考証、ほかでは味わえないマルチプレイ体験の5つだ。
ウォーゲーミング新作『Total War: ARENA』の魅力とは? 4人がかりでみっちりプレゼンを受けた【TGS2017】_34
ウォーゲーミング新作『Total War: ARENA』の魅力とは? 4人がかりでみっちりプレゼンを受けた【TGS2017】_10
ウォーゲーミング新作『Total War: ARENA』の魅力とは? 4人がかりでみっちりプレゼンを受けた【TGS2017】_11
ウォーゲーミング新作『Total War: ARENA』の魅力とは? 4人がかりでみっちりプレゼンを受けた【TGS2017】_12
ウォーゲーミング新作『Total War: ARENA』の魅力とは? 4人がかりでみっちりプレゼンを受けた【TGS2017】_13
個性豊かな司令官ユニットや、それに従い戦う兵士ユニットの多彩さが目を引く。カエサルやレオニダス王、ブーディカなど、実在した各時代の英雄たちがずらりと並んでいる。

 クローズドβテストで使用可能な勢力として実装されているのは、待ち伏せなどの奇策を得意とする“蛮族”、統率の取れたフォーメーションが強力な“ローマ”、防御に優れるため局地戦で優位となる“ギリシア”の3つだ。

ウォーゲーミング新作『Total War: ARENA』の魅力とは? 4人がかりでみっちりプレゼンを受けた【TGS2017】_14
ウォーゲーミング新作『Total War: ARENA』の魅力とは? 4人がかりでみっちりプレゼンを受けた【TGS2017】_15
ウォーゲーミング新作『Total War: ARENA』の魅力とは? 4人がかりでみっちりプレゼンを受けた【TGS2017】_16

 各勢力には3~4名の司令官ユニットが実装されており、それぞれが個性的なスキルを有している。さらに各勢力の史実に基づいた兵士ユニットが、現段階でも合計で159種類も存在し、司令官に3つの部隊を追従させて出撃する。

 部隊の人数は、1部隊につき100人。つまりプレイヤーはひとりで300人からなる部隊を率いることになる。プレイヤーが10 vs 10で対戦する『TWA』の戦場には、最大で6000人の兵士たちが同時に存在することになるのだ。

ウォーゲーミング新作『Total War: ARENA』の魅力とは? 4人がかりでみっちりプレゼンを受けた【TGS2017】_17
ウォーゲーミング新作『Total War: ARENA』の魅力とは? 4人がかりでみっちりプレゼンを受けた【TGS2017】_18
ウォーゲーミング新作『Total War: ARENA』の魅力とは? 4人がかりでみっちりプレゼンを受けた【TGS2017】_19
ウォーゲーミング新作『Total War: ARENA』の魅力とは? 4人がかりでみっちりプレゼンを受けた【TGS2017】_20
各プレイヤーが司令官と兵士をそれぞれ選び、広大な戦場に集まる。自分たちが移動するだけでも、これだけの迫力!
ウォーゲーミング新作『Total War: ARENA』の魅力とは? 4人がかりでみっちりプレゼンを受けた【TGS2017】_21
ウォーゲーミング新作『Total War: ARENA』の魅力とは? 4人がかりでみっちりプレゼンを受けた【TGS2017】_22
兵士ユニットには基本となる歩兵、騎兵、投射歩兵などに加え、戦犬などの特殊な兵種も存在。それらがツリーで選択した上位兵種へと、さらに多彩に強化されていく。
ウォーゲーミング新作『Total War: ARENA』の魅力とは? 4人がかりでみっちりプレゼンを受けた【TGS2017】_23
司令官が持つスキルはユニークなものばかり。スキルや兵士の装備にもそれぞれ強化やカスタムが可能で、ルートはツリー状となっている。

 ここまで多彩なカスタマイズ要素がありながら、実際にプレイしている様子を見せてもらうと、複雑さは一切感じなかった。その操作や戦闘は、想像よりもはるかに分かりやすい。

 出撃前の部隊編成や、部隊の選択と移動、攻撃の指定は、ドラッグ&ドロップですべて行える。戦闘中のチャット入力の邪魔にならないのはもちろん、移動や射撃の指示なども素早く出せるため、300人という規模の部隊も直感的に操作できる。

ウォーゲーミング新作『Total War: ARENA』の魅力とは? 4人がかりでみっちりプレゼンを受けた【TGS2017】_24
操作の簡単さだけでなく、各部隊には赤か青の残存兵力を表わすゲージと、白の“士気”ゲージ、そしてカーソルを合わせると分かる脅威度と、表示される情報が非常にシンプルで分かりやすい。
ウォーゲーミング新作『Total War: ARENA』の魅力とは? 4人がかりでみっちりプレゼンを受けた【TGS2017】_25
ウォーゲーミング新作『Total War: ARENA』の魅力とは? 4人がかりでみっちりプレゼンを受けた【TGS2017】_26
士気は敵部隊から逃げるように移動したり、側面や背面から強襲されることで下がる。士気が下がると兵士が逃げ出したりするため、敵より高所に陣取るなど、士気を上げられる要素を満たすことが重要だ。

 局所的な戦闘はシンプルだが、広大な戦場ではこのような戦闘があちこちで起こっており、そのスケールの大きさもまた想像以上だった。わかりやすく、また即座に状況に合わせたアクションがとれる戦闘システムと、壮大な戦場の全体を把握する戦略性が両立しているのだ。

ウォーゲーミング新作『Total War: ARENA』の魅力とは? 4人がかりでみっちりプレゼンを受けた【TGS2017】_27
自分以外のプレイヤーたちが、はるか遠くの陣地をめぐって争っているのがわかる。このように300人の部隊すら小さく感じられる広大なマップも、史実に基づいたものが数多く用意されている。
ウォーゲーミング新作『Total War: ARENA』の魅力とは? 4人がかりでみっちりプレゼンを受けた【TGS2017】_28
ウォーゲーミング新作『Total War: ARENA』の魅力とは? 4人がかりでみっちりプレゼンを受けた【TGS2017】_29
相手側の部隊を全滅させるか、マップ上に点在する陣地を先に占領し終えた陣営が勝利となる。陣地の占領は部隊に戦闘をしかけたり、射撃を浴びせたりすることで妨害できるため、敵の足止めや射撃部隊の排除など、プレイヤー間の役割分担が重要になる。

 プレゼンテーションで見せてもらった戦闘は、時間にして約8分で終了した。上記の通り、さまざまな要素が詰まっていたため、たったの8分とは思えないほどに濃密な内容となっていた。

ゲーム内容も気になるが、日本勢力の実装についても気になる!

 『TWA』チームにはゲームのプレゼンテーションに続き、いくつかの質問・疑問にも応えてもらえた。

 とくに気になるのは、ビジネスデー初日のステージで発表された、日本勢力についてだ。日本勢力は司令官がひとり、マップが少なくともひとつは新たに実装され、さらに独自のユニットも用意しているという。

ウォーゲーミング新作『Total War: ARENA』の魅力とは? 4人がかりでみっちりプレゼンを受けた【TGS2017】_30
日本勢力のイメージカット。いろいろと期待が膨らんで止まない。今後は日本のみならず、さまざまな時代のさまざまな国から優秀とされた英雄や軍隊を集め、より広い戦略性を生み出したい、と『TWA』チームは語る。

 まずは実装時期。まだ開発が最終段階とはいえ、クローズドβテストの期間(9月頭から8週間の予定)には実装されることはなさそうとのことだ。どんな勢力になるかも調整中で、司令官がどの英雄なのかについても、どの時代の人物かもまだ未定として教えてもらえなかった。残念。

ウォーゲーミング新作『Total War: ARENA』の魅力とは? 4人がかりでみっちりプレゼンを受けた【TGS2017】_31
ウォーゲーミング新作『Total War: ARENA』の魅力とは? 4人がかりでみっちりプレゼンを受けた【TGS2017】_32
談話の中で、バロウズ氏の個人的に好きな日本の時代が戦国時代である、という点だけはわかったが、ヒントにはならなそう。さすがは『TWA』チーム。連携が取れたガードの固さだ。
▲ファレル氏は『Totar War:Shogun 2』に深く携わった経験があり、その際に日本の歴史に大きな魅力を感じたという。『TWA』にもぜひ日本勢力を導入したいと、尽力してくれたそうだ。

 日本における『TWA』のプロモーション展開については、担当のガルシア氏が答えてくれた。

 東京ゲームショウ2017の会場では、『TWA』のプレイ方法を説明したマンガを掲載した小冊子が配られた。このようなアニメやマンガといった形など、日本向けに浸透しやすいプロモーション方法を現在模索しているということだ。

 また、コラボなどの企画については、まずはどのような層のファンが『TWA』に集まってくれるかを調査したうえで、フィードバックを元に協議を重ねる予定らしい。

 ローマやギリシアなど、歴史要素にフィーチャーした作品なら落とし込みやすいとのことで、何かいい作品はないか? と、逆に我々が質問される場面もあった。『ドリフターズ』や『テルマエ・ロマエ』などの作品名が談話の中で挙がったが、果たしてこうした日本作品とのコラボはあり得るのか? 動向に注目したいところだ。

ウォーゲーミング新作『Total War: ARENA』の魅力とは? 4人がかりでみっちりプレゼンを受けた【TGS2017】_33
氏の口から飛び出してきた。しかしスタッフには歴史ファンが圧倒的に多いらしいので、まずはきっちりと『TWA』のイメージ合わせたコラボの方が優先されそう……?

 東京ゲームショウ2017の出展や本プレゼンテーションによって、全容がいよいよはっきりとしてきた『TWA』。ゲーム内容やプロモーションの展開など、Wargamingの既存タイトルとは大きく異なりそうな点が多く、今後が非常に気になるタイトルだ。

 クローズドβテストのフィードバックなどにより、我々がプレイできる日にはどのようなゲームに仕上がっているのだろうか。興味を持った読者の皆さんには、ぜひその日を心待ちにしていただきたい。