2017年9月21日(木)から9月24日(日)まで、千葉・幕張メッセにて開催中の東京ゲームショウ2017(21日・22日はビジネスデイ)。ここでは開催2日目の9月22日に行われた、プレイステーションVR用タイトル『GUNGRAVE VR』のメディア向け発表会の模様をお届けする。先行プレイリポートもあり。

日本市場をメインターゲットにした韓国製VRコンテンツとして

 2017年9月21日(木)から9月24日(日)まで、千葉・幕張メッセにて開催中の東京ゲームショウ2017(21日・22日はビジネスデイ)。開催2日目の9月22日、韓国のパブリッシャー・Blue Side(ブルーサイド)は、2017年内リリース予定のプレイステーションVR用タイトル『GUNGRAVE VR』のメディア向け発表会を行った。

 Blue Side代表キム・セジョンによれば、本作は、同国のゲーム開発会社IGGYMOB(イギーモブ)がモバイル端末用に開発していたライセンスタイトルを、半年間でVR用にリファインしたものとのこと。『GUNGRAVE』の持つゲーム性およびビジュアルワークが、ユーザーが求めるVRコンテンツになるのではと判断したBlue Sideが、IGGYMOBにVR化を提案し、実現したそうだ。

GUNGURAVEとは?

 レッド・エンタテインメントが2002年にリリースしたプレイステーション2用ソフト。13年の時を経て復活した死体の戦士“ビヨンド・ザ・グレイヴ”が、大型二丁拳銃“ケルベロス”を武器に、敵対する組織と戦っていく。無数の銃弾をスタイリッシュに撃ちまくれる爽快感溢れるゲーム性と、ハードボイルドな物語世界が好評を博した。ゲームソフトは、北米、欧州、韓国や中国などでも正規品としてリリースされている。2004年には続編の『GUNGRAVE O.D.』が、同じくプレイステーション2用ソフトとして発売。また、2003~2004年には、原作ゲームの登場人物たちの生い立ちやキャラクター性を独自の視点で掘り下げたテレビアニメ『Gungrave』が放映された(全26話)。

 価格や具体的な発売日については、本作においてBlue Side、IGGYMOBがもっとも重視する日本市場向けの内容が正式に決まってから、順次発表されていくとのこと。『ガングレイヴ』が日本国内で人気の高いIP(知的財産)であり、かつ、“コンソールゲーム大国”である日本で評価されることが両社の目標であることから、このような体制になったという。

Blue sideのキム氏。かつては、日本の大手ゲームメーカーに在籍していたという。『GUNGRAVE VR』に関しては、日本の商業タイトルにひけを取らない出来栄えであることをアピールした。

 IGGYMOBのケイ氏からは、『GUNGRAVE VR』のゲーム内容の詳細や、開発の経緯などが語られた。本作は、『ガングレイヴO.D.』クリアー後の物語で、主人公のグレイヴとミカのコンビが、人間を怪物化する麻薬“シード”を蔓延させる新たな組織を破壊するストーリーが展開する。グレイヴや、彼の愛用の武器“ケルベロス”の基本的なデザインはそのままに、レッド・エンタテインメントの厳しいチェックをパスした、新たなガングレイヴ・ワールドが構築されている。

 ステージは、シリーズ過去作の画面に近い三人称視点ステージと、グレイヴの目線で押し寄せる敵を倒す一人称視点ステージの2タイプ構成。「本作だけでVRコンテンツの醍醐味を余すところなく体験できるように」とのBlue sideの要望に応える形で採用し、ソニーの手厚い技術サポートを受けながらプロトタイプを5回作るなど調整に調整を重ねた結果、長時間プレイしても苦にならない、安定性の高いVR表現を実現できたそうだ。

原作ゲームのオリジナルスタッフも参加する“本気”のシリーズ最新作!

グレイヴになりきって大暴れできる一人称視点ステージ(左写真)と、空間の臨場感を満喫しながら自由に移動できる三人称視点ステージ(右写真)。

 操作は、プレイステーションVRのヘッドトラッキング+デュアルショック(標準コントローラ)。さほど広くない場所でも無理なく快適にプレイできるように……との配慮に基づいた仕様で、ボタン配置は、過去のシリーズ作を踏襲したものになるとのこと。ケイ氏によれば、開発の初期段階で、プレイステーションMoveを使った二丁拳銃の操作を試してみたという。しかし、動作の安定面や、実際のところ30秒ほどで疲れてしまうというプレイヤーのフィジカル面の問題から、今回は採用を見送ったそうだ。ただ、ソフトリリース後のユーザーの要望次第では、特別コンテンツとして追加実装する考えもあるとのこと。

 『GUNGRAVE VR』の特徴のひとつとしてケイ氏が強調したのが、本作の制作に、原作ゲームやTVアニメに参加したスタッフたちが参加している点。ゲーム全体に関しては、レッド・エンタテインメントの厳しいチェックが入っているのは大前提として、キャラクターイラストのアドバイザーとして、原作ゲームのキャラクターデザインを担当した内藤泰弘氏が参加。メインテーマ曲の作曲を、原作ゲームやTVアニメの音楽を手掛けた今堀恒雄氏が担当……と、 “ガングレイブらしさ”を左右する人物が、しっかり関わっている。グレイブ役を関智一、ミカ役を佐久間紅美が担当するCVも、ファンにとっては嬉しいところだ。

 その背景にあるのは、原作ゲームへのリスペクトと、本作を機に『GUNGRAVE』のシリーズ展開を再始動させたいという、IGGYMOBの思い。ソフトリリース後に、追加キャラクターやステージをダウンロードコンテンツとして定期的に配信していく構想を明かしたが、それらはイレギュラーな存在ではなく、過去(『GUNGRAVE』、『GUNGRAVE O.D.』)と未来(『GUNGRAVE VR』)がつながるマルチプロットのストーリーラインの必然として登場するとのこと。今回の発表は、単に日本のIPを使った韓国製VRコンテンツのお披露目にとどまらず、新たな“ガングレイヴ・サーガ”の始まりを宣言するものとなった。

ケイ氏(写真)によれば、もともと日本市場向けのゲームを開発していたIGGYMOBは、30~40代の日本人ユーザーに刺さるコンテンツとしてガングレイヴに注目したという。『GUNGRAVE VR』のメインゲームモードや追加ステージで展開するストーリーは、決して従来のファンを置いてけぼりにするような独自路線ではなく、シリーズを通して整合性のとれたものになるよう、鋭意制作中とのこと。

試遊バージョンのミニプレイリポート

 発表会後にプレイできた試遊バージョンで体験できたのは、走行中の車両後部に仁王立ちするグレイヴが、後方からつぎつぎと襲ってくる敵を迎撃する、一人称視点ステージ。ヘッドセットで敵や飛来物を視界に収め、グレイヴがダメージを受ける前に破壊……が、基本操作となります。ケルベロスをジャキンジャキン振ってリロードしながらありったけのに銃弾を撃ち込む爽快感は、まさに『ガングレイヴ』の世界。せっかくなら右手左手の銃で別々のターゲットを狙ってみたかったのですが、それに関しては前述したプレイステーションMoveでの操作対応に期待します。

 本作のケルベロスには“オーバーヒート”の概念があり、一定時間以上射撃ボタンを押し続けると、ヒートゲージが回復するまでしばらくのあいだ、攻撃できなくなります。序盤こそ気にせずプレイできたのですが、敵の耐久力が高くなると徐々に押され気味になり、すんでのところでオーバーヒートを連発してしまいました。隙を見てはクールダウンアクションでゲージを回復させつつ、ここぞという時に“バレットタイム(ゲーム空間全体の動きを一時的にスローモーにし、そのあいだ、通常よりも大量の銃弾を撃ち込む特殊技)”を発動するのがセオリーのようです。それに加えて、何度もチャレンジして敵の出現パターンの把握することで、やっと“スタイリッシュなガンアクション”にたどり着けるような気がしました。

 プレイできた時間は5分ほどでしたが、かなり激しい任意視点移動をし続けていたにもかかわらず、プレイ中、まったく酔うことがありませんでした。「VRヘッドセットを装着すること以外の身体的ストレスをなくす」という、本作のVRコンテンツとしてのコンセプトは、忠実に守られているとの印象を受けました。