2017年9月21日(木)から9月24日(日)まで、千葉・幕張メッセにて開催中の東京ゲームショウ2017。ソニー・インタラクティブジャパンアジアブースで体験できた『Hidden Agenda ―死刑執行まで48時間―』は、非常に新しい体験ができるゲームだった。そんな本作のプレイリポートをお届けしよう。

アナログゲームの楽しさを内包した、新スタイルのゲーム

 2017年9月21日(木)から9月24日(日)まで、千葉・幕張メッセにて開催中の東京ゲームショウ2017(21日・22日はビジネスデイ)。ソニー・インタラクティブジャパンアジアブースでは、2017年発売予定のプレイステーション4用ソフト『Hidden Agenda ―死刑執行まで48時間―』がプレイできた。このタイトル、ミステリーやアドベンチャー好きにはもちろん、新たな体験が好きなゲーマーにはたまらないシステムになっている。本記事では、そんな新たな遊びかたを生み出している本作のプレイリポートをお届けしよう。

 まずは、本作の概要から。本作は、プレイステーション4と接続したスマートフォンやタブレット(記事内では、以降スマートフォンで統一)をディスプレイ付きのコントローラとして活用する、“PlayLink(仮称)”シリーズのひとつだ。ゲームの目的は、連続猟奇殺人事件の真相を暴くこと。1〜6名のプレイヤーが参加でき、プレイヤーはスマートフォンを使って操作を行う。

 ここからはプレイの順を追って説明をしていこう。製品版に関わる重要なネタバレがあるわけではないが(というか、そんな重大なネタバレは記者も知らない)、今回の東京ゲームショウ2017で本作の試遊を楽しみにしている人は、ぜひプレイ後に読むことをオススメする。ちなみに、ストーリーの概要は下記の通りだ。

■ストーリー
容疑者逮捕で終結したと思われた「トラッパー」連続猟奇殺人事件。2日後に迫った死刑執行を前に、「真実を話す」と容疑者が新たな供述を始める...。あなたは真実を暴くことができるか?

 今回の試遊では、4人がプレイに参加(うちひとりは、説明役を兼ねたスタッフ)。まずは、プレイヤーの名前入力と、画面に表示されるポインターのカラーを選ぶ(プレイヤー名の入力などもスマートフォン上で行う)。プレイヤーごとにポインターのカラーが異なることが、本作の重要な特徴なのだが、その解説はのちほど。この選択が終わった後、全員に奇妙な質問が投げかけられる。“もっともプレッシャーに強いと思う人物は?”。この選択で選ばれた人は、今後の重大な選択肢に対する決定権を持つことになる(詳細はナイショ)。ちなみに、記者が体験した今回の試遊で言えば、ここで選ばれた人はなんとなくグループのリーダー役のようになり、以降の意見を集約するような状態になっていたのがおもしろい。

 本作のゲーム部分は、基本的に映像を見るように進んでいき、ときおり表示される選択肢によって、物語が変化していく。ほぼ自動的に進む映像部分では、手もとのスマートフォンであらすじや人物情報などを閲覧できるため、脳内で情報を整理したりできるというわけだ。そして、選択肢を選ぶときに使うのがポインター。画面に表示される選択肢には、文字の先頭にチェックボックスがあるため、自分の色のポインターをチェックボックスに入れると選択したことになる。また、文字の選択肢以外にも、銃を撃とうとする場面では、銃口が狙っている場所にポインターを入れれば“撃つ”、制限時間が過ぎるまで待っていれば“撃たない”という、時限式の選択肢も存在した。

 各プレイヤーの選択結果は、物語が進むまで変更ができるのだが、たとえばふたつの選択肢に対し、4人のプレイヤーの意見が二分した場合、誰かが意見を変えるまで膠着状態になる。誰かが折れて選択肢を変えれば物語は進むのだが、どうしても全員が意見を変えたくない場合もあるだろう。こういったときに使うのが“テイクオーバーカード”だ。これは、選択肢を選んだプレイヤーの人数を超越して、自分の意見を押し通すというもの。上記のようなふたつの意見に二分した状態で使ってもいいし、1対3のような不利な状態でも、このテイクオーバーカードを使って強引に押し通すこともできる(ただし、使用回数には制限がある)。

 そして、テイクオーバーカードと並び、本作の大きなポイントになるのが、タイトルにもなっている“ヒドゥンアジェンダ”。ゲームが一定のところまで進むと、各プレイヤーのスマートフォンに秘密の指令が入った封書が届く。ただし、実際に指令が入っているのはひとりだけ。残りのプレイヤーは、誰に指令が届いているのか、そして、その司令内容は何なのかを想像しながらプレイを進めることになる。というのも、指令を受け取った人はその内容を成功させれば100ポイント、指令を受け取っていない人は受け取った人を当てれば50ポイントが入るという、ゲーム性が入っているのだ。

 今回の試遊台では、終盤に殺人事件の容疑者が新たな証言を始めるのだが、彼の言いぶんを信じて再度捜査をするか、それとも、“時間がない”と、容疑者の意見を黙殺して裁判に進むかという、二択のストーリーになっていく。この二択に関わるような、つぎつぎと出てくる選択肢がこそが秘密の指令に関わっている部分。秘密の指令は、この二択のどちらかの結果に導くように設定されているというわけだ。だからこそ、選択肢のたびに、意見を集約しようとする人は怪しまれるし、急にテイクオーバーカードを使って意見を押し通そうとする人も怪しい。そうやって怪しんでいると、もっとも注意深く見たくなるのが、ポインターの動きになる。どちらの意見に投票をしたか、そして、投票は何番目にしたか(早めに投票をして、意見を誘導していないか)。ポインターが自信のないような動きをしている場合は、それは真実か演技か。ポインターがプレイヤーごとに色が分かれている意味は、ここにある。

 物語の真実を追求しながらも、いっしょに遊んでいる人の中の誰に指令が届いているのか、そしてその人はどのように自分に有利な展開に運ぼうとしているのか。“人狼”ような、アナログゲームに似た疑心暗鬼が生まれてくる。そんなときは、テイクオーバーカードを作った相手に対し、自分もテイクオーバーカードを使って意見を押し通すのがいい……のだが、それをくり返すと自分が怪しまれるうえ、テイクオーバーカードは後に出したほうが意見を通せるようになっているので、このカードをいつ使うかというのも駆け引きのひとつになっているというわけだ。

 ちなみに、記者が試遊したときは、残念ながら指令が届かなかったのだが、誰に指令が届いたのかを見抜き、さらに指令の阻止に成功した。最高の結果……と思いきや、単純な興味本位から特定の選択肢でテイクオーバーカードを使ってしまったため、「この人は怪しい」と思われ、さらに指令を受け取った人に「あのテイクオーバーカードは怪しいですね」と突っ込まれ、“指令を受け取ったのは誰か?”という問いに、実際に受け取った人と同じ数だけ投票が集まってしまった。そんなに怪しい振る舞いだったのか……。

 今回の試遊台は、トータルで約30分と、かなりじっくり遊べる試遊になっていた。物語を楽しみながら、会話をしながら、その裏で人を怪しむ。デジタルとアナログが融合したような体験は、非常に新しい独特のものだった。ゲームが苦手な人とも気軽に楽しめるとは思うものの、1回のプレイが長くなりそうなのはちょっと気になるところ。選択肢の結果でどれだけ物語が変わるのかはわからないが、すべてのルートを楽しむには、それなりの時間がかかるのかもしれない。とはいえ、この体験は唯一無二。推理好きな友人や知人を集めて遊べば、物語の楽しさに、互いの推理の楽しさに、ゾクゾクするような体験ができることは間違いない。