白夜王国・暗夜王国のきょうだいたちが集結する『FEif』編

 『ファイアーエムブレム無双』は、任天堂とコーエーテクモゲームスのコラボレーションで展開するタイトル。『ファイアーエムブレム』(以下、『FE』)シリーズのキャラクターを操作して、『無双』シリーズの魅力である一騎当千のアクションバトルを楽しめるといった内容になっている。

『ファイアーエムブレム無双』プレイリポート 『FEif』の戦場で一騎当千の戦いを楽しむべし!_01

 前回掲載した記事では、ゲームの基本的なシステムと、『FE 覚醒』の面々が活躍するシナリオのインプレッションを掲載。第2回となる今回は『FEif』のキャラクターを中心としたストーリーのプレイリポートをお届けする。第1回については、下記を参照のこと。

そろそろ戦略が重要に!?

 はぁい。三度の飯のつぎくらいに『FE』とアーダンが好きなリプ斉トンです。担当編集の北口徒歩2分氏からは、「『FE 聖戦の系譜』は出てないから聖戦ネタは入れんなよ!」って言われているけど、知ったこっちゃないです。ともあれ、前回の記事は我ながらネタを入れすぎたので、今回は控えめでいきましょう。

 さて、今回は本作『FE if』編のインプレッションをお届けしていきます。いよいよ『FEif』のキャラクターが登場。原作では、“白夜王国”と“暗夜王国”それぞれのストーリーが楽しめましたが、本作でも両王国からきょうだいたちが登場します。主人公たちとどう邂逅を果たすかは、買ってのお楽しみに。

 チュートリアルでは、敵はそれほど強くはなく、武器の相性が悪くても楽々ゴリ押すことが可能でした。しかし、本章では同じ感覚でプレイしていると、「おや?」と思うこともしばしば。通常のザコ敵は楽勝なのですが、拠点を守っている敵やボスがやけに堅い! キャラクターのレベルが多少低めだったということもあって、不利な武器だとダメージがなかなか与えられず、思うように倒せない&進軍できないという印象を受けたので、武器の相性差をより意識して戦わないといけない模様。

 本作は、原作の『FE』シリーズのように三すくみの相性があります。剣は斧に強く、斧は槍に強く、槍は剣に強い。相性がいい武器で攻撃すれば、ダメージがアップするうえ強力な“必殺の一撃”がくり出せるので、敵を倒しやすくなります。とくに有利時は威力が高く、これを利用すればいままで堅かった敵もあら不思議、楽に倒すことが可能です。終盤になれば、レベルアップや装備などでキャラクターを強化していくことがより重要になりそうですが、序盤~中盤はこの相性を意識して戦えば、サクサクとゲームを進めていけそうな印象ですね。

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本章では絆会話を含め、異なる作品のキャラクターたちの会話が見られました。原作のファンにとっては見どころになりますね!

 「ここには斧の敵がいるから剣の味方で進もう」といったように、相性を考慮して進軍する戦略性は、まさに『FE』! アクションに加えて、高い戦略性を感じるゲーム内容になっています。また、今回のプレイでは、前回お伝えできなかった“ダブル”も積極的に使ってプレイしました。ダブルは、『FE 覚醒』『FEif』にもあったシステム。本作のダブルは、それをリファインしたものとなっています。ダブル状態になると攻撃力などのステータスが上がるほか、敵のガードを崩せるデュアルアタックや、敵の攻撃から身を守るデュアルガード、ふたりで強力してくり出すデュアル奥義が使えるようになります。異なる種類の武器を装備したキャラクターどうしでダブル状態になれば、相性が不利な敵と対面したときにキャラクターを入れ替えて攻略することも可能。騎馬ユニットや飛行ユニットで素早く移動してバトル中は交代するといった使いかたもできますね。これらの方法なら、難易度によっては、味方に細かく指示を出さず、自分ひとりでガンガン進むことも可能です。「戦略よりも自分で敵をドカドカ倒したいんだ!」という人は、このダブルを中心にプレイを組み立てるのがよさそうですね。
 ちなみに、相性が不利な敵を相手にする場合は“覚醒”を使うのがオススメ。三すくみで有利な敵を倒すか、青色の薬を取得すると専用のゲージが溜まっていき、満タンになると発動可能です。覚醒状態では、すべての相手に対して相性有利の状態になり、さらに一定数の撃破ごとに経験値増加などのボーナスが得られます。終了間際には強力な“覚醒奥義”を放つので、攻撃力もバリ高!

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自分が操作するキャラクターは、ワンボタンでリアルタイムに交換できるのが特徴。「ここは重要な拠点だから自分で操作したい」というときでも、ストレスなく操作を切り換えられるのがイイ! また、自分が操作しない味方には、ここの敵を倒す、ここに進軍する、後退するといった操作を細かく指示できる点も、本作の特徴のひとつですね。

 そして、こちらにも注目! 本章では『FEif』にあった“竜脈”が登場します。竜脈を操作キャラクターで調べると、進めなかった場所に進めるようになったり、味方にとって有利な状況を作り出せたりといったステージの変化が起こります。今回のプレイでは、徐々にダメージを受けるマグマ地帯の消滅や、川の水位の下降による通路の出現といった現象が起こりました。
 なお、場合によっては、竜脈を発動させずともステージをクリアーすることは可能。このあたりも原作を再現した作りになっているようですね

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育成システムもチラリ

 今回は育成システムについても触れておきましょう。武器を鍛える“錬成”、また、素材を消費してキャラクターを強化する“紋章屋”も利用できました。紋章はスキルツリーのようになっており、ひとつの紋章を開放すると、そのさきにある紋章が出現する、といった感じのシステムになっています。これらの紋章を開放するために必要な素材は、戦場で敵を倒すことで入手できます。素材は序盤からガンガン入手できるので、ひとつふたつならサクサクと紋章を解放することもできそう。後半になるとレアな素材が必要になることがあるかも!? というかあるでしょうね~。
 また、武器の育成要素としては、“鑑定”や“錬成”のふたつが利用できました。

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画面にはいろいろな紋章が。主人公ふたりから鍛えていくのがセオリーになりそう?

 また、武器の育成要素としては、“鑑定”や“錬成”のふたつが利用できました。鑑定は、武器に隠された特性を明らかにするシステム。錬成は、武器に備わった特性をほかの武器に移すシステムです。特性には、戦場で拾える武器の質がよくなる“品質向上”や、攻撃の威力がアップする“強攻撃強化”や“弱攻撃強化”などが確認できました。今回は確認できませんでしたが、どうやらアーマーキラーのアーマー特効のような特性も、錬成に利用することが可能な模様。ということは、複数の敵のクラスに対して特効を持つ武器なども作れそうです! これは楽しそう。
 また、武器の強化に加えて、キャラクターの強化に関するシステムも用意されています。それが、『FE』シリーズでおなじみの“クラスチェンジ”です。本作では、マスタープルフを使用することで、より上位のクラスに就くことが可能。キャラクターの見た目が変化し、能力が飛躍的にアップしますよ!

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入手武器には、いろいろな特性を持ったものが!

エリーゼは強キャラ間違いない

 つぎに、『FEif』のキャラクターの操作感もリポートしたいと思います。いままでは基本の武器種である剣・斧・槍を使ったキャラクターを紹介してきましたが、今回からは魔法と弓で戦うキャラクターも解禁され、戦略とアクションの幅がかなり広がっています。これはワクワクする!

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 魔法を使うキャラクターとしては、エリーゼやレオンが登場します(覚醒編ではルフレもいますよ)。彼らは、弱攻撃や強攻撃を出すタイミングによって、放つ魔法が変化。剣・斧・槍を使ったキャラクターよりも、さらに見た目がハデなのが私好みです。さらに、騎馬ユニットはダッシュ中に敵を弾き飛ばすことができるのが強力なのですが、エリーゼとレオンも騎馬ユニットなので、例に漏れず突撃が行えます。原作のエリーゼはサポート役のイメージが強いですが、本作ではみずから積極的に攻撃をブチかますアグレッシブなキャラクターなので、そのあたりにも注目です。かわいいは正義なのだ。

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いろいろな種類の魔法を使い分けるエリーゼ。

 つぎは弓キャラクター。弓だから“攻撃範囲が横に狭い”という先入観を持っていましたが、実際にプレイしてみると、その攻撃範囲の広さにビックリ。タクミは原作では最強の一角と言われる強さでしたが、本作でもそれは健在なようです。

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タクミは同時に何本もの矢を放ち、敵を一掃! 想像以上に攻撃範囲が広くてビックリ。

 魔法は魔防の低い敵(アーマーナイトなど)によく効きますし、弓は飛行ユニットに絶大なダメージを与えられます。剣・斧・槍とはまた違った運用法ができそうです。使いやすさの差はあれど、どのキャラクターの操作も楽しいですし、性能の差も明確。このあたりからは、開発者の方の「いろいろな武器種のキャラクターを使ってほしい!」というメッセージを感じます。

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魔法と弓は相性が有利な敵が少ないので、一定時間自分を強化する“覚醒”をするために必要なゲージが溜まりにくいのが難点ではありそう。反面、“明確に不利な敵がいない”という強みもあります。

『FE』の戦略の楽しさと悩みどころを一気に味わう!

 今回は仲間が続々と登場し、育成要素も盛りだくさん。ゲームプレイヤーとしてワクワクする部分をプレイできました。本作では、戦場に4キャラクターを出撃させられるので、誰を選択するのかに悩みそう。私は原作ではキャラクターを満遍なく成長させるタイプなのですが、全武器種のキャラクターをしっかり育てて、いろいろな状況に対応できる方針でプレイしていきたいと思います。逆に、お気に入りのキャラクターを集中して使い、文字どおり無双するのが好きな人もいると思いますが、そういった場合は紋章をつけまくったりして集中強化させるとよさそうです。

 ただ、武器の相性の差は思ったよりも効果が高いので、有利なキャラクターがいないので戦いにくい! といった状況になることも予想できます。ですが心配はご無用。本作ではクリアー済みの章にも何度も挑めるので、育成が足りないと思ったら章をさかのぼってプレイできます。育成方針によって進行が行き詰まることは心配しなくてもよさそうですね。

 キャラクターごとの性能差、原作の再現度、アクションゲームとしてのキャラクターの調整などは、『FE』シリーズをプレイしたことのある人なら、ひしひしと感じてもらえるゲーム内容になっています。『無双』は、敵とのシビアな駆け引きを楽しむタイプのアクションではなく、あくまで一騎当千の爽快感を楽しむシリーズです。操作はシンプルかつどれも強力なので、『FE』が好きだけどアクションは不慣れな人でもしっかりと楽しめる内容なことは間違いありません。加えて、『FE』シリーズで味わえた戦略性もバッチリ楽しめます。アクションの爽快感とロールプレイングシミュレーションの戦略性のふたつがミックスした欲張りなタイトルなんですねー。発売日が間近に迫っていますが、この記事を見て本作へ少しでも興味を持っていただけるとうれしい限りです。

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著者紹介:リプ斉トン(週刊ファミ通ライター)

 好きなオーブは星のオーブな、スピリチュアル系編集者。好きなキャラクターはリズ、エリーゼ、サクラというわかりやすさが魅力の、竹を割ったような快男児(を自称している)。「お? 年下が好みなのか?」と思われるかもしれないが、それは早計。リプ斉トンは、大人の女性も好きなのだ。カミラ姉さんが3Dで動き回ると、ある部分が揺れてたいへんなんですよ。……とここまで書いて、リズたちじゃなくてカミラ姉さんも絶対に筆者よりも年下なんですよね。なんだよ姉さんって、チクショー!(コウメ太夫)

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こいつ……揺れるぞ……!

女子目線もチェック!

 ちなみに、今回も取材に『FE』好き女子のロマンシング★嵯峨がくっついてきて、私リプ斉トンの横で黙々とプレイしていました。白夜キャラクターを中心に触った嵯峨の感想は下記の通りらしいですよ!

弓キャラクターが強い!

 可憐なサクラが矢を放ちまくって敵をなぎ倒す姿を見たときは、思わず「強ぇ!」と声が漏れちゃいましたよ。ヒノカ姉様にも「強くなったな、サクラ……」的なことを言われたのですが、正直ヒノカ姉様より強いんじゃないの? と思うほど。とくに飛行系ユニット相手だと、1、2発で倒せてしまってビックリです。『聖戦の系譜』のアンドレイが、ペガサスナイトを射ながら「トンボとりでもしてるようだな」という気持ちがわかってしまった……。

ダブルの使いどころ

 ヒノカ姉様とサクラでダブルを組んで、飛行でスイスイ移動&弓で殲滅というスタイルを楽しんだ私ですが、後半のマップになると、あちこちに敵が沸いてきたりして、「ああっ、ダブルばかりしていると、遠くに向かわせる人手が足りない!」という状況に陥ることも。人員をどう割くか、武器の相性も考慮しつつ必要があります。この「ウ~ン」と頭を悩ませる感じが『FE』らしくもあり、『無双』らしくもあり、いいバランスになっているかと。

モーションがカッコいいよ

 タクミで回避行動を取ると、クルッと回るんですよ。体が。他の歩兵キャラクターはだいたい前転するのに、タクミはフィギュアスケーター並みに回るんです。あと、ルフレをダッシュさせると浮くんですよ。宙に。すいすい~と浮遊移動するんです。えっ、そんな力、もともと持ってたっけ? さすが●●●●の器! ……という感じで、キャラクターの何気ないモーションも注目ですよ!