ファミ通ライター陣が『モンハン』シリーズの新作に挑む!
2017年8月、東京・新宿にて、カプコンから2018年初頭に発売予定のハンティングアクション『モンスターハンター:ワールド』のメディア向け体験会がgamescom 2017に先駆けて行われた。シームレスなフィールドで行われる狩りの流れや、全14武器種の感触などをお伝えしていこう。
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『モンスターハンター:ワールド』をプレイして感じたこと
【今回試遊したプレイヤー】
ゴジラ太田(ライター)、堤教授(ライター)、ぽんきち(ライター)
『モンスターハンター:ワールド』ダイジェストプレイ
2017年9月11日13時追記:2017年08月28日に公開した動画につきまして、編集時の保存方法の誤りにより動画が480p画質となっておりました。2017年9月11日、動画を新たに編集し、1080p画質のものに差し替えさせていただきました。読者の皆さま並び、関係者の皆さまにご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。
自由度の高いハンティングを満喫
本作のフィールドには複数のキャンプがあり、クエスト開始時に好きなキャンプを選んでスタートできます。本来はフィールドを探索しながら徐々にキャンプを発見して増やしていく流れのようですが、今回は体験版ということで全キャンプが解放されていました。フィールド内はエリアチェンジの概念がなくなりシームレスにつながっていますが、複数のエリアに区切られていて番号が振られています。そのため「○番にモンスターいるよ」など、これまでと同じようなやり取りは可能。ちなみに今回はボイスチャットが用意されていたので、テキストチャットせずにリアルタイムに話せながらプレイできた。もちろんボイスチャットを使わずにプレイも可能で、テキストチャットのほか、スタンプのようなものでの意思疎通も確認できた。俺はゲームに集中すると無言になるタイプなので、ボイスチャットが用意されていたけどほぼしゃべりませんでした(笑)。
いざフィールドに出ると、まず美麗なグラフィックに目を奪われる。しかし気持ちはイチ早く大型モンスターを発見したいので、導蟲を頼りにフィールドへ足を踏み出した。“大型モンスターの足跡”という痕跡があり、発見することでゲージのようなものが上昇。痕跡をいくつも発見することで、大型モンスターの場所が判明するような仕組みだった。ちなみに導蟲は生態マップを開き、行きたい場所にピンを打ち込むことで、導蟲が先導して案内してくれる。モンスターにもピンを打ち込め、モンスターの移動に合わせて導蟲も案内してくれるので超便利! つねに“自動マーキング”が発動しているような感じだ。そして生態マップでは、キャンプ間を瞬時に移動もできる。また、キャンプのテントでは装備を変えることもできるので、「最初は大剣で行き、尻尾を切断したら弓に変えよう」といったプレイも可能。
気になる武器アクションだが、これまでの『モンハン』シリーズ作をプレイしていれば違和感なくすんなり使いこなせるはず。武器によっては新たな攻撃手段があるほか、坂道を滑り落ちているときに出せるような攻撃もあった。これが意図しない状況で出てビビったりするが、慣れると瞬時に連携に組み込んだりできるのかなぁ。そして驚いたのが環境を利用したトラップ。リオレウスと対峙しているときにせき止めていた水を決壊させて、リオレウスを押し流して滝のような場所から下に落とすことができた。ハンターも巻き込まれていっしょに流され、落ちていきましたが(笑)。ほかにもいろいろな罠が用意されているようなので、これらを利用すれば本作ならではの狩猟を楽しめそうだった。
とりあえず初めてプレイして純粋に感じたことを書いたが、少し気になったのが画面内に入っている情報量の多さ。『モンハン』はコアユーザーはもちろん、ふだんゲームをあまりプレイしないライトユーザーも非常に多い。もちろん製品版では徐々に操作周りやシステムを覚えていく流れになると思う。コアユーザーは飲み込みも早くすぐに対応するのだろうが、果たしてライトユーザーが本作の体験版をプレイしたとき、どのように感じるか非常に興味がわいた。もっとも、やることは確かに多いものの、ボイスオーバーによる解説が非常に丁寧なので、シリーズ初心者にとっての敷居は決して高くないとは思う。
(Text by ゴジラ太田)
まさに正統進化といった風格を持つ作品
正直に言いますと、前情報を見る限り、「これまでとまったく違うゲームになったのかなぁ?」と心配しておりました。しかし、少し触っただけで「おぉ、こりゃ『モンハン』だ」という安心感とともに、探索しがいのある高密度なフィールドや新システムの数々にワクワクが抑えられませんでした。クエストの準備といえば食事ですが、そこからまず気合が違います。したたる肉汁、ぷりっぷりのエビ……。これはぜひ動画で皆さんにも見ていただきたい!
今回の体験プレイで舞台となっている古代樹の森は、生い茂る木々が視界を遮り、高低差も激しかったため、最初はかなり迷いました。道案内をしてくれる導蟲やマップの利用方法などが分かると、それなりには動き回れるようになりましたが、構造をきちんと把握するには、時間がかかりそうです。クエスト中にも食事や装備が変更できる点も新鮮で、今回は4人でプレイしたので連れられませんでしたが、オトモアイルーの姿も確認できました。準備ができるキャンプへは、非戦闘時であればファストトラベルできるので、状況を見て武器を変更しつつ食事で休憩……、といったプレイも実現できます。
装備変更画面では、武器や防具以外に、特殊装具を装備することができました。これは初期設定はひとつのようだが、試遊版なのでふたつセットできる仕様になっているとのこと。“一定時間のけぞり無効”、“継続して体力を回復するアイテムを設置する”といったものなど、効果は多彩。使用後、一定時間が経過すると再使用可能になっていました。こちらについては、限りある試遊時間でじっくりと仕様を試す余裕がなかったですが……。
従来と比べ、採取を立ち止まらずにできるという点にも驚き。採取ポイントはいたるところにあるので、○ボタンを連打しながら走り回っているだけでいろいろな素材が拾えちゃいます。採掘は、いつものようにピッケルでカンカンと掘るモーションが入ります。また、モンスターの巣から卵が拾えるのも『モンハン』シリーズ定番の要素ですが、本作ではなんと卵の運搬中に回避行動を行っても、卵を落とさないようになっていて驚きました。ほかにも、フィールドにはツタを攻撃して巨岩を落とせる場所、ダムを決壊させてモンスターを押し流せるような場所など、環境を利用した罠もたくさん用意されていた点も印象的。環境を味方することも狩りの重要なポイントになりそうです。
スリンガーは、ボウガンのように弾をセットして放つ、武器に関わらず利用できるハンターの携行品のひとつ。スリンガーの弾となるものは現地調達のようで、落ちているものを拾うと自動でセットされ、すぐに利用可能になります。なお、持っておけるスリンガーの弾は1種類のみの模様。新たなものを拾うとセット中のものは地面に落ちました(再び拾うことは可能)。スリンガーの弾として使えるものには、モンスターの注意を引く効果があるもの、火を好むモンスターを引き寄せつつ火を嫌うモンスターを遠ざける効果があるものなどがあり、全般的に威力はかなり低め。ただ、モンスターがスリンガーの弾にできるものを落とすこともあり、徹甲榴弾のように爆発し、威力の高いものもありました。ちなみに、シリーズではおなじみの投げナイフ系のアイテムも、スリンガーにセットして使用できます。狙いをつけるのが簡単になり、当てやすかったです。
フィールドは、各エリアをシームレスに動き回れるので、従来の作品のように大型モンスターから逃げたいときにエリア移動で対処するといったことができません。ではどうするのかというと、納刀状態で茂みに近づき×ボタンを押して気配を消す。コレです。茂みはあちこちにありますが、焦っているとすぐに茂みを見つけられないこともあるので、フィールドを把握しておくことの重要さが改めて身にしみました。ちなみに、フィールドを探索していると“テトルー”というアイルーに似た獣人を発見できました(語尾はもちろん「ニャ」)。
大型モンスターの追跡に役立つ導蟲は、痕跡を調べたときなどにポイントが入り、それが一定値を超えるとレベルアップします。すると、モンスターが疲れている、弱っているといった状態も把握できるようになるので、足跡を見つけたら調べるクセをつけておいたほうがよさそう。発見した大型モンスターをマップにマーキングしておけば、ミニマップにそのモンスターがいる方向が表示されるので便利ですね。
また、L1ボタンと右スティック(8方向)の組み合わせで、あらかじめ登録しておいた8種類のアクションを手早く実行できるショートカット機能もあります。アイテムの使用だけでなく、定型文やスタンプを発信するようなアクションも登録しておけるので、かなり使い勝手がよかったです。しかも、8種類のアクションのセットを4つ登録しておける(セットの切り換えはL1ボタン+方向キー)ので、32種類のアクションが即座に行えるわけです。自分好みにカスタマイズすれば、快適に狩りができそうですね!
クエストを終えると、モンスターを気絶させたハンター、スリンガーをたくさん使ったハンターなどが表示されるようになっており、つぎはもっと活躍しよう! という気分にさせてくれます。試遊できた時間は2時間程度でしたが、まさにあっという間という感じで、いままで以上に奥が深そうな作品になっています。従来からあるシステムもかなり遊びやすくブラッシュアップされていて、とにかく快適。テトルーを筆頭に、まだまだ気になる要素がたくさん確認できたので、これからも新情報の公開が楽しみですね!
(Text by 堤教授)
未知の場所へ足を踏み入れるドキドキ感が、やはりたまらない
すでに開発陣による実機プレイ映像などを何度もくり返し観てはいるものの(本当に数えきれないほどリピートして観た)、実際にプレイするのは今回が初めて。移植作(『HD Ver.』や『Nintendo Switch Ver.』など)を除くと、シリーズ最新作の『モンハン』が据え置きハードでプレイできるのはWiiの『MH3(トライ)』以来。じつに8年振り! 自然とコントローラーを握る手にも力が入ってしまい、始まる前から汗まみれだったのはナイショにしておきましょう。
さて、触ってみてまず驚くのは、やはり「画面の美しさ」。何とも陳腐な感想で恐縮だが、これは初プレイの人間全員が抱く感想であると断言できる。それほどに鮮烈で、衝撃的なのだ。そして一歩を踏み出したとたん、討伐対象のことなど気にもかけず、一心不乱に森の奥まで探索に向かう自分がそこにいた。フィールドを歩く――それだけの行為がこの上なく気持ちよく、楽しい。フィールド内はこれまでの作品では見たこともないギミックで溢れており、それらに触れて歩くだけで時間を忘れる。「ここからあそこへ移動できるのか」、「何だこのアイテムは……」、「モンスターやべぇ!」と、アラフォーのおっさんを、初めて連れられてきた遊園地ではしゃぐ少年へと変えてしまうほどの魅力が、本作にはありますね。これには、本当に抗えませんでした。従来のシリーズ作でも、未知の場所たる新フィールドを歩く際は探索への欲求と興奮のあまり口を半開きで歩き回っていましたが、『モンスターハンター:ワールド』の興奮度とのめり込み度に関しては、まるで比較にならない。ほとんどの要素が一新され、グラフィック表現なども圧倒的に向上している本作なのだから、それも当然と言えるだろう。2017年9月21~24日(一般公開日は2017年9月23、24日)に開催される東京ゲームショウ 2017でも、『モンスターハンター:ワールド』がプレイアブル出展されるそうだが、来場されるユーザーの皆さんにも、“フィールド散策のワクワク”を骨の髄まで味わって欲しい。
話は変わるが、ひとつお伝えしておきたいことがある。“モンスターへのダメージが数値で表示される”点だ。従来作にはなかった要素で、シリーズファンには違和感を感じるのではないかと不安に思っている方もいるかもしれない。しかし結論から言うと、これは“まったく気にならなかった”。初プレイ時は数値を見る余裕があまりなく、余裕が出てくるころには気にならなくなっているというね。むしろどこの部位に効き目があるかがわかって便利かも、とすら感じるようになった(これは自分がゲーム攻略脳のせいかもしれないが)。表示オンオフの設定もできるので、どうしても気になる方はオフにしてプレイするのもアリだろう。これならば、エフェクトの大きさなどでダメージの通り具合を判断する、従来の『モンハン』として楽しめるはず。
(Text by ぽんきち)