『FIFA 18』はNintendo Switchユーザーが絶対に持つべきソフトになる! スーパーバイジング・プロデューサーに聞く【gamescom 2017】

Nintendo Switch版『FIFA 18』のスーパーバイジング・プロデューサー アンドレイ・ラザレスク氏に話を聞いた。

●「Nintendo Switch版は私たちにとっては偉業」

 2017年8月22日~26日(現地時間)、ドイツ・ケルンメッセにて、ヨーロッパ最大のゲームイベントgamescom 2017が開催。世界最大のサッカーゲームブランド『FIFA』シリーズ最新作『FIFA 18』は今回のgamescomでも大人気だったわけだが、なかでもひときわ注目を集めたのがNintendo Switch版『FIFA 18』だ。ここでは、同作のスーパーバイジング・プロデューサー アンドレイ・ラザレスク氏に話を聞いた。ラザレスク氏は、『FIFA』フランチャイズのクロスマーケテイングのチームを統括している。オフィスはルーマニアのブカレストにあり、『FIFA』はカナダバンクーバーとブカレストで開発されているとのことだ。

――まずは、『FIFA』シリーズをNintendo Switchで出すことになった経緯から教えてください。

アンドレイ エレクトロニック・アーツは、これまでも任天堂さんとはつねにパートナーとして展開してきました。『FIFA』シリーズは世界的に知名度の高いフランチャイズであり、新しいコンソールが出たときに、最初の1年間に必ずシリーズ作をリリースすることが期待されています。実際のところ、Nintendo Switchはとてもクールなプラットフォームだと思います。とてもユニークなコンソールであり、より多くの人にゲームを楽しんでもらえるのではないかと。ソファに座っているだけではなくて、あちこちでプレイしたい人にも楽しんでもらえる。お子さんにテレビを独占されたくない親御さんもいるでしょうし。私たちにとっては、(『FIFA 18』をリリースすることは)とてもユニークな機会です。

――Nintendo Switch版の開発で難しかったことは?

アンドレイ 新しいプラットフォーム向けに開発することは、つねにたいへんです。Nintendo Switchはリリースからまだ半年も経っていないので、どんなに最高の人材を揃えても開発のプロセスでは必ずサプライズがあるものです。いちばんたいへんだったのは技術面でしたが、それ以上に『FIFA』シリーズでもっとも人気のある“Ultimate Team”を、任天堂のハードで初めて展開することは大きなチャレンジでした。任天堂さんとはほぼ毎週話し合いました。しっかり連携して、構築しているインフラがサーバーやセキュリティーなどを含め、すべてきちんと整っていることを確認しながら開発を進めています。チームとしては、とても大きな仕事をやり遂げたと思っています。“Ultimate Team”はある意味で、ゲーム内ゲームであり、活きたマーケットのようなものです。Nintendo Switchだと、コンソールを持ち運びできるので、モバイルのホットスポットを使って外出先でも“Ultimate Team”を楽しむことができる。これは、ほかではできないことです。Nintendo Switch版は私たちにとっては偉業であり、9月29日にワールドワイドでリリースされることを誇りに思っています。

――Nintendo Switch版は、ほかのコンソールバージョンとは異なるようですね

アンドレイ すべてが違います。サッカーは、11人対11人で戦いパスやシュートをして、ゴールを決めるスポーツです。同じルールでありながら、ほかのコンソール版とは異なるプレイフィールなので、比較することは難しいですね。Nintendo Switchは、ほかとは異なるハードであり、このコンソールでプレイして楽しむ人たちは、ほかのハードのユーザーとは若干属性が異なると考えています。そのため、単に移植したり、まったく同じものを作るのではなくて、Nintendo Switchに特化したゲームを作りたかったんです。ほかのハードと同じものを作ったのでは、うまくいかないと思ったんです。

――Nintendo Switch版のオススメポイントは?

アンドレイ たくさんありますが、ここでは3つご紹介させていただきましょう。(1)ビジュアルとイマジネーション。本作では、観客や芝生、プレイヤーの顔もとても見栄えがします。フィジカルベースレンダリングを使用しているので、キャラクターの顔が実物同様に詳細に表現されています。観客は3Dですべていちから作っていますよ。芝生も同様です。ちなみに、ライティングはNintendo Switch用にカスタムメイドされています。(2)ゲームプレイそのもの。アニメーションはすべて作り直したので、操作感に対する反応はとてもよくて、プレイしていてとても楽しいですよ。これはさきほども言及しましたが、(3)“Ultimate Team”をNintendo Switchでプレイできること。これに加えて、どこでも持っていけることが大きなセールスポイントです。

――Nintendo Switch版に対する手応えはいかがでしょうか?

アンドレイ はっきりと言えるのは、Nintendo Switch版は正真正銘のサッカーを表現したものだということです。『FIFA』のほかのバージョンと同じように、正真正銘だということです。サッカーを楽しむ人たちの中には、プレイステーション4版が好きな人がいるように、Nintendo Switch版が好きになる人もいるでしょう。それは確信しています。

――ちなみに、Nintendo Switch版はFrostbiteエンジンを使っているのですか?

アンドレイ 違います。カスタムビルドのエンジンです。Nintendo Switch版で何を提供したいかを検討したときの結論は、“しっかりとプレイを感じてほしい”というものでした。Frostbiteで開発すれば、それが成功するかどうかに関わらず、これまでのバージョンを簡単に書き直したものになることは間違いありませんでした。ハードウェアが対応していないからです。それが理由ですね。いま、あのころに立ち戻って決断できるとしても、結果は同じだと思います。今回は、Nintendo Switchのためにカスタムエンジンを作り、そのテクニカルパワーを最大限に使うことにしました。アレックス・ハンターを主人公に据えたモード“The Journey”は、Nintendo Switch版には入っていません。“The Journey”はFrostbiteによってパワーを最大化されるものなので、Frostbiteとは別にはなれないんです。

――エレクトロニック・アーツは、マルチプラットフォーム戦略を取っていますが、Nintendo Switch版は単なる移植ではないということで、それだけNintendo Switchというハードに注力しているとの印象を受けます。

アンドレイ それはもちろんです! ここ数年、とくにアンドリュー・ウィルソンがCEOになってから、EAは大きく進化しています。考えてみると、Nintendo Switch版の開発は、プレイヤーの皆さんが望んでいることです。最大限の努力をして、Nintendo Switch向けに最大限のタイトルを開発してすばらしい体験を提供する。ほかのハードですでに評価が定まって定義付けされたものを、Nintendo Switchに持ち込むのではありません。実際のところ、それは可能だったのしれないのですが、(Nintendo Switchで)ゲームをプレイする人たちにとっては、納得のいくものにならなかったでしょう。最近のEAは、もっとも効率がよくもっとも安価な手段を見つけるのではなくて、実際にプレイする人たちに最大の喜びをもたらすことを目指すように、さらに努力をしているのです。

――今後ですが、たとえば『FIFA 19』がリリースされるとして、ほかのハードのバージョンと、Nintendo Switchバージョンとでは、異なる方向性で進化をしていくということですか?

アンドレイ そうですね。たた、サムというプロデューサーが率いるチームは、プレイステーションプラットフォーム、Xbox Oneプラットフォーム、PCプラットフォーム、Nintendo Switchで、ゲームプレイが同じようになるように開発しています。『FIFA 19』はまだ存在しませんが、これからは今年やったことを基礎にして、さらに積み重ねていくことを楽しみにしています。それをどのようにやるのかは、これからわかることです。いまあるものを捨ててやり直すということはありません。

――個人的にNintendo Switchのどのような点を魅力に感じていますか?

アンドレイ 持ち運びができること。多様性があること。箱から空けたらほかのものは必要ないこと。すぐにふたりで遊べるところ。組み合わせによっていろいろな遊びかたができるので、さまざまなものに適応できるのがユニークです。ファンがNintendo Switchに惹き付けられるのは、そこだと思います。

――最後に、本作を楽しみにしているゲームユーザーに向けてメッセージをお願いします。

アンドレイ ネットの情報などで判断せずに、ぜひとも実際にNintendo Switch版『FIFA 18』をプレイしていただきたいです。Nintendo Switchでお届けする初の『FIFA』シリーズということで、極めて価値のあるタイトルになっています。『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』や『マリオカート8デラックス』とは違うカテゴリのタイトルですが、それらに並ぶような、“絶対に持つべきゲーム”となるでしょう。

▲任天堂ブースでの『FIFA 18』の試遊の模様から。