とにかく自由に楽しんでほしい

『スナイパー ゴーストウォリアー3』開発元であるCI Games CEOが明かす 「これまでにないユニークなものを求めて」【gamescom 2017】_05

 2017年8月22日~26日(現地時間)、ドイツ・ケルンメッセにて、ヨーロッパ最大のゲームイベントgamescom 2017が開催。ここでは、ポーランドの開発会社CI Games CEO マーク・ティミンスキ氏へのインタビューをお届けしよう。CI Gamesは、2017年10月5日にユービーアイソフトから発売予定のプレイステーション4向けミリタリーシューターゲーム『スナイパー ゴーストウォリアー3』の開発元。スナイパーに特化して、世界でも高い評価を得た人気シリーズの最新作だ。

――まずは、日本のゲームファンのためにCI Gamesのことを教えてください。

マーク CI Gamesはポーランドにある開発会社です。設立は2002年になりますね。ワルシャワとジェシュフにスタジオを持っていて、ふたつのスタジオを合わせると100人を超えるスタッフを擁しています。そのほかにも、さまざまなパートナーと仕事をしていまして、『スナイパー ゴーストウォリアー3』では、内部スタッフのほかに、中国やイギリスなどのデベロッパーに協力してもらい、全部で300人くらいの体制で開発しました。

――スタジオの方針を教えてください。

マーク 私たちは、ファンの皆さんやコミュニティーにフォーカスしたゲーム作りをしています。ゲームの豊穣な経験をファンの皆さんにお届けしたいというのが第一にあります。私たちのスタジオの根幹にあるのは、いままでになかったようなユニークな経験をお届けすることです。今度発売される『スナイパーゴースト ウォリアー3』も、そんな方法論に則って作られたゲームです。言ってみれば、新しいジャンルのゲームをお届けしているという自負はあります。私たちはこれまで、ステルスやスナイパーなどをテーマにしたゲームを数多く作ってきたのですが、本作ではそこから1歩進んで、さらに詳細に、さらにリアリティーにもとづいた世界観を実現しようとしています。あとひとつは、プレイヤーの皆さんに自由をご提供することです。本作には世界を探索する自由もありますし、ミッションを成功させるためのいろいろな選択肢も数多く持っています。ミッションは“オープンエンド”という形で、プレイヤーの皆さんが好きなアプローチを取ることを可能にしていて、ほかの人とは違うゲームプレイができるようにしています。

――スナイパーに特化したタイトルを開発したのは、新しい発想のゲームを届けたいという思いからきているのですね?

マーク 私たちは、ステルスものを中心にこれまでさまざまなゲームをリリースしてきたので、シューターに関してはもちろん自信がありますし、積み重ねた歴史もあります。『スナイパー ゴーストウォリアー』シリーズに関しては、その積み上げの延長線上にあるのではなくて、「典型的ではなく、さらに違うものを……」ということで、ステルスのひとつであるスナイパーにフォーカスすることにしたんです。“これまでにないゲーム”を目指した結果、そこにたどり着いたんですね。私たちはつねにつぎのプロジェクトも考えているわけですが、そこでは“イノベーション”を重視して、「いままで予期もしなかった新しいドアを開けたい」ということを目標に据えています。そのためには、自分たちの長所を活かして、さらにすばらしいものを作りたい。そのうえで、いままで私たちのゲームを愛してくださっている皆さんの好みに合致したものを作りたいと思っています。

――『スナイパー ゴーストウォリアー3』ですが、狙撃に特化したことで、ゲームデザインが不自由になるということはなかったのですか?

マーク 本作では、ステルスだけではなくて、敵に近づいてメレー(近接)攻撃もできますし、アサルトライフルを使って、従来からあるゲームのような動きもできます。どのような攻撃をするかは、プレイヤー次第です。そのときの状況でお好みのままです。さきほどお伝えした通り、本作は“オープンエンド”の世界観なので、プレイヤーがプレイスタイルを好きなように選んで遊べるんです。そのときのプレイヤーの戦略次第で、自由な行動が取れるというわけです。プレイヤーにどうプレイするかを任せているんです。人によっては、スナイパーからウォリアーに進んでいく人もいると思いますし、“自由”ということが本作ではエッセンスなのです。

『スナイパー ゴーストウォリアー3』開発元であるCI Games CEOが明かす 「これまでにないユニークなものを求めて」【gamescom 2017】_04

――本作では、天候の変化や昼夜の概念がありますが、そのへんも“自由”の確保のためなのですか?

マーク そのとおりです。天候の変化や昼夜の概念はゲームプレイに影響します。ですので、夜に活動すれば、それだけ効果もあるかもしれませんが、それによって難しさも増すわけです。まさに“プレイヤー次第”です、とはいえ、ミッションが自由に進められるので、昼は寝ていて、夜は活動してもらってもぜんぜん構いません。戦略によって選択の自由があるわけですから。夜はこちらから見て、敵が見えないわけですから、それを使って近づくこともできます。

――ちなみに、夜を待つとして、昼のあいだにも何か楽しみはあるのですか?

マーク ありますよ(笑)。もちろん休んでもらってもいいのですが、サイドミッションもありますし、ワールドの中を探索するという楽しみもあります。やることはたくさんあります。イベントとしては200箇所くらい用意してありますので、宝探しをしてもらってもいいです。ただ、本作は『グランド・セフト・オート』シリーズのようなオープンワールドの世界ではないので、ある程度の制限はありますけれども。そもそもオープンワールドを目指していたわけではなくて、ゲームに“深み”を与えるために、こういったイベントを設けました。

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――本作にはスキルツリーがあるようですが、それも自由度の幅を広げそうですね。

マーク スキルツリーのカテゴリとしては、“スナイパー”と“ゴースト”、“ウォリアー”があるわけですが、これらのそれぞれのカテゴリでスキルをアンロックして進めていくことになります。ですので、本当にプレイヤー次第となります。ひとつのスキルに特化して深めていってもいいですし、複数を追求してもいい。スナイパーにフォーカスしたい人はそれでいいですし、ステルスが好きな人はそれに特化してもいいと思います。

――自由に楽しめるのが『スナイパー ゴーストウォリアー3』だということは重々承知のうえでお聞きするのですが、個人的にどのような楽しみかたがお好きですか?

マーク 私はスナイピングが好きです。本作はスナイパーのゲームなので、それで進めるとうまくいくことが多いです。ただ、いろいろとミックスするのもおもしろいでしょうし、ほかの遊びかたもあるでしょう。いずれにせよ、本作はオープンエンドのゲームなので、プレイヤーの皆さんに自由に楽しんでもらいたいですね。あと、“自由な楽しみかた”ということで言うと、ドローンのことをお話しすべきかもしれません。本作でのドローンはエネミーを追いかけるだけではなくて、ミッションの環境を理解して、目的を達成するためのアプローチを考えるうえで、必要なキーとなる機能なんです。

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――本作は兄が弟を救うというストーリーのようですが、ネタバレにならない範囲で、どんなテーマが込められているか、教えてください。

マーク エッセンスとしては、とても個人的なストーリーです。ジョージア(旧グルジア)というとてもエキゾチックな、ふつうでは取り上げられないようなロケーションでの地域紛争を描いています。ゲームの冒頭で、弟が略奪されていなくなります。ちなみに、海外ではすでに本作はリリースされておりして、いまはDLCを準備中です。こちらは、プレイヤーがいままでとは違う兄弟の立場としてプレイするので、180度違う視点でプレイできることになります。

――ところで、本編のゲームプレイ時間はどれくらいですか?

マーク ゲームをひととおり体験しようと思ったら、35~40時間はかかりますね。メインストーリーだけを追いかけようと思ったら、20時間程度になると思います。

――なぜ、ジョージアを舞台にしたのですか?

マーク じつは違う場所もいろいろと考えていたのですが、ジョージアという国はエキゾチックであり非常にユニークな場所なので、決めました。おそらく、ゲームでジョージアという場所を取り上げるのは初めてのことです。ジョージアは、東ヨーロッパに位置して、ロシアの南側にあります。難しい歴史も経験している場所です。ゲームなので、政治的な観点から取り上げるわけではないのですが、その難しい歴史があったところに、ゲームという範疇でできるだけ共鳴したかったということはあるのかもしれません。プレイヤーの皆さんにこの国を提示して、お見せしたかったというのもあります。ただ、ゲームなので、100%のジョージアというわけではありませんけれども。

――最後に、日本のファンに向けてひと言お願いします。

マーク 『スナイパー ゴーストウォリアー3』は、いろいろな戦略を考えられるゲームなので、とにかく自由に楽しんでください。私たちはファンの皆さんの意見はつねに聞いておりまして、ファンの皆さんとのつながりは大事にしています。ゲームを遊んで何かご意見などありましたら、ぜひともお寄せください。

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