VR空間で『Quake』や『DOOM』のようなゲームを
2017年8月22日～26日（現地時間）、ドイツ・ケルンメッセにて、ヨーロッパ最大のゲームイベントgamescom 2017が開催。会期中に、ユービーアイソフトの『Space Junkies』を体験する機会があった。『Space Junkies』というと、記者には聞き慣れないタイトルだったのだが、同社にて開発中のHTC Vive、Oculus Rift向けのVRタイトル。タイトル自体はE3 2017で発表されていたようだが、gamescomでは、メディアを対象とした試遊会が実施された。ユービーアイソフトでVRタイトルというと、E3 2017で関係者にインタビューした『Transference』を思い出すが（→関連記事はこちら）、あちらがVR対応のスリラーゲームだったのに対して、『Space Junkies』は宇宙空間を舞台にしたシューティングアクションゲームといった趣き。いずれにせよ、こうしてVR向けのオリジナルタイトルを続々と世に問うあたり、ユービーアイソフトのVRに対する注力ぶりがうかがわれる。
何はともあれ、『Space Junkies』を体験すべく用意された部屋に入ると、向き合った4台のPCとモニターが。言われるがままにOculus Riftを装着する記者。どうやらユービーアイソフトのガイド役の方＋取材陣3名の計4名の合同で、『Space Junkies』を体験するようだ。気が付けば、記者は3名の方といっしょに宇宙空間に。Oculus Touchの左スティックを傾ければ（ジェットパックで）移動、トリガーを押せば銃で攻撃といった基本的な操作方法を教わる。デフォルトで持っている武器は右の腰に据えられたハンドガンで、宇宙空間には強力な武器や防具などが転がっている。なかにはパチンコみたいな銃もあり、適宜武器をゲットして敵を倒す……というのがゲームプレイの基本となる模様。肩のところに手をやって振りかぶると、ビームサーベル（のような武器）が使用でき、これが近接戦（いわゆるメレー）での武器となる。まあ、これがジェダイかモビルスーツかといったところで、オジサン世代にはとても楽しい。
そんなこんなで、和気あいあいとチュートリアル的な操作方法を学んでいるうちに、記者も「ああ、これから4人で戦うのだな……」とピンとくる。それは武器を持って、のんびり宇宙空間で過ごすだけではゲームにならないよね……といったところだが、4人が赤と青のスーツに色分けされているところを見ると、2対2のマルチプレイの模様。控室（？）で武器を整えた記者とパートナーは、宇宙空間で相手ふたりと戦うことに……。ふつうにヘタレな記者は、とにかく操作に手一杯で攻撃どころではなかったけれど、わちゃわちゃビームサーベル（のような武器）を振り回しつつ、ゲームプレイを満喫。気が付けば、パートナーの奮闘により、4対3で勝利していた。
と、プレイを終えた記者に、プロデューサーのエイドリアン・レイシー氏が説明してくれたところによると、本作を手掛けているのは、もともと『JUST DANCE』シリーズなどに関わったスタッフで、世にあるVRタイトルの移動が遅いことに不満を感じており、「ハイスピードのVRタイトルを作ってみたかった」（レイシー氏）とのこと。スタッフがちょうど『Quake』や『DOOM』の世代であり、アーケードライクなゲームを作りたいとの思いもあったようだ。ハイスピードで移動となると、VR酔いの懸念も想定されるが、「ゆっくり移動したからといって、VR酔いがないというわけではないですよ」と前置きしたうえで、レイシー氏は、『Space Junkies』はVR酔い対策が施されており、事前のテストプレイでは、VR酔いをした人のパーセンテージは極めて低い数字だったという。「片目で90フレームを実現していることや状況に応じて適宜視界を制限していること」（レイシー氏）がVR酔いの抑制につながっているようだ。
『Space Junkies』は2018年春リリース予定。国内での発売は未定のようだが、なかなかに期待したい1作だ。
