『Rez Infinite』PC版の販売が開始――8K出力やOculus Rift、HTC VIVEなどに対応した“究極の『Rez』”!

2001年に発売された『Rez』を高解像度リマスター、VR対応、そして、新ステージ“Area X”を追加した『Rez Infinite』のPC版の配信が開始された。

●“究極の『Rez』”がさらに進化!

 『Rez Infinite』は、2001年にドリームキャストとプレイステーション2で発売され、敵を倒したときの効果音がどんどん音楽化していき、まるで音楽を演奏しているような感覚を味わえる、共感覚シューティングアドベンチャーゲーム『Rez』(以下、オリジナル版『Rez』)のリマスター作品。高解像度化のリマスターだけでなく、プレイステーション VR(以下、PS VR)への対応、最新技術を用いて制作された新ステージ“Area X”の追加なども注目を集めた。そして、この度、プレイステーション4(以下、PS4)用ソフトとして販売されていた同作のPC版がSteamとOculus Storeにて配信開始された。本記事では、PC版で追加された機能を中心に紹介しつつ、本作を手掛けるエンハンス・ゲームズの水口哲也氏と、開発を担当したMonstarsの東郷泰行氏のインタビューもお届けする。

※PC版『Rez Infinite』Steam 販売ページ
※PC版『Rez Infinite』Oculus Store 販売ページ

■VRモードはOculus RiftとHTC Viveに対応
 PS4版発売時には、PS VRへの対応も話題となり、The Game AwardsでのベストVR賞をはじめ、数多くの賞を受賞した。当然ながらPC版でもVR端末に対応しており、Oculus RiftとHTC ViveでVRモードをプレイ可能。

 記者は、HTC Vive版をViveコントローラー、Oculus Rift版をOculus Touchで体験させてもらったが、操作感覚的にはPS4版をPS Moveでプレイしているときに近く、直感操作で非常に快適にプレイできた。なお、映像に関しては東郷氏によると、PS VRとは解像度や視野角が異なるため、快適に遊べるようにメニューを後ろに下げて見やすくするなど、細かな調整が加えられているとのこと。

▲HTC Vive & Viveコントローラーの組み合わせでプレイ中の様子。

▲Oculus Rift & Oculus Touchの組み合わせでプレイ中の様子。

■スコアアタックモードが復活
 『Rez』や『Rez HD』に実装されていたファンにはおなじみのスコアアタックモードが復活。世界中のプレイヤーとスコアを競い合おう。

■ゲームを一時停止して360度を見渡せる! ビューモードが追加
 ゲームプレイ中に設定したボタンを押すことで、一時停止できる機能が追加された。シンプルな機能だが、実際に体験してみると非常に楽しい! 『Rez』の美しく表現された世界は、どこから見ても絵になり、少し進むごとに一時停止して、ついついスクリーンショットを撮影してしまったほど。また、PC版ではスコアアタックモードも復活したということで、敵の出現位置を確認するなど、攻略的な使いかたもできるように感じた。

▲デスクトップモード(モニター)は4Kの環境でプレイ。

▲あまりの美しさに仕事を忘れて、ベストな構図を模索中。

■マシンスペックに合わせた設定が可能に。解像度は8Kにも対応!
 PC版はプレイヤーによって、使用しているマシンスペックが異なるため、描画関連の設定やキーバインド機能などが追加されている。その中でも注目なのは解像度の設定。将来的に対応したグラフィックボードやモニターなどを整えれば、なんと8Kの出力にも対応しているのだという。そのほかにも注目の項目をピックアップして紹介する。

・Resolution
使用しているモニターに合わせて設定可能な解像度が表示される。環境さえ整えば、8Kの出力にも対応。

・Rendering Resolution
描画する解像度のパーセンテージを決める値。100%にすると“Resolution”で設定されている解像度をそのまま描画。200%にすると“Resolution”で設定されている解像度の2倍でレンダリングしたものを、“Resolution”設定した解像度用に調節して再レンダリングされるため、より綺麗に描画される。数値は50%~250%で設定可能。

・Rez Texture Quality
テクスチャのクオリティを決める項目。Area1~Area5のみに反映され、(Area X以外のステージ)項目はLow、Middle、Highの3つから選択可能。ちなみにLowはオリジナル版『Rez』で使用していたテクスチャ、MiddleはPS4版(PS4 Proも含む)で使用していたテクスチャ、HighはMiddleを2倍にしたテクスチャになるとのこと。

・Rez VR Style
Oculus RiftとHTC ViveのVRモードプレイ時のカメラワークとゲームバランスを設定する項目。カメラの動きが少なく、VRが初めての人に向けたゲームバランスに最適化された“Standard”、オリジナル版『Rez』に近いカメラとオリジナルのゲームバランスでプレイする“Dynamic”。PS4版で設定できたこのふたつに加えて、カメラの動きが少なく、オリジナル版『Rez』のゲームバランスでプレイする“Advanced”が新たにPC版より追加された。

Advancedは、StandardとDynamicでは、カメラワークや難易度の差が極端だったため、その中間となる設定として、東郷氏がどうしても入れたかった設定とのこと。ちなみに、ランキングは、各設定ごとに集計される。

・Key Bindings
ゲームパッド、キーボード、マウスの操作の割り当てを変更できる。

▲デスクトップモードの設定画面

▲キーバインド画面

 というように紹介してきたPC版『Rez Infinite』は、SteamとOculus Storeにて配信中。価格は2999円だが、配信開始から2週間はセール価格の2399円で販売されている。また、セール期間中に購入すると壁紙、オリジナルサウンドトラック、アートブック、アバターなどの豪華特典も付いてくるので、興味を持った方はぜひ早めに購入しよう!

▲サウンドトラックにはArea Xの楽曲7曲を収録。

▲iam8bitで販売されているレコード・セットのアートブックの一部を特典として配信

▲アバター

▲壁紙サンプル(1)

▲壁紙サンプル(2)

▲壁紙サンプル(3)

▲壁紙サンプル(4)

●Daydream版も開発中!?

 記事の最後に、エンハンス・ゲームズの水口哲也氏と、Monstarsの東郷泰行氏のお届けする。PC版の開発経緯や今後の展開などを聞いた。

▲水口哲也氏(写真左)、東郷泰行氏(写真右)

――最初にPC版の開発経緯を教えていただけますか?
水口 じつは『Rez Infinite』の開発はPC版から始まっています。開発の初期は、PS VR開発機が未入手だったので、PC環境で開発を始めて、途中からPS4とPS VRにシフトしていきました。『Rez』はこれまで、2001年にドリームキャストとプレイステーション2で初代『Rez』、その後にXbox 360のXbox Liveアーケードで『Rez HD』、そして、PS4で『Rez Infinite』、というようにいつもコンソールで作ってきました。ただ、コンソールには年月が経過すると、つぎのコンソールに移ってしまうタイムリミットのようなものがあるので、ずっと前から「PC版を出したい」という気持ちがありました。また、僕たちがこれまでコンソールで付き合ってきているユーザーの皆さんとは違う方々にも『Rez』を体験してもらいたいという想いが強かったので、今回、PC版を発売することにしました。

――PC版の開発はいかがでしたか?
東郷 たいへんでしたね。コントローラだけでも、キーボード、マウス、PCゲームパッド、Vive コントローラー、Oculus Touch/Oculus Remoteに対応していますので。

水口 それに加えて、コンソールとは違いさまざまなマシンスペックに対応する必要もあるので、本当にひとつひとつチェックしていくのは、東郷君がたいへんだったと思います。

東郷 とにかく数が多いので、ひとつひとつ操作の仕様書を書いて実装してもらっていたのですが、いつの間にか、Vive コントローラーにOculus Touchの操作が入っていたり、その逆があったり、みんな混乱してしまうことが何回かありましたね。そこを舵取りしていくのがなかなか難しかったです。

水口 難しかったですが、“究極の『Rez』”が完成したという意味では、本当にやってよかったなと思います。スペック的にはPC版がいまのところ“究極”という状況です。まだ、僕たちも確認できていないのですが、将来的に環境を整えて8Kモニターに接続すれば、『Rez Infinite』が8Kで遊べるようになっています。そういった意味でも、長く遊んでもらえるようなものになっていると思っています。

――『Rez Infinite』はVR専用だと思われている方もいますが、モニターでもプレイできますからね。
水口 そうですね。『Rez Infinite』は「VR専用でしょ?」と思っている方もいらっしゃると思いますが、まったくそんなことはないです。PS4だけでも遊べるんですよ(笑)。VR端末を持っていなくても、モニターで気持ちよくプレイできます。PC版では、Oculus RiftとHTC Viveに対応しているところを声を大にしていいたいところでもありますが、モニターでも楽しめることを忘れないでください。

――PS4版から追加要素はありますか?
東郷 スコアアタックの追加など、周辺の付加機能を充実させましたが、大きな要素の追加などはありません。

水口 いまでも『Rez』や『Rez HD』のスコアアタックを遊ばれている方がいらっしゃるということで、PC版でスコアアタックを入れられてホッとしています。ぜひ、世界中で繋がって楽しんでください。

――そのほかに、ゲーム中にゲームを一時停止して360度見渡せるビューモードが追加されていますよね?
東郷 ビューモードは、もともとVRモードのデバッグ中に「(表示が)欠けてるね」という話が出ていて、それをチェックするための機能として一時停止機能を実装したんです。でも、実際に止めて見渡してみたときに、「これ楽しいね!」ということになって、それからトントン拍子に採用されることになりました。

水口 とくにArea Xは、パーティクルがどかどかと爆発するので、そのパーティクルの真ん中に入ったときに停止してカメラをまわすと、とにかく気持ちいいんです。ただ、何かをするとまた新しい要望が出てくるもので、「ビューモード中に音楽を止めないで、その音楽に合わせてシナスタジアエンジンが動いてるというのはどうですか?」という意見もあります。それは確かにやってみたい気持ちもあるので、余裕ができたら試してみたいですね。

――バグを発見するためのデバッグ機能が正式採用されたんですね。
水口 そういうことはけっこうありますね。開発中にバグを見て「あっ、それいいじゃん。そのまま仕様として入れようよ」みたいな感じで。それこそ、『Child of Eden』のころは、そういうことが何度かあって、プログラマーの近くに行くと嫌がられるので、遠くから観察していました。最終的には、プログラマーのモニターを自分の席でモニタリングできるようにしてもらいました。プログラマーにはものすごく嫌がられましたけど(笑)。でも、それでアイデアをひらめくときがあるんですよね。

――予想外の現象だからこそ、斬新なアイデアになりやすいんでしょうね。
水口 そうだと思います。最近はバグではないですが、開発エンジンが成熟してきたので、開発の初期段階からいろいろテストができるようになってきています。そういう意味では、昔に比べて、開発初期に楽しい時間が増えましたね。

――Area Xのスタッフロールでビューモードを使用すると、スタッフロール部分も表示されたままなのでしょうか?
東郷 残念ながら、いまの仕様ではポーズをできるタイミングじゃないと、ビューモードは使用できないようになっています。

――PC版の販売の形式はオンラインのみですか?
水口 そうですね。デジタルオンリーです。価格は2999円が定価ですが、配信開始から2週間は、セール価格として2399円で販売します。さらにセール期間中にご購入いただいた方には、20枚以上の壁紙、オリジナルサウンドトラック7曲、アートブック、アバターなどを無料でプレゼントします。

――特典だけでも値段の価値がありそうなくらい大盤振る舞いですね。
水口 お祭りですから。Oculus RiftとHTC Viveを持っていて、PS VRを持っていないという声も聞きましたし、ずっとPC版を待っていてくださった方もいると思いますので。

――買うなら最初がお得ということですね。
水口 そうですね。いつもだったら発表してから1ヵ月後に発売とかですけれども、今回は発表と同時に購入できるので、ぜひ購入していただければと思います。

――PC版の発売に向けてプロモーションを行う予定はありますか?
水口 gamescomには参加します。会場ではスピーチをしたり、現地のメディアさんの対応をする予定です。あと、じつはDaydream版も作っています。まだ期日が確定していないのですが、早ければ年末ぐらいに配信できればいいなと。でも、その前に10月で『Rez Infinite』が発売1周年を迎えるので、10月~11月あたりにユーザーの皆さんと楽しめるイベントをやりたいなと思っています。先日、日本科学未来館のドームシアターで、ひとりがプレイしている様子を100人で見るというイベントを1日で7回開催しましたが、すべて満席になる盛況ぶりでした。ただ、同じことはやらないので、つぎはもっと高いスペックなど、実験的なチャレンジを持って、みんなにお声掛けしたいと思っています。

[関連記事]
巨大ドームシアターで『Rez Infinite』をプレイ! 水口哲也氏も登場した“VR to Dome 実験: Rez Infinite”リポート

水口 あと、『Rez』といえば、やはり音楽なので音楽的な新しい試みとして、何かやりたいと考えています。終わらないことが『Rez』のいいところなので、この先も必ず何かやっていきますので、期待していてください。

――今後の動きについては、水口さんのTwitter(@Mizuguchitter)エンハンス・ゲームズ公式Twitterアカウント(@enhance_games)を要チェックということですね。
水口 そうですね。先日、Facebookのアカウントもオープンしたので、そちらもチェックしていただければと思います。

――最後にファンの方にメッセージをお願いします。
東郷 今回はノンVR、Oculus Rift、HTC Viveと3つプレイスタイルに対応していて、さらに使用可能なコントローラもたくさんありますが、それぞれしっかり楽しめるように調整しました。メインモード、Area X、スコアアタックなど、さまざまなモードをいろいろなデバイスで感触を確かめながら、じっくり楽しんでいだければと思います。

水口 くり返しになりますが、やっと“究極の『Rez』”ができましたので、長く遊んでいただけると思います。そういう意味で、PC版の発売というのは、僕の中で大きな区切りになりました。多くの方に遊んでいただいて、長く愛される作品になってほしいと思います。PS4版をプレイした方でも、スコアアタックなど違う遊びかたもできますし、特典もたくさん付いていまうので、ぜひ楽しんでください。


■『Rez Infinite』商品情報
ジャンル:共感覚シューティングアドベンチャー
開発:Monstars Inc. and Resonair
パブリッシャー:Enhance Games
レーティング:CERO A

◆Steam
リリース日:2017年8月10日
価格:2999円
備考:
・4KデスクトップモードまたはVR
・PCゲームパッド
・Viveコントローラー
・Oculus Touch

◆Oculus Store
リリース日:2017年8月10日
価格:2999円
備考:
・4KデスクトップモードまたはVR
・PCゲームパッド
・Oculus Touch / Oculus Remote

■PC動作環境
・デスクトップモード必要動作環境
OS:Windows 7/8/10(64-bit)
プロセッサ:Intel i3-3220
メモリ:4GB RAM
グラフィックス:NVIDIA GTX 750
DirectX:Version 11
サウンドカード: DirectX 11 対応

・デスクトップモード推奨動作環境
OS:Windows 7/8/10(64-bit)
プロセッサ:Intel i5-4460 以上
メモリ:8GB RAM
グラフィックス:NVIDIA GTX 750ti 以上
DirectX:Version 11
サウンドカード: DirectX 11 以上

・VRモード必要動作環境
OS:Windows 7/8/10(64-bit)
プロセッサ:Intel i5-4590
メモリ:8GB RAM
グラフィックス:NVIDIA GTX 970
DirectX:Version 11
サウンドカード:DirectX 11 対応

・VRモード推奨動作環境
OS:Windows 7/8/10(64-bit)
プロセッサ:Intel i7-4770 以上
メモリ:8GB RAM
グラフィックス:NVIDIA GTX 1070 以上
DirectX: Version 11
サウンドカード:DirectX 11 対応

※VRでプレイいただくには、Intel i5-4590 CPU, 8GBRAM, and DirectX 11以上が必要です。