半球型のモニターで『Rez Infinite』をみんなで体験
2017年6月3日、日本科学未来館で“ナイトミュージアム vol 1. -未来館で「お地球見」-”のイベントが開催。そのイベントの目玉企画のひとつとして、PlayStation Awards 2016のVR特別賞をはじめ、The Game Awards 2016 Best VR Gameなど国内外の数々の賞を受賞した人気作『Rez Infinite』のプレイ映像を体験できる“VR to Dome 実験: Rez Infinite”が行われた。
“実験”と銘打ったこの企画は、日本科学未来館にある日本初の全天周・超高精細3D映像システム“Atmos”を採用したドームシアターを使って、シアター内の半球の大型モニターに実際に『Rez Infinite』をプレイしている映像を投影。通常ヘッドマウントディスプレイを装着してひとりで楽しむVRコンテンツを、約100名の観賞者といっしょに楽しむというモノ。
“VR to Dome 実験: Rez Infinite”は、1回30分、計7回の入れ替え制で行われたのだが、1回目の開催(17時半)の30分前には、観覧者受付のある6階部分から3階の階段まで行列ができていた。行列の先頭の人にお話を聞いたところ、16時15分には並んでいたとのこと。並んでいる人のなかには、ナイトミュージアムに来たついでに行列に加わった老夫婦の姿もあった。
VRコンテンツの新たな可能性
ドームシアターの中に入り、イベントが始まると、まずは司会を務める日本科学未来館の科学コミュニケーターの志水正敏氏が現れ、「直径15メートルのドームシアターと、360度の視野を持つヴァーチャルリアリティ(VR)コンテンツの融合を目指した初めての試み」と、今回の企画の説明を行った。
その後、特別ゲストとして本作のプロデューサー水口哲也氏が登場。 「いま注目されているVRですが、(ヘッドマウントディスプレイを)被って行うひとりのVR体験以外にも、いろんなVRの形があるのではないか」と、“実験”の趣旨を説明。「今後も日本科学未来館と、VRに関していろんな実験をくり返して行きたいと思っている」と、新たなイベント展開を予感させる発言もあった。

そして、事前応募の抽選で選ばれた(なんと倍率70倍!!)プレイヤーのエンドウさんが『Rez Infinite』の“Area X”をプレイ。その映像が半球形の大型モニターに映し出され、ほかの来場者といっしょに眺める形に。エンドウさんに与えられた時間は20分で、司会を務める志水氏に「20分でクリアーできるでしょうか?」と少しだけ煽られる形でゲームを始めたが、見事クリアーして、みんなであの感動のエンディングを見ることに成功した。VRヘッドセットでプレイするときとはまた違う、100人の観賞者といっしょに“Area X”の世界を同時に体験するという、得がたいひと時に来場者の多くは満足したようだ。
20分間のプレイ時間が終わると、プレイヤーのエンドウさんを伴う形で、再び水口氏が客席の前に登場。水口氏に感想を求められたエンドウさんは、「大画面でゲームをするのはゲーマーの夢だと思うので、このすごく贅沢な画面で、この芸術的なゲームがプレイできたことは、一生モノの思い出です」と語った。

最後に水口氏は、今回のイベント参加に対して客席に向かってお礼を述べるとともに、アンケートの協力と、感想をツイッターで“#ドームでVR”とハッシュタグを付けてツイートしてくださいとお願い。スタッフはVRコンテンツのさらなる可能性を探るべく、“明るさ”や“解像度”、“複数のプレイステーション4をつなぐ”など、つぎの実験内容を検討しており、来場者の意見も積極的に取り入れていくという。次回のイベント開催に期待が膨らんだところで、今回の実験は幕を閉じた。