ポノスのゲーマー社員第1号として採用されたガリレオこと岡本圭史さんのインタビューをお届けする。

●『ブレイブルー』のレジェンドが帰ってくる!

 スマートデバイス向けのオリジナルゲーム開発を核に事業を展開するポノスが取り組んでいる“ゲーマー社員”の採用制度。これは、平時はほかの社員と同様の業務を行いながら、eスポーツ大会への参加、さらにそのための練習を通常業務より優先して行えるというもので、ポノスがeスポーツ業界を盛り上げていくために実施している社員制度のひとつ。今回は、そんなゲーマー社員第1号として、ポノスへ入社した、ガリレオこと岡本圭史さんのインタビューをお届けする。

人気対戦格闘ゲーム『ブレイブルー』シリーズを中心にプレイするゲーマー。世界大会“EVO2014”で優勝しており、その当時のどぐら選手との一戦は世界中の格闘ゲームファンの心を打った。

――ポノスのゲーマー社員として採用された経緯を聞かせてください。

ガリレオさん(以下、ガリレオ) たまたま木成さん(※)に誘われて、2017年の2月に秋葉原の"e-sports SQUARE"で開催されたポノスのオフラインイベントへ足を運んだのがきっかけでした。その時はまだ弊社とは関係ないただの一般人だったんですけど、そこでプロゲーマー志望者を社員として雇う“ゲーマー社員”の発表があったんです。単純に、ゲーマーを社員として採用するメリットがどこにあるのかが気になって、現在の上司にあたる人に「何でこういったことをやるんですか?」と、素朴な質問をしたんです。その時に「ただゲームが好きで、この業界を盛り上げたい」という風に答えをいただいたんですが、「こんな人がいるんだ」と、思いました。新しいものに挑戦する姿勢と、ゲームが好きだっていう気持ちがすごく伝わってきたんです。

――それまで勤めていた会社を辞めるというのは、一大決心だったのではないでしょうか?

ガリレオ そうですね。もともと僕は、京都にある大手のフィルムメーカーに8年間勤めていて、そこにいれば平坦で安定した人生を送れる保障があったんです。けど、そうではなくて、僕の中でいちばん大切なゲームの道を目指したい。そのために、環境の整っている関東に行ってみたいという考えが漠然とあり、転職先を探しているところでもあったので、「絶対ここに行きたい」と決意しました。さまざまな偶然や思いが一致して、巡り合わせのようなものでしたね。

※木成 諒:ポノスの広報。かつては『ブレイブルー』シリーズを中心に活動していた格闘ゲーマー。

――ガリレオさんと言えばEVO2014の『ブレイブルー』で壮絶な決勝戦を制したプレイヤーとして記憶に残っていますが、その後はどんなゲームをプレイしていたのでしょうか?

ガリレオ 『リーグオブレジェンズ』(以下、『LOL』)にハマっていました。仕事が定時で終わると、午後6時くらいに帰れたんですけど、そこから夜の3時までやっていましたね。翌日が7時起きだったので、限界ギリギリまで(笑)。すごく難しくて、強くなるのに時間がかかるゲームだから、大した実力ではなかったんですけど、とてもおもしろくて、みんなにススメたいタイトルのひとつです。

――ガリレオさんは、ハマっちゃうとひとつだけガーっとちゃってしまうタイプなんですね(笑)。それではつぎの質問で、ゲーマー社員とはいったいどういうものなのでしょうか?

ガリレオ アスリート選手が所属する実業団のようなイメージでやらせていただいています。社員として業務を覚えつつ、試合のためにゲームを練習する時間もある、両方の道を歩ませてもらっている、という感じですね。

――社会人野球の選手などと同じイメージですね。もし、ガリレオさんが本当に勝てなかったらどうなるのでしょうか?

ガリレオ 万が一ゲーマーとして勝てなくても、いち社員としてゲーマーの経験を活かせるようなセカンドキャリアを歩んでいくことになっています。

――なるほど。では実際に会社ではどんな業務を担当していて、ゲームはどのくらいプレイしているのでしょうか?

ガリレオ 会社ではゲームの開発チームに所属していて、プランナーとしてコアユーザーの視点からゲームの調整やデバッグを担当しています。ただ、僕はゲーム業界未経験ですので、いちから教えてもらっている段階です。

――勤務時間はどのようになっているのでしょうか?

ガリレオ 一般の社員と同じく10時には出社して業務をこなしています。いまはEVO(※)が控えている時期なので、14時ころには業務を切り上げてゲームの練習に集中する、というような自由もいただいています。ゲームセンターに行って対戦することもありますし、直接的なゲームの練習ではありませんが、体力づくりとして、ジムでの運動なども仕事の一環としてやらせてもらっています。

※ラスベガスで行われる世界最大の格闘ゲーム大会

――本当にゲームの練習も業務としてこなしているんですね。

ガリレオ いまはEVO直前なので、かなり自由にやらせていただいております。逆に、「勝てるようになるのに必要な時間を教えてくれ」と言われている状況ですね。

――ちなみに、昼に帰宅してゲームセンターに行くじゃないですか。本当に『ブレイブルー』に集中してプレイしているのでしょうか? ほかの誘惑に負けることは……?(笑)。

ガリレオ いまのところは大丈夫です。いまはSNSが発達しているので、ほかのゲームをプレイしていたらすぐにバレちゃいますから(笑)。一応、ゲームの休憩時間は好きなことをしていていいと言われてはいるんですけどね。

――やっぱり疲れますよね。

ガリレオ これは僕の持論なんですけど、人生でもっともしょうもないことは「疲れてゲームができないこと」だと思っているんですよ。ゲームをプレイできる時間があるのに、体力的にできないのはもったいないですし、集中力を持続させる意味でも体力は必要だなと。だから、プロゲーマーの業務と割り切って、業務時間内にランニングもさせてもらっています。

――ガリレオさんは以前から、ランニングなどの体力づくりを重要視されていましたよね?

ガリレオ ゲームの大会だと朝8時くらいに受付をして、勝ち進むと最後の試合が夜7時なんてこともあるじゃないですか。ふつうだったら、疲れて集中が途切れちゃったりするんですよ。そんな状況で差が出るとしたら、プレイヤーの肉体なんじゃないかと。大会で強いプレイヤーというのは、つねに100パーセントの実力を出せるプレイヤーだと思っていますし、自分としても、負けた原因がいつも通りに動けなかったから、というのが嫌なので、メンタル面からも大会でのコンディションを意識してトレーニングしています。ひとつの試合に勝つだけではなくて、大会で勝つための努力が必要なんじゃないかと思っています。

――ガリレオさんは大会に強いイメージがありましたが、それは鍛えられたメンタルがあるからこそなんですね。

ガリレオ 大会で100%の力を出せる努力も大切だと思うので、そのために少しでもふだんから改善していこうと。大会はどうしても勝ちたいですからね(笑)。

――海外大会は本当に長いですし、時差ボケもありますから、余計に体力が必要になりそうですね。

ガリレオ そういった体力はつけておきたいですね。前回出場したEVOでは、幸いなことに時差ボケはあまりなかったんですけど、あれから4年経って30歳近いので今回はあるかもしれませんが(笑)。