不思議シリーズ第3弾は『リディー&スールのアトリエ ~不思議な絵画の錬金術士~』
2017年6月7日、コーエーテクモゲームスが、『アトリエ』20周年発表会を開催。ガストブランドを代表するRPG『アトリエ』シリーズの最新情報を発表した。
最初に登壇したのは、コーエーテクモゲームス 代表取締役社長 兼 ガストブランド ブランド長 鯉沼久史氏。鯉沼氏は、『アトリエ』シリーズはガストの象徴とも言える作品であると語り、これからも『アトリエ』というIPの価値の拡大を目指していくと抱負を述べた。
続いて、ガストブランド 副ブランド長の菊地啓介氏と、『アトリエ』シリーズ ゼネラルプロデューサー 井上忠信氏が登壇。シリーズのこれまでの歩みを振り返った。
1997年5月23日に『マリーのアトリエ ~ザールブルグの錬金術士~』が発売されてから20年。そこから“ザールブルグ”シリーズが始まり、舞台を変えて“グラムナート”シリーズ、RPG色を強めた“イリス”シリーズ、学園を舞台にした“マナケミア”シリーズと続いていく。
その後、岸田メル氏をキャラクターデザインに起用した“アーランド”シリーズが、ひとつのターニングポイントに。それに続き、滅びへと向かう世界を舞台とする“黄昏”シリーズ、Wイラストレーターによるキャラクターデザインが話題を呼んだ“不思議”シリーズが生まれていった。
ここで相坂さんが、「不思議シリーズはここで終わってしまうのでしょうか!?」と質問。そう、それこそ『アトリエ』ファンが気になっている疑問……!
これに応え、菊地氏はひとつの作品を発表した。その名も、『リディー&スールのアトリエ ~不思議な絵画の錬金術士~』。不思議シリーズ3作目であり、『アトリエ』シリーズ20周年記念作品となるゲームだ。
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同作の発表に合わせ、今回もキャラクターデザインを務めるイラストレーターのNOCO氏、ゆーげん氏が登場。ふたりのキャラクターのシルエットが並んだビジュアルを公開した。
今回はW主人公で、どうやら、ふたりの女の子であるようだ。左にいるキャラクターをゆーげん氏、右にいるキャラクターをNOCO氏がデザインしたという。『アトリエ』の主人公というと、杖を持っている印象が強いが、NOCO氏によると、右のキャラクターが持っているのは杖ではない模様……? キャラクターの全貌が明かされるのを、楽しみに待ちたい。
『アトリエ オンライン』は今冬配信予定!
シリーズ最新作の公開に沸く会場だが、発表はこれで終わりではない! つぎに、NHN PlayArtのプロデューサー、池田康隆氏が登壇し、今冬サービス予定のスマートフォン(iOS/Android)用ゲーム『アトリエ オンライン ~ブレセイルの錬金術士~』を発表。ティザームービーを公開した。
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企画・開発を手掛けるのは、コーエーテクモゲームス ガストブランド、NHN PlayArt、ナウプロダクション。メインイラストを描くのはtanu氏。音楽は、『ゼノブレイド』などで知られるACE(工藤ともり、CHiCO)が手掛ける。
会場にはACEのふたりも駆けつけ、『アトリエオンライン』に対する意気込みを語った。工藤さんは、細部までこだわった曲作りを心がけている、とコメント。CHiCOさんは“リアリティー”がキーワードであると語り、その世界をいかにリアルに感じられるかにこだわりながら作っているという。また、20年のシリーズの重みを受け止めつつ、これまでとはちょっと違うテイストになるように意識しているそうだ。はたして、どんな楽曲が収録されるのか!?
イラストレーター4人によるクロストーク
続いては、“アーランド”シリーズでキャラクターデザインを担当した岸田メル氏と、“黄昏”シリーズでキャラクターデザインを担当した左氏、そしてNOCO氏、ゆーげん氏によるイラストレータートーク。お題に沿って、『アトリエ』に対する思いや開発時のエピソードなどを語った。
■皆さんにとっての『アトリエ』とは?
岸田氏は、最初にデザインのオファーが来たのは2008年のことだったと振り返り、そろそろ10年にもなるそうで、『アトリエ』はもはや実家のような存在だと述べた。左氏は、高校生のころに『マリーのアトリエ』をプレイし、“何かをかけ合わせてアイテムを生む”という、既存のゲームではサブ要素として扱われることが多かったシステムを中核に据えた内容が印象深かった、と当時の思い出を披露。
ゆーげん氏は、「岸田氏と左氏、そして『アトリエ』シリーズは、絵描きには憧れの存在だった」とコメント。NOCO氏も、イラストの仕事をしようと考え始めたころに展開されていたのがアーランドシリーズだったそうで、やはり憧れの存在として見ていたのだとか。
■『アトリエ』シリーズ制作秘話
制作中のエピソードについて聞かれた岸田氏は、『ロロナ』は無我夢中で、『トトリ』で慣れてきて、『メルル』ではネタ切れになって苦しかった、と告白。左氏も、前の作品と同じデザインでやるわけにはいかない……と、手詰まりになっていく辛さがあったそうだ。
また左氏は、『アトリエ』シリーズを経て、キャラクターデザインについて理論立てて考えられるようになったそうで、学生向けにデザインの講義をする際は、『アトリエ』での経験を活かして教えているとのこと。
NOCO氏は、デザインする前に岸田氏や左氏の絵を見て勉強したものの、「『ソフィーのアトリエ』のコンセプトは“原点回帰”です」、「野暮ったい田舎の女の子です」と言われ、事前に勉強したことと方向性が違い、かなり苦労したという。
ゆーげん氏は、NOCO氏のデザインが原点回帰であるなら、自身のデザインはそのスパイスになるように……と、あえて違うテイストでデザインしたと語る。プラフタをデザインする際はプレッシャーは感じなかったが、『フィリスのアトリエ』で主人公フィリスをデザインしたときは、『アトリエ』らしさを出さなくては……と責任を感じたとか。
ちなみにゆーげん氏とNOCO氏は、この3年、ときにはケンカもしつつ、いっしょに取り組んできたことで、なんだか塗りかたや描きかたが似てきたと感じるという。これを聞いて左氏も、岸田氏のデザインに引っ張られている自覚があったというエピソードを明かした。
そしてここで、イラストレーターの皆さんから、『アトリエ』ファンにプレゼントが! その品とは、描き下ろしのサイン色紙。『アトリエ』20周年特設サイトでキーワード第1弾を入力することで応募可能だ。そのキーワードは、発表会の映像のアーカイブを見て確認してほしい。
・『アトリエ』20周年発表会 視聴ページ
https://www.gamecity.ne.jp/atelier20th/live.html
『アトリエ』コラボ&キャンペーン情報
イラストレーター陣のトーク後、再び菊地氏と井上氏が登場。『アトリエ』20周年に関する、下記の施策を紹介した。詳細は関連記事にてチェックを。
・『大航海時代 Online』コラボ決定
・『デッド オア アライブ 5』にて『ガスト』コラボ水着コスチュームが6月13日(火)に配信
・『アトリエ クエストボード』豪華キャンペーン実施中
・『アトリエ』20周年記念グッズ展開中
・ガスト美少女祭りコラボ特別衣装を公開
・『ファンタシースターオンライン2』コラボ決定
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・『アトリエ』20周年を記念したコラボ企画が続々進行中! その一部を紹介
・『アトリエ』20周年スペシャルライブや20周年記念グッズ情報をおさらい
また、ガスト美少女祭りTシャツも、抽選でファンにプレゼントされることに。こちらも、『アトリエ』20周年特設サイトでキーワード(アーカイブ映像でチェック)を入力することで応募可能だ。
最後に、菊地氏と井上氏が、改めてファンへの感謝を述べ、発表会は終了した。今回発表された新作については、続報にて詳細が明かされていくはず。ファミ通.comでも、新情報を随時お届けしていくので、楽しみにしていてほしい。
なお、週刊ファミ通2017年6月8日号(2017年5月25日発売)では、『アトリエ』20周年を祝い、20ページにわたる特集を掲載している。付録として、『マリーのアトリエ ~ザールブルグの錬金術士~』のイラストをあしらった、“週刊ファミ通特典アトリエ20周年テーマ”がダウンロードできるコードもついている。まだ読んでいないという人は、ぜひバックナンバーや電子書籍版をお買い求めください!
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