担当記者が時間を忘れて遊んだ注目インディーゲーム5選【A 5th of BitSummit】

“A 5th of BitSummit”に出展されていたゲームの中から、担当記者注目のタイトルを紹介する短期集中連載記事の4回目は、担当記者(40代男性)が実際にプレイして「いいなぁ」としみじみ思った珠玉の5タイトルを紹介。

●しみじみ「いいなぁ」という5選

 2017年5月20日、21日に京都勧業館 みやこめっせにてインディーゲームの一大祭典“A 5th of BitSummit”が開催。日本国内外の優れたインディーゲームが一挙集まった空間の居心地を満喫するだけでも十分元が取れるイベントではあるが、会場内を二日間歩き回った担当記者は、編集部から与えられたミッションをこなすかたわら、“自分のためのお気に入りゲーム”の匂いを嗅ぎとり、実際にプレイしてみることにも余念がなかった。いかにも、自身の名刺の肩書きに“ゲーム戦士”と表記し、それを見た相手の反応によってコミュニケーションの方向性を判断している40代男性らしい抜け目のなさだ。
 というわけで今回は、そんな担当記者がノンポリにセレクトしたタイトルを紹介する。“これもまたBitSummitというイベントの懐の深さ”といった心持ちで、ご照覧あれ。

▲ゲームプレイはスペリオールなひととき、ということで、一度コントローラーを握り、自分の中で何らかの“納得ポイント”が見つかるまでは延々とプレイし続ける担当記者(40代男性)。初見プレイの対応力だけはまあまああるので、他の参加者の皆様にはあまりご迷惑をかけていない……と思います。

■RiverBond/Cococucumber

▼ゆる~いムードで楽しめるボコスカ・アドベンチャー
 ボクセル(立方体)で構成されたカラフルなグラフィックが印象的な、ローカル4人同時プレイ対応の3Dアクションゲーム。ゲーム自体は、キーアイテムを探したり、巨大ボスを倒すなどしてステージを突破していくシンプル構成だが、倒した敵や破壊した地形物がボクセル単位でバラバラになるさまが、何とも爽快。加えて、あらゆる地形物を持ち上げて投げ飛ばしたり、積み上げて足場にしたりといったサンドボックス的要素もあり、気心知れた友人とラフに遊ぶとおおいに盛り上がりそうな印象だった。
 アーケードモードには150ものステージが用意されるとのこと。キャンペーンモードも用意されているので、末長く遊べそうだ。プレイステーション4版、Steam版は2017年、Xbox One版は2018年にリリース予定。

▲Cococucumberは、ゲームデザイナー兼プログラマーのMartin氏(右写真・左)とグラフィックデザイナーのVanessa氏(右写真・右)のふたりでオリジナルゲームを制作している、カナダのデベロッパー。『RiverBond』は1年半の歳月をかけて開発中とのこと。

※Cococucumber公式サイト※海外サイト

■29/Humble Grove

▼ノスタルジックなムードでナラティブ体験
 大学を卒業して間もない男女の日常を中心とした物語が展開するポイント&クリックアドベンチャーゲーム『No Longer Home』。その第1章にあたる『29』の体験バージョンが、プレイアブル出展されていた。具体的には、彼らが友人たちと遊んでいるアドベンチャーゲーム(ゲーム内ゲーム)をプレイヤー視点で体験できるというもの。舞台演劇のセットのように切り替わっていくグラフィックや、ありもしない記憶の断片をくすぐられるような、ノスタルジックなムードを満喫できた。グラフィックの質感が、止め絵で見た感じ、1980年代のPCアドベンチャーゲームっぽいところも、おっさんゲーマー的にはぐっとくるポイントだった(おそらく開発者は意図していないと思うが)。
 本作はSteamのGreenlightが通ったばかりだそうで、そう遠くない未来にはSteamとitch.ioで正式版をリリースしたいとのこと。

▲ブースにいたHumble GroveのリードアーティストHana Lee氏(右写真)によれば、本作のストーリーは、彼女とイギリス在住のリード・ライターTom Davison氏が実際に経験したことが全面的に反映されているという。ゲームに登場する場所のひとつひとつにも実在するモデルがあるそうで、言うなれば、彼女たちの“リアル”が詰まっているのだ。

※humblegrove公式サイト※海外サイト

■Nemo&DO/GGHF studio

▼ノリ重視でも考えすぎでも進めない、絶妙なパズルアクション
 コンテナなど特定の地形物を押せるロボ“Nemo”と、所持している弾薬の数だけ攻撃できるロボ“DO”を操作し、画面上部にあるゴールを目指す、ステージクリアー型のパズルアクションゲーム。それぞれが移動できるフィールドは画面中央で分割されていて、一方のフィールドのスイッチを押して、もう一方のフィールドのゲートを開く……といった協力型のギミックが多数用意されている。ひとりのプレイヤーが2体のロボを同時に操作するシングルプレイモードのほかに、最大4人同時プレイが可能な対戦モードが用意されている。
 孤高のゲーム戦士である担当記者は、ブースではシングルプレイモードを選択。“+キーを入力した方向に同時に動く2体のキャラの制御”というゲーム性自体は別段目新しいものではなく、直感的な操作を阻害する要素が大きいという意味での“邪道さ”が気になったが、いざ本作を遊んでみると、印象が180度変化。進路を切り開く手順を考えるパズル要素と、回避中心のアクション操作のバランスのあまりの絶妙さに、つい20ステージ近くぶっ続けでプレイしてしまった。SteamのGreenlight通過は伊達じゃなかった、というわけだ。Steam版は2017年秋にリリース予定。

▲本作は、釜山(韓国)で開催されるインディーゲーム展示会“Busan Indie Connect Festival(BICFest)”のアピール・ブース内の、出展タイトルのひとつ。

※GGHF studio公式サイト※海外サイト

■Megacopter:Blades of the Goddes/Pizza Bear Games

▼ヘリのユラユラした操作感が懐かしいタクティカルシューティング
 韓国とアメリカに拠点を置くPizza BearGamesが開発中の、クオータービュー(斜め見下ろし視点)の3Dシューティング。低空飛行する戦闘ヘリを操作し、ターゲット破壊や敵部隊のせん滅、施設護衛といったミッションをこなしていく。ミュータントで溢れかえる荒廃したアメリカ合州国を舞台に展開する、ワイルドかつバイオレンス、それでいてどことなくコミカルな物語も楽しめる。
 ブースにいた韓国在住のアメリカ人グラフィックデザイナー・Gabriel Miller氏に、「この作品からは、私が当時夢中でプレイしたメガドライブ用ゲーム『Desert Strike』(湾岸戦争をモチーフにした、エレクトロニック・アーツ社販売のゲーム)に通じるゲーム性を感じます(※意訳)」と伝えたところ、しばらく考えた後に「でも、こっちのほうが断然ハデだぜ!(※意訳)」との答えが返ってきた。『Desert Strike』やその続編『Jungle Strike』、国内未発売の『Urban Strike』が好きだったオールドゲーマーは、大いに期待しよう。

▲1990年前後のPCゲームの感触に近いビジュアルが、おっさんゲーマーにもやさしい。ゲームプレイは豪快一辺倒と思いきや、ミッションによっては飛行ルートの選択や物資補給のタイミングが重要になったりと、思いのほか知的に楽しめる。2017年内にWindows版をリリースするとのことだが、日本語ローカライズに関しては残念ながら未定。

※Facebook内『Megacopter』ページ

■Dusty Raging Fist/PD Design Studio

▼“ケモナー”注目の豪快大味アクション
 ハードボイルドなウサギ“ダスティー”とその仲間たちの活躍を体験できる、横スクロール格闘アクションゲーム。2014年リリースの『Dusty Revenge』の続編にあたる本作では、最大3人による協力プレイを楽しめる。
 敵キャラの体力がやたら高い上に一度にドカドカ出てくるため、ゲームプレイは大味になりがち。支援攻撃発動を含め計8個のボタン使う操作体系も慣れるまでに時間がかかりそうだが、それ以上に、美しく描き込まれたアニメ調のグラフィックと、迫力ある戦闘アニメーションは魅力的。ブース展示用に用意されたアーケード筐体風コントロールパネルでの操作感覚は、なかなかに燃えるものがあった。
 今年8月にはSteam版とNintendo Switch版がリリース予定(日本語ローカライズも対応)。時期未定ながら、プレイステーション4版のリリースも予定されているとのこと。

▲シンガポールの独立系デベロッパーが、5人のスタッフで開発しているという『Dusty Raging Fist』。協力プレイはローカル環境のみだが、Nintendo Switch向きとも言える。

※PD Design Studio公式サイト※海外サイト

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