世界的人気RPG内のミニゲームがスタンドアロン化

 CD PROJEKT REDがサービス予定の『グウェント ウィッチャーカードゲーム』は、オンライン対戦ベースのプレイステーション4、Xbox One、PC用デジタルカードゲーム。広大なオープンワールドで重厚なストーリーが楽しめるアクションRPG『ウィッチャー3 ワイルドハント』内のミニゲーム“グウェント”が独立したタイトルとなっている。簡単ながらも奥が深いゲーム性に、本編の進行そっちのけで対戦に没頭した記憶のあるプレイヤーも少なくないだろう。

 そんな魔力を秘めたミニゲームのスタンドアロン化ということで、国内外を問わず注目されている本作。誰でも参加できるベータテスト(パブリックベータ)が全世界を対象に近日開始予定だが、今回は、海外で実施中のクローズドβテストを日本語版でプレイさせてもらったので、気になるゲーム内容とインプレッションをお届けしていこう。

※本記事は開発中のバージョンに基いて作成しています。ゲームリリース後にカードの詳細やゲームルールなどが変わる可能性があります。

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『グウェント ウィッチャーカードゲーム』日本語版インプレッション――熱く楽しく“カードゲーム力”を鍛える!_01

2ラウンド先取のシンプルな数くらべ

 本作では、自身で構築したオリジナルのカードデッキを使って対戦を行う。対戦開始時にデッキから10枚の手札を引いたら、あとはパスを宣言するまで対戦相手と交互にカードを1枚ずつ場に出し合うことでゲームが進行していく。カードには“戦力”となる数値が記されており、両者がパスした時点で場の総戦力が上回ったプレイヤーがラウンドに勝利する。これを最大3ラウンド行い、先に2ラウンドを先取すれば勝者となる。数あるカードゲームのなかでもとりわけシンプルなルールで、同ジャンルに不慣れなプレイヤーでもすんなり対戦になじめるだろう。なお、初回プレイ時にはチュートリアルが挿入され、CPUとの実戦でルールを学ぶことが可能だ。

 もちろん、カードは戦力のほかにもユニークな特殊能力を備えており、特殊能力の妙で総戦力差を逆転、特殊能力どうしのコンボで戦況を一変、といったダイナミックな展開が味わえる。また、カードは“近接”、“間接”、“攻城”の3カテゴリーに分かれており、プレイ時には対応する場の列へと配置される。特殊能力には特定の列の戦力を増減させる効果が存在するため、ただ戦力の高いカードを出すだけでは能力が活かせないこともあるのだ。これに特殊能力の影響を受けない“ゴールドカード”や、試合中に1度だけ使える“リーダーカード”も加わり、対戦はシンプルながらも駆け引きが熱い、エキサイティングなものとなっている。

『グウェント ウィッチャーカードゲーム』日本語版インプレッション――熱く楽しく“カードゲーム力”を鍛える!_02
『グウェント ウィッチャーカードゲーム』日本語版インプレッション――熱く楽しく“カードゲーム力”を鍛える!_04

カードゲームの基本戦略がダイレクトに伝わる

 その駆け引きをさらに濃密にしているのが、“ラウンドを通して手札が保持される”というルールだ。手札は2ラウンド開始時に2枚、3ラウンド開始時に1枚だけデッキから補充されるものの、基本は1ラウンドで配られる10枚をベースに3ラウンドの戦略を立てる必要がある。また、戦力差をカードの枚数で無理やり逆転しようとすれば、次ラウンド以降に相手より手札が少なくなり、さらに動きにくい状況が生まれてしまう。つまり、いかに手札を温存しながら、相手に手札を消耗させるかが、ゲームの勝敗を決する大きなファクターとなるのだ。

 こうなると、初期手札の偏りによる戦略のブレが気になるところだが、1ラウンド開始前に最大3枚の手札をデッキのカードと交換できる“マリガン”も可能。3ラウンドにわたるプレイの計画や、相手のデッキタイプを踏まえた万全の10枚を整えられるというわけだ。手札の優位性や初期手札の戦略は、ほかの多くのカードゲームでも通じる基本だが、本作ではより影響がダイレクトでとりわけわかりやすい。1対戦5分程度という手軽さも相まって、カードゲームの入門や、カードゲーマーの鍛錬にうってつけなタイトルと言えるだろう。

『グウェント ウィッチャーカードゲーム』日本語版インプレッション――熱く楽しく“カードゲーム力”を鍛える!_08

デジタルカードゲームの機能はバッチリ充実

 ルールの紹介が終わったところで、つぎはシステム周りを解説していく。本作のメインとなる“マルチプレイモード”には、勝敗を気にせず戦える“カジュアルマッチ”から、トーナメント志向のプレイヤーがぶつかり合う“ランクマッチ”、プライベートな対戦が楽しめる“フレンドマッチ”が用意されている(プレイステーション4版では今後対応予定とのこと)。また、“シングルプレイモード”ではCPUとの対戦や、“チャレンジ”と呼ばれるモードでさまざまなCPUのデッキと対戦が可能。本作のチュートリアルを兼ねたモードとなっている。従来のデジタルカードゲームにあったモードはひと通り揃っており、さまざまなプレイスタイルに柔軟に対応できる。

 “カードモード”では自分のオリジナルデッキを複数構築、編集することが可能。デッキ構築はまず、“スケリッジ”、“北方諸国”、“モンスター”、“スコイア=テル”、“ニルフガード”の5勢力からひとつを選び、対応するリーダーカードを1枚決定する。リーダーカードは勢力ごとに3種類あり、それぞれ能力が異なる。勢力とリーダーが決まったら、つぎは勢力に対応するカードか、どの勢力にも存在するニュートラルのカードを25~40枚の範囲で組み込めばデッキが完成。ちなみに、カードはゴールド、シルバー、ブロンズの順でレアリティが分かれており、ゴールドは4枚、シルバーは6枚までの制限がある。

 現在、300枚程度のカードが登場しているが、勢力によるカードの制限やリーダーの能力によって、デッキの方向性や必要なカードが見通しやすい。最初から用意されているスターターデッキも参考にすれば、序盤でも迷うことなくサクサクデッキを構築できるだろう。

 なお、ゲーム開始時は構築できるカードが限られるが、ゲーム内で“タル”を開封することでカードが追加されていく。タル1個はカード5枚入りで、そのうち1枚は3枚の選択肢からレアカードを選んで入手可能。タルはリアルマネーで購入するほか、マルチプレイでラウンド勝利を重ねることで得られる“鉱石”と交換もできる。さらに、所持カードを確認できる“コレクションモード”では、不要なカードを粉砕して得たポイントを用いて任意のカードを生成する機能もある。こちらもデジタルカードゲームではおなじみのシステムだが、クローズドβテストの時点で搭載されているのは非常にありがたい。コツコツプレイしてひとつの勢力をじっくり極めるもよし、ガッツリ投資して実用デッキを素早く整えるもよしと、自分なりのデッキ構築が楽しめるはずだ。

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日本語音声ローカライズも実現

 シンプルながらもカードゲームの真髄が味わえる本作。マッチングもかなりスピーディーで、通信ラグなどの大きな障害もなく、終始快適にプレイできた。また、日本語音声フルローカライズに対応。カードの効果が判別しやすくなるほか、プレイヤーの裾野も広がってさらに充実した対戦環境が実現するハズだ。基本プレイ無料(アイテム課金制)なので、興味を引かれたかたはプレイしてみてはいかがだろうか?

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グウェント ウィッチャーカードゲーム
メーカー CD PROJEKT RED
対応機種 PS4プレイステーション4 / XOneXbox One / PCWindows
発売日 近日配信予定
価格 基本プレイ無料(アイテム課金制)
ジャンル カードゲーム
備考 ダウンロード専売