ベセスダ・ソフトワークスの『Prey』の最新デモを海外イベントで体験。プレイ動画とともにその模様をお伝えする。

●新エリアでエイリアン系の特殊能力を試してきた

  日本でもベセスダ・ソフトワークスからプレイステーション4/Xbox One/PCで5月18日に発売予定の、一人称視点サバイバルホラーアドベンチャー『Prey』。本国アメリカでは5月5日に迫った発売を前に、国内を巡回した体験イベントが開催されている。
 というわけでこのたび、サンフランシスコで行われたイベントに参加してきたので、20分超のPC版プレイ動画とともに、新たなプレイ要素などをご紹介しよう。なお本誌では前回、オープニング部分のプレイの様子もリポートしているので、未見の人はそちらと合わせてチェックして頂けると幸いだ。

 今回プレイできたのは、“サイコトロニクス”と呼ばれるエリア。本作の舞台となる宇宙ステーション“タロス・ワン”は、それ自体が“ティフォン”と総称されるエイリアンの研究都市のようなものなのだが、サイコトロニクスはその中でも、ティフォンが持つ一種の超能力などを研究する部署だ。

▲サイコトロニクスの中枢では、新たなティフォン“ウィーバー(Weaver)”が、まさに繭を編んだ(Weave)かのような異様な光景が広がっていた。

 本誌で以前紹介したオープニング部分とのプレイ上の最大の違いは、ここで“サイコスコープ”というガジェットを入手できること。サイコスコープはいつでも着脱が可能で、道中でティフォンなどと遭遇した際に被ってスキャンし、研究を進めていくと、やがてティフォン由来の特殊能力をアンロックし、習得できるようになる。

 サイコスコープで発見した能力を自分にインストールするかしないかはプレイヤー次第で、インストールしすぎるとタレットなどにティフォン認定されて攻撃されるようになるというデメリットもある。
 そしてこれは単に戦闘だけでなく、探索にも影響する。特定の能力やガジェットなどがないと行けない場所なども存在するので、ここからはプレイスタイルによって攻略ルートなどが結構変わってくるのだ。今回はせっかくなので、ティフォン能力インストールしまくり&探索しまくりというスタイルで遊んでみた。

●探索・特殊能力/ガジェット・戦闘の有機的な繋がり

 まず習得したのが、マップ内のさまざまなものに擬態するティフォンである“ミミック”の能力。これを使うと、何かのアイテムのフリをしてやり過ごしたり、あるいは狭い場所を通れる小物などに擬態して、人間サイズでは行けない場所へすり抜けることができる。当然、そういう場所には補給アイテムが置いてあったり、そこを通ることで強力な敵を迂回できることもあるので、うまく行った時はホクホク(そして小物に変身して動く様子自体がシュールで楽しい)。

 攻撃系では、中型で高速移動するティフォン“ファントム”を研究することで習得できる、“キネティックブラスト”が強力。半径数メートルの電磁爆発を引き起こすという技なのだが、能力の発動時にまず時間が静止し、自分が動いた時だけ時も動くという状態で狙いをつけられるので、突然出てきた複数のミミックが散らばる前に一気に巻き込んだり、あるいは強力なティフォンに対して、可燃物などを巻き込むような形で放てば、戦闘を確実に有利に進められる。

 一方、探索ルート開拓では、接着剤をドバドバ放つグルーキャノンを壁に沿って斜めに吹き付け、階段が崩落した場所に即席のスロープを作るということもできた。また「グルーキャノンでティフォンを固めてからショットガンやキネティックブラスト」といったコンボも有効だ。戦闘に補助的に役立つアイテムは他にもあり、投げた場所にティフォンを誘引するという直接的な装備もあれば、非殺傷性のおもちゃのボウガンを床や敵にあてて振り向かせ、有利な地形におびき寄せるという技もできる。

 本作ではサバイバルのための探索や戦闘が有機的に繋がっていて、能力やガジェットを使って探索エリアを広げると、それだけ敵とも遭遇しやすくなる。となると弾や各種回復アイテム(体力回復と、能力使用に消費するPsiパワーの回復アイテムがある)をそれだけ消費するわけだが、探索でそれらのアイテムそのものやその素材を回収できたり、さらに別の部屋のキーカードや解錠番号を入手できたりするので、結果オーライになることも多い。

 もちろん、最短ルートを突き進むのもスタイルのひとつだし、ティフォン系の能力を一切入れない人間度維持プレイ(ハッキングでの探索や、武器強化、およびタレットの修理などを交えた火力補助が重要)も可能だが、個人的には初回プレイはほどほどに能力を入れつつ、気が向くままに探索してみるのをオススメしたい。

▲実は2階部分があったり、グルーで塞がれている所を壊すと進めたり、いろいろとルートが隠されている。もちろん、進んだ先で敵と遭遇することもあるが……。

●前科山盛りの誘拐犯は決死の人体実験に値するか?

 とまぁ、サイコトロニクスエリアのプレイは、「入場に必要なサイコスコープ入手→敵と遭遇しつつ施設内を自分なりのルートで進行→奥にある通路“G.U.T.S.”を目指す」という基本的な流れが共通するだけで、プレイスタイルによってどこを通るか・何を得るかが結構違ってくるのだが、ストーリー的にも選択を求められる部分がある。

 このエリアでは、ティフォンの大発生によって全体が壊滅状態に陥る直前、どうも犯罪者を使った人体実験が進行していたようで、主人公モーガンがそれにケリをつけなくてはいけない場面が登場する。生存者のひとり“アーロン”は、そんな実験台になりかけていた人物のひとりだ。選択肢はふたつ。実験を継続して成果を得るか、または救える人間は救うか。

▲「おい、確かにいろいろ悪いこともやったけど、これはないだろ?」と訴えかけるアーロン。

 記者は普段個人的に遊ぶゲームではできるだけ善人プレイを心掛けるタチだが、今回はコンピューターに残されていたアーロンの罪状(誘拐など前科多数)と、「せっかくの体験会だし……」という理由で、科学のための犠牲となってもらうことに決定。
 結果的にティフォン研究を進めることもできたし、レア素材もゲットという上々の収穫を得た……のだが、後ろでプレイを見ていた開発メンバーから「悩んでたからやらないと思ってたけど、やっちゃいましたねぇ」とニヤニヤされる始末。ちなみに解放を選ぶと終盤まで生き残るキャラのひとりなんだとか。
 「多くを救うためにひとりを殺すべきか」といった倫理的な選択を問う質問はオープニングでも提示されており、どうやら「自分は誰なのか?」というSF的なアイデンティティ不安と並び、『Prey』のストーリー面でのサブテーマのひとつになっているようだ……。