Nintendo Switch、ニンテンドー3DS、スマートデバイスの振り返りと展望

 2017年4月28日、任天堂の2017年3月期 決算説明会のプレゼンテーション資料が公開された。資料には、Nintendo Switch、ニンテンドー3DS、スマートデバイスのビジネスの振り返りと、2018年3月期の展望が記載されている。発表されたおもな内容を、まとめて紹介しよう。
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Nintendo Switchは2018年3月期に1000万台の出荷を計画

 Nintendo Switchについては、先日発表されていた通り、決算短信にも書かれていた通り、全世界で2017年3月末までに274万台を出荷。アメリカ市場では90万台以上を販売し、任天堂ハードの発売月の販売数としては、過去最高の記録を達成した。今後については、「初動の勢いをつないでいけるよう、生産設備を増強し、年末商戦期に向け供給状況の改善に努めていきます」(社長説明資料より)とのことで、2018年3月期に1000万台の出荷を計画している。つまり、2018年3月末までに累計で約1270万台を出荷することになる。

 ソフトについては、Nintendo Switchを購入した人のうち、9割近くのユーザーが『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』を購入しているという(決算短信によると、全世界での販売本数は276万本。Wii U版を含めると合計384万本の販売を記録)。また、『1-2-Switch』は、まもなく出荷本数が100万本を超えるとのこと。加えて、配信タイトルである『いっしょにチョキッと スニッパーズ』のダウンロード数が35万本を超えたことや、KONAMIの『スーパーボンバーマン R』について、任天堂からの出荷数が50万本を超えていることも明かされた。

 今期は、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の追加コンテンツの有料配信(夏と冬の2回に分けて実施)や、対戦プレイで盛り上がる『マリオカート8 デラックス』(4月28日発売)、『ARMS』(6月16日発売予定)、『スプラトゥーン2』(7月21日発売予定)の発売を予定。また、ソフトメーカーのタイトルも間を空けることなく発売予定で、その中にはインディー系開発者のタイトルも多数含まれるとのこと。

ニンテンドー3DS市場では、ハードの普及台数を活かしたビジネスに取り組む

 ニンテンドー3DSに関しては、『ポケモンGO』が大きな話題となったことを背景に、『ポケットモンスター サン・ムーン』が販売本数を伸ばした。社長説明資料には「ハード・ソフトともに販売が加速し、再びビジネスに勢いが生まれました」、「有力タイトルの発売によりハードの普及を活かした大きなビジネスができることを確認できました。プラットフォームのライフサイクルという観点からも、前期は勢いを取り戻し、まだまだビジネスを継続できる段階にあると考えています」と記されている。

 今後については、ニンテンドー3DSとNintendo Switchは、価格帯や遊びかたの違いがあるので競合するとは考えておらず、棲み分けを行ってビジネスを並走させていくという。その取り組みのひとつが、7月13日に発売予定であることが明かされたNewニンテンドー2DS LL。画面が2D表示であることを除けば、Newニンテンドー3DS LLとほぼ同じ機能を持っているとのこと。
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スマートデバイスビジネスは年に2~3タイトル程度リリースしていく

 2017年3月期は、スマートデバイスビジネスの取り組みを本格化させた、最初の年となった。『Super Mario Run(スーパーマリオラン)』は、2016年12月のiOS版の配信に加え、2017年3月にAndroid版の配信を開始。まもなく、iOS版とAndroid版を合わせて1億5000万ダウンロードに到達する見通しで、「無料で長く遊び続けているお客様がいらっしゃる一方で、徐々にではありますが、購入者数も増えています」とのこと。

 2017年2月に配信された『ファイアーエムブレム ヒーローズ』については、迅速なアップデートやイベント実施など、サービス運営に注力。ランダム型アイテム提供方式に関しては、「お客様との信頼関係を大切にし、納得感のある形でお支払いいただけるよう心がけています」とのことで、結果的に満足のいく売上水準に到達しているという。

 今後は、これまでに配信したアプリについては継続してサービスを運営していきつつ、新規のスマートデバイス向けアプリを、年に2~3タイトル程度継続的にリリースしていく計画。具体的なプランの発表はなく、今期配信予定となっている『どうぶつの森』アプリに関しても言及されていない。

E3 2017で大規模な記者発表会は行う予定はナシ

 君島達己代表取締役社長は、最後に、2017年6月にアメリカ・ロサンゼルスで行われるゲームの見本市“E3”について言及。機関投資家やアナリスト、マスコミに向けた大規模な記者発表会は、今年も行わないことが明言された。どのような活動を行うかについては、後日、米国任天堂から発表するとのこと。