Nintendo Switchの出荷は想定以上

 本日2017年4月27日、任天堂が平成29年3月期(2016年4月1日~2017年3月31日)の決算短信を発表した。売上高は4890億円(うち、海外売上高3590億円、海外売上高比率73.4%)、営業利益は293億円となった。
 また、株式会社ポケモンなどに係る持分法による投資利益202億円を計上したことにより、経常利益は503億円に、さらにメジャーリーグ球団シアトルマリナーズの運営会社の持分の一部を売却したことによる投資有価証券売却益645億円を特別利益として計上したため、親会社株主に帰属する当期純利益は1025億円となった。

 当期の経営成績の概況として、3月3日に発売したNintendo Switch(以下、ニンテンドースイッチ)が好調な滑り出しを見せ、ワールドワイドでの販売台数は274万台を記録。ソフトでは、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』が276万本(※Wii U版を含めると384万本)を販売するなど、合計546万本となった。
 ニンテンドー3DSでは、『ポケットモンスター サン・ムーン』が世界中で話題を呼び、1544万本の大ヒット。また、スマートフォン用アプリ『ポケモンGO』配信後は、『ポケモン』シリーズの旧作が売り上げを伸ばす現象が見られた。ほかには、『スーパーマリオメーカー for ニンテンドー3DS』が234万本、『星のカービィ ロボボプラネット』も136万本と順調に販売本数を伸ばすなど、ソフトの販売本数は5508万本(前年同期比14%増)、ハードは727万台(同7%増)となった。
 一方、Wii Uは『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』が健闘したものの、ソフトは1480万本(同46%減)、ハードは76万台(同77%減)となった。

 スマートデバイスビジネスでは、『スーパーマリオ ラン』を2016年12月にiOS版を、2017年3月にAndroid版を配信したほか、2017年2月に配信した『ファイアーエムブレム ヒーローズ』も大きな反響があった。そのほか、“ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ”(日本版名称)は好調だったが、amiiboは新作ソフトの展開により、販売状況に回復の兆しを見せたものの、フィギュア型が約910万体、カード型が約930万枚の販売にとどまり、ダウンロード売上も、追加コンテンツによる売上が少なかったため、いずれも前年同期と比べて大きく減少した。

 今後の見通しについては、ニンテンドースイッチでは、4月に『マリオカート8 デラックス』、6月に『ARMS』、さらに7月に『スプラトゥーン2』の発売を予定。サードパーティーからも有力なタイトルの発売が予定されているなど、バラエティに富んだ魅力あるタイトルを継続的に投入することで、ニンテンドースイッチの好調な勢いを維持し、今年の年末商戦に向けてプラットフォームの活性化と販売拡大を目指す。全世界での累計販売台数を6600万台を突破し、ソフトの売上が期待できるニンテンドー3DSでは、『ファイアーエムブレム Echoes(エコーズ) もうひとりの英雄王』や『Hey!ピクミン』などに加え、サードパーティからも大型タイトルの発売が予定されており、引き続き、プラットフォームの勢いを維持し、幅広い層への訴求を図る。また、スマートデバイスビジネスでも、配信されたタイトルの運営や新たなアプリの投入により、さらなる拡大を目指すとしている。
 それらの取り組みより、次期の業績については、売上高7500億円、営業利益650億円、経常利益600億円、親会社株主に帰属する当期純利益450億円を見込む。