Java版にどんどん近づく『Minecraft: Pocket Edition』

 2017年4月25日に、日本マイクロソフト本社にて、『Forza』シリーズと『Minecraft: Pocket Edition』(以下、『Minecraft: PE』)のプレゼンテーションが行われた。ここでは、『Minecraft: PE』のプレゼンテーションで判明した最新情報をお届けしよう。なお、『Forza』シリーズのプレゼンテーション記事は、こちらを参照してほしい。

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▲パートナープログラムを担当している、トッド・スティーブンス氏。「『Minecraft』にとって、日本は世界で三番目に大きい市場です」。

 本プレゼンは、チーム『Minecraft』パートナープログラムの、トッド・スティーブンス氏が担当。『Minecraft: PE』のさまざまな最新情報を語ってくれた。

 さて、『Minecraft』はさまざまなプラットフォームにて配信されているが、そのうち『Minecraft: PE』および『Minecraft: Windows 10 Edition』で使用されている最新の“The Bedrock Engine”を紹介。効率的でさまざまなハードウェアに対応しており、今後はプラットフォームごとの差異がなくなり、アップデートなどが統一化されていくそうだ。

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▲“The Bedrock Engine”の特徴。

 今後のアップデートで追加される新要素も紹介された。水に落とすと固まるコンクリートパウダーや、模様付きのブロック“テラコッタ”(Terracotta)、水を凍らせてその上を歩けるブーツ(のエンチャント)、色つきのベッド、村人とのトレードで手に入るトレジャーマップ、森にある巨大な館のダンジョン、中にアイテムを入れたまま持ち運べるシュルカーボックス、新たな動物のラマ、といった新要素が紹介された。これらのほとんどはJava版(いわゆるPC版)や家庭用ゲーム機版で実装されているもので、それが『Minecraft: PE』にも登場するということだ。

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▲今後のアップデートで追加される要素が多数紹介された。

 また昨年E3で発表されたアドオン(ADD-ONS)も紹介。これは、世界の見た目やモンスターの行動などをカスタマイズできる機能で、例としてゾンビをカスタマイズした動画が紹介された。

 たとえばゾンビにクモの要素を取り入れると、穴から這い上がってくるようになり、イカの要素を入れれば、水中を泳ぐゾンビになる。「おもしろいゲームを作るためだけではなく、プレイヤーやクリエイターに、新しい試みを試してほしいから、こういった機能を追加しました」とトッド氏。

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▲モンスターをカスタマイズできる、アドオンの紹介。ゾンビに乗って操作することもできるんだとか。

 また「『Minecraft』は初期から3Dを意識してきた」と語るトッド氏は、3Dエディターを紹介。ゲーム中で編集し、エクスポートすることもできる。そのファイルを利用して、なんと3Dプリンターで作成することも可能だとか。

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▲ゲーム上で操作できる3Dエディター。ファイル出力にも対応しているそうだ。

 新たなDLCとアドベンチャーモードも紹介された。Greek Mythology(ギリシャ神話)とMagic: The Gathering(マジック:ザ・ギャザリング)のパックが登場予定で、「『Minecraft』のユーザーと『Magic』のユーザーは重複する」とトッド氏。

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▲Greek MythologyとMagic: The GatheringのDLC。
▲プレイヤーができることを設定したゲームを作成できる、アドベンチャーモードも紹介された。

ユーザー作成のコンテンツが売買可能に!

 続いて、“Minecraft Marketplace”についてもアナウンスされた。これはユーザー作成のコンテンツを販売できるストアで、仮想通貨を用いてアドベンチャーマップやスキンなどを購入できるというもの。家庭用ゲーム機版では、これまでマッシュアップパックやテクスチャパックなど、さまざまなDLCが販売されてきたが、ユーザー作成のコンテンツも、同様に販売、購入できるようになる。『Minecraft: PE』および『Minecraft: Windows 10 Edition』にて、春に実施される1.1 Discovery Update後に実装される予定だそうだ。

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▲Minecraft Marketplace画面の例。

 この機能を作成した意図は、Java版のようにMODでゲームを拡張することに加え、「ユーザーがコンテンツを作成して見てもらうだけではなく、成功してビジネスを作ってもらいたい」とトッド氏。「健全なビジネスができていけば、もっと多くのコンテンツが作ってもらえるようになる」とのことだ。

 “Minecraft Marketplace”はXbox Liveを通じてリリース、および購入を行うスタイルとなる。そのため、とても安全に取引できるとのこと。販売するには、専用のプラットフォームからポートフォリオを送り、そこからビジネス登録を行う、という流れ。このようなシステムになっているのは、「税金上の問題が発生するため」とのことだ。

 「日本人のパートナーも、ぜひ呼び込みたい」と語るトッド氏。「『Minecraft』にとって、日本は重要な地域。日本向けのコンテンツを作成したいし、ローカライズも行っていきたい」と、日本人のMOD開発者向けに参加を呼びかけた。

 なお、今回はローンチパートナーのひとつである、“NOXCREW”のおふたりも来日。“DESTRUCTBOT5000”というアドベンチャーマップを、デモプレイで紹介してくれた。そのほかのローンチパートナーと合わせて紹介しよう。

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▲光線銃やロボットが登場するアドベンチャーマップの“DESTRUCTBOT5000”。
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▲Sphax制作のテクスチャパック。
▲Blockception制作のアドベンチャーマップ。
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▲Eneija Silverleaf制作のスキン。
▲Imagiverse制作のアドベンチャーマップ。
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▲Polymaps制作のテクスチャパック。
▲Qwertyuiopthepie制作のアドベンチャーマップ。
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▲Razzleberry Fox制作のスキン。

 さまざまな追加要素が明らかになり、さらに進化を続ける『Minecraft』。今回は『Minecraft: PE』についてのアナウンスだけだったが、5月12日には『Minecraft: Nintendo Switch Edition』のダウンロード版が発売予定で、『Minecraft』ワールドの拡大はまだまだ続くことだろう。

 本題からちょっと外れるが、最後にオマケ情報を。質疑応答にて『Minecraft: Nintendo Switch Edition』のマップの広さを質問したところ、「Wii U版(864×864)とXbox One版(5120×5120)の、中間ぐらいになる予定」と情報をいただけた。購入予定の方は、参考にしていただきたい。

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▲プレゼンを担当した、左からマイクロソフト パートナー・プログラム・マインクラフト ディレクターのトッド・スティーブン氏、マイクロソフト グローバル・コミュニケーション・マインクラフトのオーベリー・ノリス氏、Noxcrew レッドストーン アドミニストレーターのジョー・アルスノー氏、Noxcrew創業者のステファン・パニック氏。