ベセスダ・ソフトワークスより2017年5月18日発売予定のアクション・アドベンチャー、『Prey(プレイ)』。その序盤を実際にプレイしてきたので、インプレッションをお届けする。これは、文字通りの“傑作”となるタイトルだ!

●日本国内解禁が迫る『Prey(プレイ)』の序盤をプレイ

 ベセスダ・ソフトワークスからプレイステーション4/Xbox One/PCで2017年5月18日に発売予定の『Prey(プレイ)』。海外での発売も迫る本作だが、ついに序盤をプレイできたので、そのインプレッションをお届けしよう。結論から先に言ってしまうと、これは近年のベセスダ・ソフトワークス作品の中でも、ベスト級の傑作だと断言する。
 『Prey』のゲームジャンルを端的に表現すると、一人称視点の“SFサバイバルホラーアクションアドベンチャー”としか言いようがない。一人称視点はわかるとして、ほかの要素はただジャンルを並べただけに見えるかもしれないが、これがどれも外せない。ということで、それぞれの要素をひとつずつ解説していく。

▲主人公のモーガン・ユウは男女から選択可能。なぜ目を気にしているのかは、後に明らかとなる。
▲これは実際にその目で確かめてほしいのだが、本作のオープニングも近年でも稀なカッコよさ。

●これぞハードSF! 心くすぐられる硬派な設定

 まずは、SF要素について。本作の舞台となるのは、宇宙ステーションの“タロスI(ワン)”。時代設定は、ジョン・F・ケネディ大統領が暗殺されなかったことで宇宙開発が進む世界。ジョン・F・ケネディと言えば、「1960年代に人類を月面に送り込む」と演説し、アポロ計画を推進したアメリカの大統領。しかし、1963年にケネディが暗殺され、莫大な開発費とベトナム戦争の拡大によって、アポロ計画は終焉を迎えた……これが史実だ。『Prey』の世界では、未知の生体と能力を持つエイリアンの発見によって、冷戦の枠を超えて米ソがエイリアン研究を進めている。その拠点となる宇宙ステーションが、タロスIだ。
 さて、物語は2032年3月15日月曜日、主人公のモーガン・ユウが自室で目覚めるところから始まる。兄のアレックスに呼ばれてトランスター(TRANSTAR)社の研究施設へ向かったモーガンは、あるテストに参加していたところ、謎の現象に襲われて、気を失う。ふたたび目覚めたのは、2032年3月15日。いままでのことは夢なのか? プレイヤーは狐につままれた気分で同じように準備をして、部屋を出る。しかし、プレイヤー=モーガンを迎えたのは、荒廃したタロスIだった。

▲何ということもない穏やかな目覚めから始まるのだが……。
▲モーガンの兄であるアレックス・ユウ。物語の重要なカギを握る人物となる。

 いったい、何が起きたのか? 状況を把握できないまま、さまようモーガンに突然襲いかかる謎のエイリアン、“ティフォン”。モーガンは“ジャニュアリー”と名乗る謎の男に、通信回線を通して導かれるうちに、その記憶を断片的に取り戻していく。
 まさに、ハードSF。フィリップ・K・ディックを思わせるような、揺らぐアイデンティティを題材に取り入れたSF。最近、ここまでSF色を打ち出したゲームはなかったのでは? そのSF感に拍車をかけているのが、随所に見られるきめ細やかなデザインだ。『ディスオナード』シリーズでスチームパンクとゴシックを融合して唯一無二の世界観を表現したArkane Studiosが手掛けているだけに、ノスタルジックでアール・デコを想起させながらも、最先端の技術を取り入れた近未来感溢れる『Prey』の意匠は、見たことのない世界を生み出すことに成功している。“物質を持つ影”のようなティフォンのデザインも、不安定でスリリングな世界の構築にひと役買っている。

▲シンプルだがゴージャスなデザインは必見。先を急がずに周囲を見渡してみるといい。
▲どこか輪郭が定まらず、変容するティフォンのデザインも秀逸。
▲さっきまではにこやかに話していたはずの人物が死体と化している。この状況で頼りになるのは謎の人物“ジャニュアリー”だけだが……。彼も何者なのか?
▲多くは語らないが、この瞬間からモーガンを取り巻いていた世界は音を立てて崩れていく。その衝撃の展開は、ぜひその手で!

●つねに死を意識した探索、これぞサバイバルホラー

では、サバイバルホラーの要素について述べていこう。ジャニュアリーのガイドで、明確な目標は提示されるものの、そこに行きつくまでのルートや方法はプレイヤー任せとなる。タロスIの内部は小さなオープンワールドとなっており、研究室や格納庫といった宇宙ステーションらしい場所はもちろん、ラウンジやフィットネスジムなどもある乗員区画、植物園といったさまざまなシチュエーションが揃っており、その構造はかなり多層的で複雑だ。そんな、生きている者は自分以外いないような静謐に包まれた空間を、いつ現れるかわからないティフォンを警戒しながら探索する。
 椅子などに擬態していて、近くを通りかかった瞬間に襲いかかってくる“ミミック”というティフォンがおり、周囲に敵がいないと思っても安心はできない。生前の記憶の断片なのか、不可解な言葉を発しながら徘徊する人型の“ファントム”に見つかったら、その強烈な戦闘能力には確実に苦しめられる(とにかく強い)。BGMは極力排されており、ステーション内に流れるアナウンスや環境音の中に、ファントムのつぶやきが聞こえてきたときの緊張感たるや。
 さらに、プレイヤーはティフォンに対抗する術を、自分で探し出していかなければならない。序盤にひと通りの武器を入手できるが、闇雲に使っていれば当然、弾丸は不足する。もっとも原始的な武器となるレンチは、使用回数に制限こそないものの、何度も振っているとスタミナが切れてしまう。ミミックも集団で襲われればダメージは相当なもので、スタミナ切れでもうろうとしているときに囲われたら、一巻の終わりだ。時間をおけば体力は一定値まで回復するが、それ以上は回復アイテムを入手する必要がある。
回復アイテムがある部屋を見つけたが、部屋の中をファントムが徘徊している。こちらの体力はギリギリだ。ステルス状態でファントムの目から逃れながら回復アイテムを取って、ダッシュで逃げる。こんなゲームを“サバイバルホラー”と言わずして、何というのか。

▲椅子に擬態していたミミックが突然襲い掛かる。けっこう驚かされるので要注意。ということで、ヘッドフォン推奨。緊張感が跳ね上がるので。
▲画面の右にいる影が、ファントム。その呟きが聞こえてきたら、まずはステルス状態で位置を確認すべき。
▲どこに有用なアイテムが落ちているのか、わからない。無駄な物ばないので、死体だろうが見つけたら必ずチェックを。
▲各所に配置された端末をチェックすることで、徐々に明らかとなる秘密もある。面倒くさがらず、逐一チェックすることをオススメしよう。