野性味あふれる躍動感! 偃月刀を豪快に振るう
先日、ゲームオンが提供するPC用MMORPG『TERA :The Exiled Realm of Arborea』(以下、TERA)において、4月12日に新クラス“ムーングレイバー”が実装されることが発表された。
ムーングレイバーはキャスタニックの女性専用。遠距離から豪快な広範囲攻撃をくり出す“ヘビーガンナー”に続き、キャスタニック女性用の新クラスはふたつ目となる。ヘビーガンナーは遠距離から射撃武器で戦うクラスだったが、ムーングレイバーは長大な“グレイブ(偃月刀)”を振るい、敵に肉薄して戦う近接クラスである。
また、4月12日のムーングレイバー実装と同時に、キャスタニック女性のキャラクターメイキングにも新要素が追加される。髪型、顔のメイク、そしてエクストラボイスと、それぞれにふたつずつ新項目が登場。エクストラボイスの担当は、実力派声優の甲斐田裕子さんだ。
敵や自分に“月光痕”を宿し、遠近自在に暴れ回る!
続いてムーングレイバーを実際にプレイした感触をお伝えしていく。クラスの特性としては、防御力が標準ほどのアタッカータイプということで、敵と真正面から戦うよりは、タンカーが引き受けた敵を背後から攻撃するのが立ち回りの基本となる。武器のリーチが長く攻撃範囲が広いため、多数の敵を相手取るのも得意な印象だ。
ムーングレイバー最大の特徴としては、特定のスキル攻撃を敵に当てたとき、または小型の敵にクリティカルが発生したとき(中型以上の敵には無効)に、攻撃した敵に光り輝く“月光痕”が付与されることが挙げられる。
この月光痕は最大7つまで蓄積され、付与した敵が倒れると、一度ムーングレイバー自身に付与される。その状態で別の敵を攻撃すると、その敵に蓄積されていた月光痕が移って付与される。
この月光痕をどう活用するかが、ムーングレイバーの真骨頂。一部のスキルは月光痕の数で威力が変動し、さらには月光痕を付与されている(敵あるいは自分)を中心に発動するスキルなどもあり、おもしろい立ち回りが可能となっている。
ヘビーガンナーと同じくクリティカルに関する性能が全般的に高く、広範囲の敵に対してド派手な攻撃を連打するだけでもかなり爽快。それに加えて、月光痕を活用した巧みな戦術が決まると、じつに気持ちいい。
以下、この月光痕も密接に関わる各種スキルについても、実際に使ってみた感触とともに紹介していく。
■エクステンドスラッシュ
派生専用技:オーバースラッシュ&グレイブバースト
敵を斬り上げる、連続攻撃の主軸となるスキル。通常攻撃の4撃目をはじめ、多くのスキルにこのスキルのクールタイムをリセットする効果があるため、頻繁にくり出せる。月光痕を付与するスキルの中でも、いちばん使いやすいスキルだ。
このスキルの派生専用となる、叩きつけを行なうオーバースラッシュ、飛び上がってから急降下して爆発を起こし、ダウンを奪えるグレイブバーストのふたつのスキルを絡めれば、他スキルとともに延々と連携を続けることも可能だ。月光痕の付与能力もあるので、使いこなせばあっというまに7つまで溜めることができる。
■スピニングリッパー&スプリットダンス&フリンチストライク
全周囲をなぎ払ううえに、発生も速く隙がほとんどない範囲攻撃スキル3種。スピニングリッパーはエクステンドスラッシュのクールタイムリセット効果を持つ連携用、スプリットダンスは敵を引き寄せつつダウンを奪う集敵用(月光痕付与あり)、フリンチストライクは敵集団を気絶させる緊急時用と、役割が分かれている。
ムーングレイバーには隙もある攻撃が多く、至近距離まで敵に近寄られた際には困りがちだが、これらのスキルで十分に対処できる。
■ピアーズスパイク&ディスターブジャンプ
ピアーズスパイクは正面に向かって連続突きを行なうスキル。発生時と攻撃中に隙はあるが、気絶効果や月光痕付与効果もある。
ディスターブジャンプは月光痕の付与効果を持つ突進攻撃。こちらも隙があり、敵に触れるとその場で移動が止まるため、離脱用には使いにくい。
こうした大振りで威力や効果が高めのスキルを使うタイミングをいかに確保するか。プレイヤーの腕の見せどころだ。
■エアストライク
3連撃まで可能な、かなり出が早いスキル。出がかりを敵の攻撃で潰されることがほとんどなく、小さく前方に跳躍しながら放つため、見た目以上に前方へのリーチが長い。近~中距離で非常に使いやすく、3撃目にはダウン効果に加え、エクステンドスラッシュのクールタイムリセットと、月光痕付与の効果もある。
■ブレードカーネイジ
衝撃波を正面に放つ遠距離攻撃用スキル。射程距離が30mを上回るうえ、射線上の敵を貫通する。さらに、ヒットした敵に月光痕を付与する特性を持つ。月光痕を活用するスキルをテクニカルに使うための鍵となる技だ。
■月鳴り&月光陣
月光痕を使用するスキルの中でも基本となるスキル。月鳴りは敵に刻まれた月光痕を爆破(自分に付与されている場合は周辺を攻撃)し、周囲の敵を巻き込む範囲攻撃。さらにMP回復効果を持ち、月光痕が7つ溜まるたびにクールタイムがリセットされるため、連携に組み込みやすく、かなりのMPを回収できる。
月光陣は、デフォルトでは自分、月光痕が刻まれた対象がいる場合はその対象を中心に、敵を吸い寄せて気絶させる。ブレードカーネイジで遠くの敵に月光痕を付与するなど、工夫次第でさまざまな形の集敵が可能だ。
■月薙ぎ
対象に攻撃を行なうと同時に、月光痕を爆発させるスキル。さらに月光痕が7つ付与されている状態では、強力な派生攻撃を出すことができ、しかも派生攻撃で月光痕がふたつ付与される。
連携中、月光痕が7つ溜まったタイミングでぜひ使いたい高火力スキルだ。7つ付与するごとに月鳴りなどの別スキルと適宜使い分けると、より戦いかたの幅が広がる。
■月光招
即座に自身に月光痕をひとつ付与できるスキル。一連のコンボなどで月光痕が溜まりきらなかった場合の補助として役立つほか、敵から自分に月光痕を移せるので、月光痕の付与対象をコントロールしたいときに有用。
■エヴァシブロール&回り込み&守護光玉
回避と防御に使用するスキル3種。右クリックで出せる回避行動のエヴァシヴロールは、タイミングよく攻撃をかわすことで“完全回避”となり、10秒間クリティカル発生率が100%になる“標的補足”のバフを生み出す。
回り込みは、対象にした敵の背後へ瞬間移動し攻撃するスキル。移動中は無敵、なおかつ月光痕が付与された敵に攻撃が当たるとエクステンドスラッシュのクールタイムがリセットされる。反撃の起点としても役立つスキルだ。
守護光玉は、3回まで受けるダメージを70%減少し、ダウン、硬直、ノックバック状態を無効化するスキル。敵の大技の直前や、攻撃を妨害されたくない場面での、保険として使うことが多くなりそうだ。
■朱月
一定時間、攻撃力、攻撃速度、攻撃範囲を大幅に強化する自己バフスキル。さらに使用した瞬間、クールタイムが60秒未満のスキルはすべてクールタイムがリセットされ、さらに効果時間中はそれらのスキルのクールタイムが60%減少し、普段はできない連携も可能になる。
非常に強力なスキルなのだが、使用するためには特殊な“ルナティックゲージ”を100%にしなくてはならない。一見管理が難しそうだが、スキル連携をしっかりと組んで連続攻撃を決めていけば、意外と早く溜められる印象だった。このスキルの恩恵をより早く、より頻繁に受けられるかどうかが、上級者への登竜門になりそうだ。
■満月
ムーングレイバー最大の大技ともいうべきスキル。自分を中心に、広範囲に月の力を宿した陣を展開し、範囲内の敵にはダメージを、自分と味方には“満月の饗宴”バフを与える。もう一度スキルを放つと陣を消滅させつつ、強力な攻撃を放つ。
“満月の饗宴”は、スキル威力20%アップという一見地味な効果。しかしこの陣は効果時間の約7秒間の間、約1秒ごとにこのバフを最大5回まで重複してかけてくれる。つまり、範囲内の自身を含む味方全員のスキル威力が最大で+100%、約2倍の威力にまで強化されるのだ。
さらに、朱月の効果時間中だとバフが“朱月の饗宴”に強化され、スキル威力を30%アップ(5回重複で150%アップ)する。
クールタイムが6分と非常に長いものの、味方全員のスキルダメージを最大150%強化する効果は、文句なしに破格の性能。パーティープレイでは大型の敵に対する切り札となることは間違いない。
ソロプレイ時も、陣を消しつつ放つ2撃目の攻撃がかなり高威力で、5回バフが重なったところで放てば非常に強力な攻撃スキルとして使える。
ワイルドなキャスタニックの魅力が存分に味わえる!
以上のように、テクニカルな側面もあるが、基本的には攻撃に集中できるクラスであるムーングレイバー。高いクリティカル発生率もあって、スキルを順番に回すだけで強力な攻撃を連発できる。
豪快かつアクロバティックな動きで、派手なエフェクトを伴うクリティカルダメージを連発できるのが、想像以上に気持ちよかった。かなり爽快なため、ついつい連続攻撃の組み立てにのめり込みすぎ、うっかり反撃を食らうことも多かったくらいだ。
キャスタニックならではの野性味あふれる力強さを味わえるのも、ムーングレイバーの魅力。非常に躍動感があるクラスなので、ほかのクラスでは味わえないアクションが楽しめること請け合いだ。
キャスタニック女性は日本の『TERA』プレイヤーの間でも、上位に食い込む人気種族。この機会にぜひ、ムーングレイバーでその豪快な姐さん肌としての、あるいはそれぞれのプレイヤーごとに抱くキャスタニックの魅力を、再確認してみていただきたい。