オリジナルサウンドトラック『NieR:Automata Original Soundtrack』の発売を記念して、東京・新宿にあるタワーレコード新宿店にて、コンポーザー・岡部啓一氏、作曲家・帆足圭吾氏、ディレクター・ヨコオタロウ氏、プロデューサー・齊藤陽介氏によるトーク&サイン色紙お渡し会が開催。

●「5年振りくらいに岡部さんを褒めました」(ヨコオ氏)

 楽曲人気も高いスクウェア・エニックスから発売中のプレイステーション4用ソフト『NieR:Automata(ニーア オートマタ)』のオリジナルサウンドトラック『NieR:Automata Original Soundtrack』がついに発売された。それを記念して、同音楽CDの発売当日となる2017年2017年3月29日、東京・新宿にあるタワーレコード新宿店にて、コンポーザー・岡部啓一氏、作曲家・帆足圭吾氏、ディレクター・ヨコオタロウ氏、プロデューサー・齊藤陽介氏によるトーク&サイン色紙お渡し会が開催された。

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▲写真左からプロデューサー・齊藤陽介氏、コンポーザー・岡部啓一氏、同・帆足圭吾氏、ディレクター・ヨコオタロウ氏。

 前作『NieR Replicant/Gestalt』のサウンドトラックは、ソフト発売日の一日前(2010年4月21日)に発売。今回は、ソフト発売から約1ヵ月余り経ってからの発売となったが、これについて岡部氏は、「今回もできるだけ早く発売したかったんですが、『NieR:Automata』の楽曲は物量がスゴイ(CD3枚組)ので、少し時間をかけてまとめたい、というお願いをさせてもらいました」とその理由を述べ、「ようやく本日発売できて、とてもうれしいです」とホッとした面持ちで笑顔を見せると、来場者からは大きな拍手が。
 
ヨコオ ほら、こんなに温かい『NieR』ファンの皆さんに支えられているというのに、『ファイナルファンタジーXV』に浮気(※)して!

※3月28日に配信された『ファイナルファンタジーXV』のDLC“エピソード グラディオラス”のゲストコンポーザーとしてテーマソング『Shield of the King(王の盾)』、『ビッグブリッヂの死闘』のアレンジを岡部氏が担当。

岡部 『NieR』を踏み台にして、もうひとつ上の段階に上がれたと思ったんだけど(笑)、よくよく話を聞いてみると、あくまで『NieR』とのコラボという話で。なので『FFXV』で作業した曲は、あえて『NieR』っぽくしたり。つまり、ヨコオさんありきの『FFXV』(のエピソード グラディオラス編の楽曲)ですよ?

ヨコオ じゃあ、そういうことにしときましょう。

 いまやゲームはもちろん、アニメやドラマなどでも引っ張りだこ状態の岡部氏だが、前作のサウンドトラックは、初日に数百枚程度しか売れなかったとのこと。だが、今回は「初日からスゴく売れている」(齊藤氏)、「初日は前作の千倍売れたらしい。意味がわからない」(ヨコオ氏)といったコメントから、かなり好調な滑り出しとなったようだ。

 『NieR Replicant/Gestalt』は、一からファンを獲得しなければならない完全新規タイトルだったこともあり、サントラも発売するかどうかすら決まってない状態だったらしく、「(スクウェア・エニックスに)頼み込んで」(ヨコオ氏)発売に漕ぎ着けたという。そのサントラは、ロングランヒットとなり、それに比例するように『NieR』の音楽と岡部氏の評価はどんどん高まっていった。

ヨコオ 当時、『NieR』の音楽を頼んだときは、「ゲーム音楽はもうやりたくない」と言っていて、ぜんぜん乗り気じゃなかったのに、『NieR』の音楽で褒められた途端、手のひら返しですよ。

岡部 語弊がある(笑)。でも、ぶっちゃけ、ゲームの音楽は数を作る必要があるから、歳を取ってくると、その数をこなすのがたいへんなんです(笑)。もちろん、関わらせてもらいたいけど、ひとりでガッツリやるのはキツイ。やるなら若手といっしょにやっていきたいなと(前作も今作も帆足氏を筆頭に、岡部氏が代表取締役を務めるMONACAのスタッフが参加)。

ヨコオ 現代の奴隷制度ですね。

岡部 そんなことないですよ? ほら、帆足も。「そんなことない」って言ってやって。

帆足 そんなことないですよ(棒)。

 さらに、もう少し前作のサントラについて触れると、サントラ発売から約6年経って、『NieR』初のオフィシャルコンサート“NieR Music Concert & Talk Live 滅ビノ シロ 再生ノ クロ”が開催。このコンサートは、日本のファンに『NieR:Automata』をお披露目することも兼ねて企画された。前作の高い人気と『NieR:Automata』への期待から、チケットは即完売だった。

岡部 皆さん、集中して静かに聴いてくださって、念のようなものすら感じました(笑)。

帆足 舞台からお客さんひとりひとりの顔が見えて、緊張感がスゴかったですね。

 そんな“NieR Music Concert & Talk Live 滅ビノ シロ 再生ノ クロ”の模様を収録したBlu-rayも現在発売中だ。

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 続いて、話題は『NieR:Automata』の楽曲に。今作には、楽曲を岡部氏、歌詞をヨコオ氏が手掛けた『Weight of the World』も収録されているが、ヨコオ氏と岡部氏とのあいだでは、どんなやり取りで楽曲が作られているのか。

岡部 まず、ヨコオさんから「こんなイメージの曲が欲しい」と、既存曲が送られてくるんです。それをもとに、その曲のどんな要素が欲しいのか、というところを汲み取って、それを踏まえて曲を作っていきます。『Weight of the World』に関しては、昨年の“NieR Music Concert & Talk Live 滅ビノ シロ 再生ノ クロ”でお披露目したい、しかも、コンサートでいきなり知らない曲を演っても戸惑われるだけなので、コンサートの少し前に公式サイトで公開したい、という話だったので、スケジュール的にはたいへんでした。

ヨコオ 日本語歌詞の内容は、エンディングに少し絡む内容になっているので、ゲームをクリアーしたら、歌詞を改めて見ていただけるといいかと思います。

齊藤 音楽に関するエピソードとしては、岡部さんがNHKの仕事ばかりして、なかなか曲が出来上がってこなかったことくらいですかね? どうでしょう、ヨコオさん。

ヨコオ でも、齊藤さんとは、『NieR』とNHKを比べたら、NHKを取るよな、とは話してました。

齊藤 そうね(笑)。そこはしょうがない。待ちましょう、と。

ヨコオ そういえば、岡部さん、『Weight of the World / the End of YoRHa』の合唱の部分は、そのへんの開発スタッフで歌おうって言ったら、イヤな顔してたよね?

岡部 してないしてない(笑)。何なら前作『NieR』も、自分とかが歌ってるからね? 手近なところで済ませられるなら済まそうぜ、って精神はムチャクチャあるほうだから(笑)。

齊藤 できれば、皆さん(ユーザー)に歌ってもらいたかったな。

岡部 ああ、そうですね。

齊藤 収録もたいへんだったし(笑)。高い音で歌ってください、次は低い音でって。

岡部 ひとりひとりに何回も歌ってもらっているんですよね。「さっきとは違うキャラでいきましょうか」とか。

齊藤 ちょっと叫んでくださいってことも言われたよ(苦笑)。楽しかったけど。

ヨコオ 僕はイヤイヤやりました。

齊藤 でも、ゲームでコーラス部分まで進めた方は、曲を聴いて気持ちも高まったんじゃないですか?

岡部 そうですね。(参加者に向けて)あれ、よくなかったですか?

 参加者から拍手!

齊藤 あと、サントラの『Weight of the World / the End of YoRHa』は、ゲームとは違う聴こえかたになってると思います。それもぜひ楽しんでもらえたらと思います。

ヨコオ そうなんです。ゲームでは仕様の問題で、長く聴かせているんですが、サントラはそれより短く、コンパクトにまとめられていて。岡部さんの音楽は滅多に褒めないんですが、5年振りくらいに褒めました。

岡部 ほかにも褒めるところあるだろうと思うけど、編集を褒められるっていうね(笑)。でも、うれしい。

 最後に、今後の『NieR:Automata』の展開もアナウンス。齊藤プロデューサーによると、4月23日に大阪で1回、5月4日~5日に東京で4回の全5回行われる『NieR』のコンサート“人形達ノ記憶 NieR Music Concert”について、どの公演もチケットはすでに完売だが、コンサートに参加できないファンのために、前回のコンサートと同様、ニコニコ生放送での配信も予定しているとのこと。「ヨコオさんが書いている朗読劇も、ゲームを遊んだ後に聴くと楽しめる内容になっていると思いますので、楽しみにしていただきたいですね」(齊藤氏)。
 また、『NieR:Automata』の公式生放送をもう1回予定しているとのこと。さらに、東京・秋葉原のスクエニカフェで実施されていた『NieR』コラボカフェが非常に好評だったとのことで、第2弾を予定。こちらも詳細が決まり次第、アナウンスされる。

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 ちなみに、『NieR:Automata Original Soundtrack』のブックレットに記載されている、アルファベットや数字の羅列によるヨコオさんのコメントについては、「あれは16進数で書いています。ネットですでに解読している人がたくさんいるので、検索すると出てくると思いますが、内容については、ゲームの最後のほうに関わるネタバレが入っているので、ゲームをクリアーしてから解読して読んでください」(ヨコオ氏)

 イベントは、トークに引き続き、帆足氏がシンセで『遺サレタ場所』と『曖昧ナ希望』の2曲を生演奏。その後、参加者にはサイン色紙が手渡された。数日前に、参加券配布が終了し、当日も大盛況だった本イベント。タワーレコード新宿店では、『NieR』関連の展示も充実しているので、新宿駅を利用の際は、ぜひ立ち寄ってみることをお勧めします!

▲POPの文字量だけでも感じられるタワーレコード新宿店ニーア担当の溢れる『NieR』愛。ヨコオ作品に登場するキャラクターのように、その愛をこじらせないようにしてください!
▲手作りのブラックボックス。
▲『NieR』サウンドを生み出した岡部啓一氏、帆足圭吾氏、高橋邦幸氏のインタビューが掲載されたフリーペーパーも。