トロマ映画の創始者、ロイド・カウフマン御大も出演

 今月中旬にボストンで行われたゲームイベント“PAX EAST”で、Haemimont GamesのアクションRPG『Victor Vran』のDLC全部入り版『Victor Vran: Overkill Edition』を遊んできたのでご紹介しよう。

 なおパブリッシャーのWired Productionsによると、Overkill Editionとその同梱DLCは、日本語ローカライズつきでPS4/PC版が日本展開予定。海外では2017年配信を予定しており、PC版は海外と同発、PS4版は現在調整中であるものの、恐らく海外より遅れての発売になるだろうとのことだった(※PC版『Victor Vran』本編はPlayismのローカライズによりすでに配信中)。

 さてOverkill Editionには、本編とともにDLCの“Fractured Worlds”と“Motörhead: Through the Ages”が収録予定。今回は“Motörhead: Through the Ages”に焦点を当てて、その最高な内容をお伝えしたい。

 “Motörhead: Through the Ages”はその名の通り、英国のロックバンド“モーターヘッド”を全面的にフィーチャーした異色のDLC。バンドのリーダーにして永遠のロッケンローラーである、故レミー・キルミスターが、生前ひょんなことから残酷な独裁者に支配された異世界を発見していた……というストーリーが描かれる。
 いわく、レミーは世界を守るべく強大な力を持つSnaggletoothに対処を委ねようとしたものの、なぜかSnaggletoothは沈黙したままで反応せず。時の終わりのパブでバーテンとして暮らすロイド・カウフマンの呼び掛けにVictor Vranが応え、まずはSnaggletooth失脚の謎から取り掛かる、という登場人物が濃すぎるお話。むしろVictor Vranが一番キャラが薄いんじゃないかというレベルである。

 ちなみにロイド・カウフマンについて一応説明しておくと、ホラー映画「悪魔の毒々モンスター」シリーズなどで知られるトロマ・エンターテインメントの創設者にしてB級映画の帝王ロイド・カウフマンのことである(生前親しかったレミーは、ちょいちょいトロマ映画に出演していた)。

爆音プレイ推奨! 全編モーターヘッドが流れまくるアクションRPG『Victor Vran』異色DLCは、全部入り版とともに日本展開も予定【PAX EAST 2017】_02
▲時の終わりのパブに平然と勤務するロイド・カウフマン御大。

 脱線したので話を戻すと、ゲームにはギタリストのフィル・キャンベルをはじめメンバーも協力。すでに紹介したようなストーリー面でのフィーチャーはもちろんのこと、全編にわたって“Iron Fist”などモーターヘッドの曲が流れまくり、武器としてエレキギターも登場。コードをかき鳴らして攻撃魔法を放つような馬鹿スキルまで用意されており、テンガロンハットを被ったVictor Vranが、もはやレミーに見えてくる。

爆音プレイ推奨! 全編モーターヘッドが流れまくるアクションRPG『Victor Vran』異色DLCは、全部入り版とともに日本展開も予定【PAX EAST 2017】_01
▲スキルを放つ度に“ギュイーン”とコードを弾くSEも入る。バカで最高。

 ゲーム的には、ぶっちゃけ『ディアブロ』系と言ってしまった方がわかりやすい、割とオーソドックスな見下ろし型のアクションRPGなのだが、元のゲームがしっかりしているだけに、ちゃんと遊べてちゃんと楽しいのが好印象(洋ゲーと洋ロックバンドのコラボでは『Kiss: Psycho Circus』とかアイアンメイデンの『Ed Hunter』とか、いろいろアレなものがあったのだ)。
 高難度の敵はナメてかかると死ぬだけの手応えがあるし、当然のことながら、ヘッドホンをかけて爆音でモーターヘッド曲にノりながら遊ぶとめちゃ楽しい。ゲームはローカルの2人協力プレイと、オンラインの4人プレイにも対応。せっかく日本語化されるということだし、ピンと来た人は日本語版発売の暁にぜひチェックしてみてほしい。