ゴリラ、モリ、カエル。ジャマスルニンゲン、ユルサナイ……!!

 先週サンフランシスコで行われたGDCと、現在ボストンで開催中のゲームイベント“PAX EAST 2017”のDevolver Digitalブースで、Gabe Cuzzillo氏によるアクションゲーム『Ape Out』を遊んできたのでご紹介しよう。本作は海外で2017年夏にPCおよび家庭用ゲーム機向けに配信予定。

 『Ape Out』は、人間に囚われたゴリラが警備網を力技でぶち破って脱走する、バイオレンスかつスタイリッシュなアクションゲーム。基本はとにかく警備の人間どもをブッ倒し、各セクションの出口を目指せばオーケーだ。
 人間たちは銃や爆発物や火炎放射器などで武装し、脱走を食い止めようと時に集団で襲い掛かってくるが、ゴリラには強靭な肉体がある。接近して殴ったり、掴んでふっ飛ばせば、警備はほぼ一発で無言の肉塊となり、シルエットだけで構成されたスタイリッシュな画面に、絵の具をぶち撒けたかのような血溜まりが広がる。

アクションゲーム『Ape Out』。暴走ゴリラは、圧倒的な暴力を楽器に怒りと哀しみのジャズを奏でる【GDC 2017】_02
アクションゲーム『Ape Out』。暴走ゴリラは、圧倒的な暴力を楽器に怒りと哀しみのジャズを奏でる【GDC 2017】_03
▲鉄扉をもぎ取って盾代わりに活用。

 アクション要素自体は以上の通りでシンプルなのだが、ポイントは敵を倒すたびにクラッシュシンバルなどが「ドシャーン」と鳴ること。これによって、怒れるゴリラが圧倒的な暴力を楽器に、BGMとして流れる力強いジャズドラムに合わせた即興を繰り広げているように聞こえてくるのだ。

 音楽的感性に深く根ざした内容であるため、説明を聞いただけではまだピンと来ない人も多いかと思う。実はトレイラーに収録されたシーンを実際に遊べる“Playable Trailer”版デモがSteamで無料公開されているので、「ほう」と思った人はぜひやってみて欲しい。

アクションゲーム『Ape Out』。暴走ゴリラは、圧倒的な暴力を楽器に怒りと哀しみのジャズを奏でる【GDC 2017】_04
▲ゴリラが突き進むたび、暴力的なセッションが熱を帯びていく。
アクションゲーム『Ape Out』。暴走ゴリラは、圧倒的な暴力を楽器に怒りと哀しみのジャズを奏でる【GDC 2017】_01
▲Steamで、トレイラーに出てきた場面を実際に遊べる“Playable Trailer”版デモが公開中。このカッコ良さは実際やってみないと伝わりづらいと思うので、PCゲームできる人はぜひ!