“生身の体を持ったゲームヒロイン”と出会えるステージ
2009年にディースリー・パブリッシャーがリリースした恋愛シミュレーションゲーム『ドリームクラブ』の舞台化プロジェクト“劇団ドリームクラブ”の集大成となる“舞台ドリームクラブ～涙の卒業!?ピュアなハートでSeeYouAgain!〜”が、2017年3月9日～12日の4日間、築地本願寺 ブディストホール（東京都中央区）で開催中。本稿では、9日に行われた同舞台のゲネプロ（最終リハーサル）の様子をお届けする。
2013年の発足から、メンバー交替や充電期間を経て、2016年4月より第3期としての活動を続けてきた、劇団ドリームクラブ。原作ゲーム内のカラオケシーンを再現したダンス・パフォーマンスと、ステージ上でのちょっとした立ち振る舞いにまで徹底された、各キャラクターへの“なりきり度”の高さが好評を博し、3度の単独ライブをはじめ、東京ゲームショウ 2016のステージや、メンバーによる人狼ゲーム大会など、数々のイベントを成功させてきた。
【劇団ドリームクラブ（第3期）の出演者】（カッコ内は役名）
“変わること”をテーマとした2時間半の物語
今回の舞台は、1年間限定の活動期間を駆け抜けてきた彼女たちの“総仕上げ”ということもあって、脚本も“変わること”や“別れ”を連想させる内容に。出演者自身はもとより、これまで応援してきたファンたち、そして『ドリームクラブ』の、コミカルなゲーム世界の根底にある“儚さ”に惹かれる原作ゲームファンの胸に迫るストーリーが展開する。
歌あり、コントあり、お色気シーンあり、そして“意外な人物”の出演もあった、約2時間半に及ぶ舞台（ゲネプロ）の模様を、以下にダイジェストで紹介する。
“舞台ドリームクラブ”フォトダイジェスト
幕開け一発目は、ホストガール一同による“Pure色100萬＄”。このみっちり感とダンスの再現度は、2014年リリースのプレイステーション4用観賞ソフト『ドリームクラブ ホストガールオンステージ』の世界が、3次元にそのままやってきたかのよう。
ドリームクラブの上客である、原作ゲーム主人公に語りかけるホストガールたち。しかし、その声は届かない。すると思わぬ“奇跡”が起きて……！ この後、ピュア紳士（※節度ある『ドリームクラブ』ファンの総称）たちが夢見た、素晴らしい展開がしばらくのあいだ続くのだった。
突如、ドリームクラブの店長（※友情出演のドリームXクリエイト代表）がプロジェクター映像で現れ、ホストガールの人数を半分にする選抜テストを行うという、おなじみ（？）のパワハラを発動。友情と、ドリームクラブに残りたいという気持ちの板挟みとなったホストガールたちの関係が、ギクシャクしていく。
それぞれの思惑を抱えながら、テストに備えて己に一層の磨きをかけるホストガールたち。「それ、本当に役に立つの？」というようなことにも全力で取り組む姿が、美しい。
店長の無茶ぶり第2弾により、夢ヶ島（ディースリー・パブリッシャーが2015年にリリースしたプレイステーション3/4用ソフト『夏色ハイスクル★青春白書（※サブタイトル省略）』の舞台）に連れてこられた、ホストガールたち。しかも全員水着姿になって、チーム対抗のバレーボール勝負を行うことに!!
過去のステージでも、メンバーの一部が水着姿になることはあったが、今回は全員（受付さんを除く）が一斉に水着姿でダンスを披露するという趣向で、問答無用の迫力があった。これを観ずして、何がピュア紳士と言えようか!?
ふだんの制服に戻り、夢ヶ島で出されるさまざまなミッションに挑むホストガールたち。楽しげな中にも、そこはかとない緊張感が。
これまでの状態から変わっていくことへの不安を隠せない亜麻音に、何かと突っかかる魅杏。しかし、その本心は……？ そして、ホストガール選抜テスト騒動の結末は、いかに!?
最後は、『ドリームクラブ』の楽曲を手がけてきたmomo氏が、この舞台のために書き下ろした新曲“See you again”を全員で熱唱。別れの場面を爽やかに表現した名曲だ。原作ゲームの楽曲ファンも、これは必聴。
★劇中曲リスト ※構成・内容は、公演回によって変化する場合があります。
Pure色100萬＄
Ride on time
風をあつめて
Oh Mamagoto
カンパイ☆LOVE
ミライはNO!NO!NO!
夢見るCaged Bird
月の露珠
日替わりピュアソングメドレー
See you again ※新曲
《アンコール》
恋・KOI☆week end
劇団のクライマックスを見逃すな!!
『ドリームクラブ』のプロデューサーである、ディースリー・パブリッシャーの岡島信幸氏は、「2009年にXbox 360用ソフトとしてリリースした作品が、多くのユーザーさんに支えていただいて、最終的に、生身の人間がキャラクターになりきって演じる舞台に到着したことは、当初はまったく予想していなかったことで、感慨深いものがあります」とコメント。『ドリームクラブ』というIPコンテンツが今後どうなるかについては触れなかったものの、劇団ドリームクラブの活動自体は今回でピリオドということで、「今回（3期）のメンバーのがんばりをお客さんに感じていただければと思います」と語った。
また、新曲の“See you again”に関して、「これまでの中でもかなりいいものになっています。ファンのお客さんは泣くんじゃないかな」とコメント。ちょうど40曲目となるシリーズ楽曲（※ホストガールが歌っていない“OI XOI week end!”を除く）に太鼓判を押した。
劇団ドリームクラブ主宰であり、これまでのステージで演出を手がけてきた深寅芥氏（スタジオネリム代表）は、今回の舞台に関しては、スピード感とボリューム感いかに出すかを重視したという。1年間、劇団ドリームクラブを応援してくれたファンに対しては、「1年間続けてきたことで感じられる、半ドキュメンタリー的なストーリー性も交えて観ていただければ嬉しいですね」とコメントした。
この週末は、ホストガールたちの晴れ姿を観に、築地に足を運んでみてはいかがだろうか。
