2017年3月3日に、Nintendo SwitchとWii Uで発売された『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』。ファミ通.comでは『ブレス オブ ザ ワイルド』をいち早くプレイした編集者、ライターによる記事を2本掲載。こちらの記事では、『ブレス オブ ザ ワイルド』の冒頭を遊んだ、編集者&ライター4人による、プレイリポートをお届けする。

●自由な大地でくり広げる4者4様の冒険!

 2017年3月3日に、Nintendo SwitchとWii Uで発売された『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』。“『ゼルダ』のアタリマエを見直す”というコンセプトのもと、広大なオープンワールドタイプのゲームに姿を変え、これまでのシリーズの流れを一新した内容になっている。今回、ファミ通.comでは『ブレス オブ ザ ワイルド』をいち早くプレイした編集者、ライターによる記事を2本掲載。こちらの記事では、『ブレス オブ ザ ワイルド』の冒頭を遊んだ、編集者&ライター4人によるファーストプレイリポートをお届けする。※プレイリポートは、週刊ファミ通2017年3月9日号(2017年2月23日発売)と同一の内容になります。

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■今度の『ゼルダ』、ぜんぜん先に進めない!!
Text by 阿部ピロシ(本誌編集者)

 いやー、ヤバイ。噂には聞いていましたよ、「今回の『ゼルダ』はすごく世界が広くて、どこまでも行けちゃう」と。でもね、そこはやっぱりゲームですから、登れない山があったり、渡れない川があったりで、ある程度は制限されているんだろうなあ……と思っていたんです、プレイするまでは。でも、ガチでした。本当にこのゲーム、その気になればどこまでだって行けちゃうんです。崖をよじ登ったり、泳いだりする際には“がんばりゲージ”を消費するので、ゲージが許す範囲内でしか移動できないのは事実ですが、たとえば崖を登る際には、よーく地形を観察して登山ルートをきちんと工夫すれば、めっちゃ高い山だって登り切れちゃったりするんです。さらに、がんばりゲージを回復できる料理もあり、簡単に作れるので、料理でゲージを回復しながら無理矢理登り切ることだってできちゃいます。いくらなんでも自由すぎるでしょ!!

 とはいえ、目的もなくただ移動したっておもしろくはないですよね。ところが本作のフィールドは、あちこちが気になりまくるデザインなんです。かなり遠景までしっかり描かれているので、「あの光は試練の祠じゃない?」とか、「山の上に意味ありげなものが見えるなぁ」などなど、ついつい行ってみたくなってしまいます。メインミッションの目的地を目指していたはずが、「おや、あれは?」と気になる何かの正体を確かめるために山を登り、その山頂から発見した麓の何かを調べるために滑空し、降り立った岸辺の対岸に何かを見付けたのでイカダで湖を渡り……と思うままに冒険したあげく、気付けば当初の目的地は遥か遠く、「ここはどこなんだ!?」となることもしばしば……。でも、何かありそうな場所には、たいがい、実際に“何か”があるんです。その“何か”は、往々にしてリンクの強化につながることが多い。本作は敵が強いので、リンクを強化できるのは本当にうれしく、見逃したくないんですよね。というわけで、寄り道の連鎖は止まらず、メインミッションは一向に進行しないのでした。

 でも、こうしてあちこちを旅してまわり、「俺、こんな場所見付けちゃったぜ!」と自慢したくなるゲームなんて、そうそうありません。こんなゲームを早解きなんてしたらもったいない! この調子で、じっくり時間をかけて、贅沢に遊び尽くすぞ!

●ココがイチオシ
・とにかくどこまででも行ける、どこまでも行きたくなる!
・苦労してたどり着けば、ちゃんと見返りがある!
・ハイラルの大地は絶景ポイントだらけ!

■ただ“しゃべる”だけじゃないキャラボイス
Text by 卵を守る雨宮(ライター)

 どこからか聞こえて来る不思議な声……。その声に誘われる形で、リンクは目覚め、冒険は幕を開ける。本作を最初プレイしたとき、そのスムーズな流れと、眼下に広がるハイラル平原に見とれるあまり、“声の存在”に気づいたのは、それから数分後だった。そういえば、さっき誰かしゃべってなかった!? まさかのキャラクターボイスに、ボクは驚いた。ボイス付きのゲームなんて、20年前からふつうにあった。でも、『ゼルダの伝説』では“アタリマエ”ではなかったし、必要ないと思っていた。なぜなら『時のオカリナ』以降の、セリフの冒頭につぶやきのような“謎の音”が挿入されるボイスシステムで、声を“想像”するのが、楽しかったからだ。『ブレス オブ ザ ワイルド』は、フルボイスでなく、うれしいことにあの“謎の音”を残しつつ、主要キャラクターが要所要所でボイスでしゃべるパートボイスを採用している。“ここぞ!”と言う場面に声を発するからこその演出が、物語をドラマチックに彩るが、バトルもボイスひとつで激アツになるとは“想像”外だった。

 ボクがそのことに気づかされたのは、とある場所でくり広げた最初のボス戦だ。ここでは、リンクはあるキャラクターとバディを組んで、強力なボスに挑む。いい人だけど、ノリが軽くて、ちょっとウザい感じ(それも上手にボイスで表現)の相棒の背中に乗って、敵の懐深く入り込み、単身突撃から攻撃までを一瞬で行うことに。このときリンクの突撃にシンクロする形で、相棒が背後から「行けーッッッ!!」と絶叫して背中を押してくれるのだ。種族の想いも乗せたその声を聞いた瞬間、ボクの心は完全に勇者モードにシフト。間髪入れずに訪れる攻撃タイムでは、叫び音が消え、一瞬の静寂の中で弱点を狙うヒリヒリする緊張感。もう、俺のリンクカッコよすぎる!  強力な敵、戦いのドラマ、抜群のカメラワークに、“ひと声”ボイスを添え、音にメリハリをつけるだけで、序盤から歴代のラスボス戦クラスの興奮を味わえた。これ以降に待つ戦いを“想像”するのが楽しみ過ぎる。

●ココがイチオシ
・初のキャラクターボイスは、メリハリの効いたパートボイス
・“音のない”ことも効果音に。音に対する徹底的こだわり
・序盤からボス戦クラスの興奮が待つ激アツバトル

■変わらぬ『ゼルダ』の遊びに心も体も燃える
Text by 藤川Q(本誌編集者)

 私が感じる『ゼルダ』の楽しさとは、プレイヤーの行動に対してリアクションが用意されているように感じられる点だ。“『ゼルダ』のアタリマエを見直す”と宣言して制作された本作。ファンとしては「変わっていたらイヤだなあ」って思う心理も、そりゃあ少しは抱くじゃないですか。でも、プレイしてみたら、その楽しさは、まさに“見直された”ことがわかった。

 そう感じたのは、物語の冒頭。山道を下っていく途中に、焚火をする老人の姿が見える。ちょっと話してみたら、何やらいろいろ教えてくれそうな気配を漂わせ始めた老人。だが私は、会話もせずに、背後にあった“たいまつ”にいきなり手を伸ばした。すると老人、「あぶないから草は燃やすな」と注意してくるじゃあないか。心理学用語に“カリギュラ効果”というものがある。“禁止されるとやりたくなる”というやつだ。さっそくたいまつを握りしめて周囲の草に着火する私。みるみるうちに草むらが火の海である。「焼畑農業だな」と何も作ってはいないが思った。あまりの楽しさに、まるで聖火ランナーのようにたいまつを掲げ、黙々と木々に火をつけて走る。無心で火をつけていたそのときだった! 服に火が燃え移った!! 一気に火だるまになるリンク。楽しさは一気に消えて、燃え上がるリンクの姿を見て混乱する私。それで走り回ったのがいけなかった。崖から足を踏み外した! 火だるまのまま、もんどりうつリンク。あ、いきなり死んだな。……と思ったが、リンクはかろうじて生き残っていた。

 瀕死でたいまつを掲げている私のリンク。その姿を見て、途方に暮れて森を歩き回っていると、何やらキャンプ跡のような場所に出た。すると、そこには……“弓矢”が置いてあるじゃあないか! いやいやいや! 弓矢はダンジョンの宝箱で入手するものだからーーー! と思わず『ゼルダ』のアタリマエを口走りつつも、満面の笑顔で駆けより、弓矢を握りしめる。いけるで! 弓矢があればまだ生きていけるで! と思った瞬間、もしやこの弓矢も開発者たちに“予測”されて配置してあったのではないかと感じたのだ。広大なオープンワールドで自由に遊んでいるつもりなのに、密かに計算された遊びでもてなしてくれる。見渡す限りの世界に隠された、“おもてなし”のマインド。私の好きな『ゼルダ』の楽しさは健在だった。

●ココがイチオシ
・「こうしたらどうなるだろう?」という、好奇心
・あらゆる場面で試行錯誤する感覚が絶妙! 
・相変わらずの変人が、わんさか登場するところ

■ハイラルの世界でワイルドの意味を知る
Text by 世界三大三代川(本誌編集者)

 これがワイルドか! 遊んでみて、サブタイトルに“ワイルド”の単語が入っていることを、強く実感した。そりゃあもう強く。というのも、今回の『ゼルダ』は、死ぬ。油断すると、あっという間に死ぬ。「あっ!」と思ったら、落下してゲームオーバー。「えっ?」と思ったら、火のついた棍棒で殴られてゲームオーバー。「ちょっ!」っと言っている合間に、突如現れた岩のボスに追いかけられて、ゲームオーバー。「あれ?」と気づいたら、雪山で徐々に体力が削られてゲームオーバー。これまでの『ゼルダ』でも、ボスにやられながら弱点を探るようなことはあったが、そういうレベルじゃない。すべてが予測不能すぎて、本当に未知の大地で冒険をしている気分になる。

 でも、それが楽しくてしょうがない! ゲームオーバーになったとしても、ちょっと前からリトライができるということもあり(なかには、けっこう戻されることもあったけど)、「つぎは崖を登って行こう」とルートを変える発想もあれば、「今度は別の場所に行こう」と、そもそも目的から変えてしまったりと、自由気ままに楽しむことができるのだ。ちなみに、今回のリンクの体力(ハートの数)は3つ。冒険の中で最大値を増やせるわけだが、序盤は3つのハートで旅をすることになる。しかも、今回の『ゼルダ』は草を斬ってもハートが出ないので、けっこうキツイ。

 体力は、道中で手に入る食材などを食べると回復するのだが、素材をそのまま食べるよりも、草原に置いてある石鍋を使って料理をするほうが、圧倒的にハートが回復するし、効率がいい。だから、つねに食材をキープしておきたいし、食材が切れたときに、ボコブリンたちが獣の肉を焼いている場所を見つけたら、勇者らしからぬ、山賊のような目になって、ヤツらの肉を奪いたくなってくる。それほど、この“ワイルド”な世界で生きるのはたいへんなのだ。

 なお、この料理の際にどんな素材を加えるかで、食事の効果は大きく変わる。蜂蜜を加えれば、ダッシュや崖を登るのに必要ながんばりゲージを回復できるし、なかには体力回復の薬を作ったりもできる。未知の大地で生き残るには、お金よりも何よりも、体力と食べるものが大事。今度の『ゼルダ』から、生き残るための術を学びました……。なお、お金の大事さを知るのは、その後のお話。

●ココがイチオシ
・予備知識なしで進む世界の過酷さと、それを克服する冒険感!
・ザコ敵にも油断のならない、緊張感溢れる大地
・体力回復も寒さの克服も、なんでもできる料理の大事さ