タマを撃ち、ケツを撃って、コンボを決めて高得点!
Gearbox Softwareが海外で4月7日にPS4/Xbox One/PCでリリース予定のFPS『Bulletstorm: Full Clip Edition』を海外プレスイベントで遊んできたので、PS4開発機でのプレイ動画を交えつつ、その模様をお伝えしよう。
本作は、日本でもエレクトロニック・アーツから2011年2月に発売された『バレットストーム』を現行機に対応させ、さらにPS4 Pro/PCでの4K対応や新コンテンツの追加などを行ったリファイン版。
ではその『バレットストーム』の特徴はと言えば、アホな武器、デカいボス、若干感情移入しにくいレベルにボンクラな主人公チーム、「スナイパーライフルで股間を撃つと高得点」になったりするシステムと、ひたすら脳筋でおバカな作り。
少々作りが粗いところもあったため、当時決して評価が高いゲームではなかったのだが、個人的には難しいことを考えずに撃ちまくってフィーバーできるそのセンスにどハマりし、今でもオールタイムベストの1本だ(当時、海外版と日本版を両方買った)。
その中でゲームプレイ的にコアになっているのが、トリックショットを決めると高ポイントで、貯まったら後で弾などと引き換えられるという“スキルショット”システムだ。本作では普通にただ敵を撃って倒すのはあまり効率的なプレイではなく、ヘッドショットすらもそこそこにしかならないというレベル。実際、アサルトライフルの“PMC”を例にとっても、ヘッドショット(25点)より尻を撃って倒す(50点)方が高得点。
というわけで、さまざまな変態武器とアクション、そして周囲の環境を使って、いかにプラスαを稼げるかが大事なのだ。FPS誕生以来、敵の股間を撃つプレイヤーは無数にいたが、ほとんどの場合はメリットなどなかった。しかし本作ではそういったネタ攻撃がちゃんとシステム的に意味のある行為となっているのである!
やったことがない人はなんか難しく聞こえるかもしれないが、ちゃんとシステム的なフォローもあって、左手のムチ“エナジー・リーシュ”や、蹴り・スライディングを当てると、敵がなぜかスローモーションでフワフワ飛ぶので、後はやりたい放題。
落ち着いてタイミングと方角を把握してボタンを押せば、「ムチで引き寄せ→そのまま蹴り返し→サボテンに突き刺す」ぐらいのコンボは簡単に発動可能だ(しかもこの組み合わせの場合、一発も撃たないで済む)。また武器にも敵の動きを止めるものがあり、「敵を拘束する爆弾(フレイルガン)を発射→身動きが取れなくなった所を蹴り飛ばす→蹴り飛ばした先の敵と一緒に爆殺」といった感じのコンボもできる。
また、そこにシューティングゲームのボム的な扱いのチャージショットや、エナジー・リーシュを使って周囲の敵を一気に空中に飛ばす技“サンパー”などを交えていけば、強烈な一発で敵を吹き飛ばしてガイコツにしたり、ロケットドリルで突き刺して敵を次々と空高く打ち上げたりと、さらに派手なプレイのオプションが可能になる。
Full Clip Editionでの新モード“過剰殺戮作戦”(英語ではOverkill Mode)は、キャンペーンモードでクリアーしたステージを、武器の入手順などを無視して最初からフルアンロックで遊べるというモードで、『バレットストーム』のこうした遊びをさらに自由に楽しめるものとなっている。一回キャンペーンモードをサクッとクリアーした後は、こちらがメインになるだろう(スコアアタック的な“エコーモード”や、最大4人プレイが可能な“アナーキーモード”もあるが、本作の面白さは無茶なストーリーやカットシーンあってのものだと思う)。
俺がデュークだ! FPS界のキング(自称)が参戦
そして、そんな本作をさらにバカ方面に拡張するのが、予約特典にもなっているDLC“Duke Nukem’s Bulletstorm Tour”。これはメイン主人公のグレイを、『Duke Nukem』シリーズの脳筋主人公にしてFPS界一の伊達男ことデュークに置き換えてしまうというもの。オンにすると3Dモデルがデュークになるだけでなく、主人公が話すセリフも新録のデューク仕様になる(オリジナル版パブリッシャーのEAに代わって本作のパブリッシャーとなったGearbox Softwareがデュークの権利を持っていることで実現した)。詳しくない人はなんのこっちゃと思うかもしれないが、FPS界的には脳筋ゲームに伝説的脳筋主人公を重ね合わせる悪魔的コラボレーションなのだとご理解いただきたい。
当然デュークモードでも遊んできたのだが、大破壊の限りを尽くした後で下ネタとスラング混じりに平然とフカすデュークで遊ぶのは当然楽しい。またファン的には、地球では“キング”の名をほしいままにやりたい放題だったデュークが、いきなり異星でぶっ壊れ気味のアンドロイド(相棒のイシ)と冒険することになるという無茶なシチュエーションに珍しく困惑するというレアな姿も注目。一方、周囲の発言がグレイ前提のもののままになっていることもあるが、元からグレイはデュークに匹敵する適当野郎な上、本作のストーリーは元からあってないようなものなので、デュークという究極の異物が紛れ込んでも大体問題なく進んでしまうのも恐ろしい。いや、どんな所にもテキトーに紛れ込んでしまえるデュークが偉大なのか?
日本展開は調整中。「できるだけそのままの表現で出したい」
とまぁ、当時のプレイを思い出しながらエグいコンボを決めて、PRスタッフも含めてゲラゲラ笑いながら楽しんで遊べた。『コール オブ デューティ』や『バトルフィールド』のような超大作とは違う、とことん遊びとギャグに振った内容は今でも新鮮だ。グラフィック面の進化では、巨大な異星の背景が遠景までしっかり描かれるようになっていたりもするが、一番大きいのはフレームレートが安定していることだと思う。壮大な景色が広がるひらけた場所や、エフェクトだらけになる集団戦のシーンなどでも、プレイに支障が出ることなく快適に遊ぶことができた。
ちなみに本作、公式サイトには日本語ページが既に存在する。そこでGearbox Softwareの担当に話を聞いた所、「海外発売日には恐らく間に合わないが」としつつも日本向けリリースについて関係各社と話を進めており、気になる表現やレーティング(オリジナル版はCERO Dになり、相応に表現がカットされた)については、「できるだけそのままの表現でリリースしたい意向だが、ただ万が一通らなかった時のために対応の準備もしてある」とのこと。なおSteam等で日本版リリースまでリージョンロックがかかるかどうかについては、まだその辺りの詳細についてValve等と詰めていないので未定とのことだった。当時から表現のハードルは緩くなってきているはずなので、いろいろ朗報が聞けるようぜひ関係者の奮闘をお願いしたい。