2017年2月10日~12日、千葉・幕張メッセにて開催された“闘会議 2017。2月11日、同イベントの闘会議GPステージにて、ユービーアイソフトより発売中のタクティカルシューター『レインボーシックス シージ』の大会“レインボーシックス シージ国内最強決定戦”オフライン決勝が開催された。その模様をお届けする。
一般社団法人e-sports促進機構が主催となる本大会は、予選を勝ち抜いた2チームを迎えたオンラインファイナルが実施。優勝賞金10万円とモンスターエナジー1年分、そして国内最強の名誉をかけアツい戦いがくり広げられた。
■出演
実況:ふり~だ
解説:BEESUN_NHG


オフライン大会、代表決定戦を勝ち抜いた上位2チームは、野良連合とUkemi is God Returns。野良連合は、中国・香港で開催されたe-sportsイベント“E-SPORTS FESTIVAL 2016”で優勝している強豪チーム。一方でUkemi is God Returnsには撃ち合いが非常に強いtaigayume選手やv_RED_BARON選手などが在籍しており、非常に興味深い対戦カードとなった。


・ArkRoyal_y_s(リーダー)
・taigayume
・l__am___ZAKO
・Ukemi3
・v_RED_BARON
・saku8saku(リーダー)
・JeN0bq
・HederaHeIix
・DemonavHevn
・Primary_Unknown_
第1試合(マップ:運河)
第1ラウンド、攻撃側Ukemi is God Returns(以下、UIG)は、開始早々アッシュがイエーガーを排除する通称“アッシュ凸”を見せる。さらにラペリングで2階窓から天井に穴を開け、3階のポイント内にいる敵を突き上げるように排除するスーパープレイも。UIGの勢いある攻撃に野良連合は押されてしまい、先制を許してしまった。
第2ラウンドでは、UIGはポイント内で敵を待ちかまえ、遊撃に出ない守りの固いプレイを見せるが、慎重にクリアリングする野良連合に守りを崩されてしまう。結果、ディフューザーを設置されてしまい、そのまま野良連合が勝利となった。
続く第3ラウンド。西側の窓を破り、早い進行を見せるUIG。taigayume選手がポイント内への侵入経路となる穴を開け、乱戦にもつれる。近距離の乱闘にもつれるも、野良連合がナイフキルで敵を排除し、野良連合の勝利となった。
4ラウンドでは、2ラウンド目で早い進行を許してしまった対策として、エコーといった守りに強いオペレーターをピックするUIG。この選択が功を奏したか守り切ることに成功し、UIGの勝利。2−2でオーバータイムへの突入となった。
オーバータイム第1ラウンド。機動力の高いアッシュを起点に、素早い進行を見せるUIG。しかし、野良連合側スモークのファインプレイで野良連合側が勝利を収める。オーバータイム第2ラウンドでは、taigayume選手が2階から天井に穴を開け3階にあるポイントへ圧力をかける。この下からの攻撃に野良連合の陣形は崩れていき、UIGが追いつく形で勝利した。
どちらもマッチポイントとなったオーバータイム第3ラウンド。ここで野良連合はフューズをピックする変則型布陣を見せ、会場はざわついたのは言うまでもない。丁寧にクリアリングし、徐々に包囲網を狭めていく野良連合。さらにフューズのクラスターチャージでキルを取り、そのまま勝利を手にした。


第2試合(マップ:領事館)
第1ラウンドでは、2階領事室と会議室をポイントに選択した野良連合。イエーガーが外から飛び出して、ラぺリングをしていたヒバナを排除するファインプレイも見られたが、第1マップまで不調だったv_RED_BARON選手が本領を発揮しキルを重ね、UIG側の勝利となった。
攻守を入れ替えて第2ラウンドへ。野良連合側アッシュが非常階段からの侵入ルートを確保し、テルミットがヒートチャージを設置するも、壁を開けることはできず苦しい展開を強いられてしまう。野良連合側ブラックビアードが領事オフィスへ強行突入するも撃ち合いには勝てず、ここでもUIGの連勝となった。
第3ラウンドでは、UGIが開始早々に1キルを与えてしまい、劣勢になる。しかし、4人ながらもじわじわと包囲網を狭めていくUIGは、勢いのある攻撃でつぎつぎとキルを取り、結果勝利を掴んだ。
領事館はラぺリングや非常階段など3パターンの侵入ルートがあるが、結局は激しい撃ち合いに発展することが多く、撃ち合いに強いプレイヤーが多数いるUIGにとっては有利なマップだったと言える。


第3試合(マップ:オレゴン)
第1ラウンド、攻撃側のUIGは先ほどの突撃スタイルとは打って変わり、丁寧にクリアリングをして進める。しかし、クリアリングに時間をかけすぎたか残り30秒に。ディフューザーの設置は成功したものの、焦りを見せてしまったUGIは隙を見せてしまったためかつぎつぎと返り討ちにあい、野良連合がディフューザー解除を成功させ勝利となった。
第2ラウンドでは、UIGは遊撃にでずに地下のポイント内で固い守りに徹する作戦に。どうやら、正面からの打ち合いに発展させようとしていたようだが、野良連合がスモークグレネードを投擲している隙にディフューザーを設置する。しかしながら、UIG側エコーのナイフキルからの連続キルが炸裂し、劣勢を一気にひっくり返したUIGは、見事ディフューザーを解除して勝利となった。
第3ラウンドでは、2階ベッドルームを選択する野良連合。ラぺリングで窓をつぎつぎと破壊するUIGは、持ち前の高い撃ち合い能力を発揮し、外から見えるわずかな隙間から敵を正確に撃ち抜き圧勝を取る。
続く第4ラウンドでもUIGが2階ベッドルームを選択。2階武器庫から侵入するオーソドックスな戦術を見せる野良連合だが、エコーのソニックバースト攻撃に苦しませられる。しかしながらポイント内の敵を排除し、ディフューザー設置を成功させた野良連合。遊撃にでていた残りのUIGオペレーターの侵入経路をロックした野良連合は、見事ディフューザー解除を阻止して勝利。結果2-2で延長戦へともつれることになった。
オーバータイム第1ラウンド、攻撃側野良連合はきれいかつ素早くクリアリングを済ませ、残り1分の段階でディフューザー設置にこぎつける。裏取り対策もバッチリだった野良連合にボロボロと崩されてしまったUIGは、なかなかキルを取りに行けず、スムーズに試合を運んだ野良連合が勝利となった。
オーバータイム第2ラウンド、アッシュの先制キルが決まり、序盤はUIGが優勢に。IQがグレネードを投げ前線を押し上げキルを取ると、野良連合は一気にピンチに陥る。ディフューザーを設置され、遊撃に出ていたイエーガーが裏取りに向かうも、しっかり遊撃対策をしていたtaigayume選手に返り討ちにあい、ここではUIGが勝利を掴んだ。
3-3ともつれにもつれたオーバータイム。両チームともにマッチポイントとなったオーバータイム第3ランドでは、初手UGIがキルを取る。カピタオを失い戦術プラン変更を与儀なくされた野良連合は、強行突破をしかけデフューザー設置へ。しかし、UIG側エコーのソニックバーストでディフーザー設置を妨害され、結果第2試合はUIGが勝利した。


第4試合(マップ:国境)
第1ラウンドでは、UIGがモンターニュをピック。モンターニュが射線を引っ張るあいだ、にほかプレイヤーがキルを重ねるUIGは、隙を見てディフューザーを設置へ。ディフューザー設置を成功させ、もはやUIGが勝利かと思われたが、なんと野良連合が屋外からディフューザーを守るUIGの選手をつぎつぎと排除するファインプレイを見せる。最後はモンターニュの盾をナイフでひっくり返し排除するスーパープレイを見せ、見事ディフューザー解除を成功させ勝利となった。ディフーザー設置を成功させ、なおかつモンターニュを持っていたUIGは、終盤で気の緩みを見せてしまったためか、勝てる試合を逃してしまう痛恨の結果となってしまった。
第2ラウンド、IQがグレネードで敵を攻めるも、パルスあやつるv_RED_BARON
選手が的確に処理(撃ち合いが本当に強い!)。saku8saku選手が搖動を仕掛けるも、固い守りは崩れず、UIGが勝利した。
第3ラウンドでは、攻撃側UIGがフューズをピック。1階Bポイントを中心にクラスターチャージを仕掛け、強制的に敵の位置を下げる作戦に出る。しかし、ここでtaigayume選手をクラスターチャージの爆発に巻き込みフレンドリーファイヤしてしまう痛恨のミスをしてしまい、総崩れに。初手のクラスターチャージは意表を突いた攻撃だったが、フレンドリーファイアをしてしまい焦りがでてしまったUIGは、野良連合に勝利を許してしまった。
第4ラウンドも同じく攻撃側野良連合がフューズをピック。クラスタ―チャージ作動と同時にブリーチングチャージを作動させ、クラスターチャージの起爆音を消すというテクニックを見せてくれた。クラスターチャージでキルを重ねていく野良連合は、その後はディフューザーの設置を成功させ、見事勝利を手にした。


第5試合(マップ:山荘)
もつれにもつれ互角の試合が展開され、第5試合まで突入となった本大会。第1ラウンドで攻撃側となったUIGは、またもやフューズをピック。2階をクリアリングし、1階ダイニングルームに向けてクラスターチャージを撃ち込む。しかしここで時間を使いすぎたせいか、デフューザーを仕掛ける時間を作れず、野良連合が勝利した。
第2ラウンドでは野良連合と同じく、キッチンと記念室をポイントに選択したUIG。先ほどのUIGの戦法と同じく、2階をクリアリングしクラスターチャージを仕掛ける野良連合。しかし遊撃に返り討ちにあい、残りひとりになったしまった野良連合側はディフューザーを設置することはできず、ここではUIGが勝利となった。
第3ラウンド、ここでなんと防御側の野良連合は、一番守りにくいとされる娯楽室とバーをポイントに選択する。守りのセオリーが確立されていない場所ではあるが、そのぶん攻めかたもセオリーが確立されないため、どういった試合が展開されるかまったく予想のつかない試合が展開された。試合では乱戦が続くなか、バーにディフューザーを仕掛けることに成功したUIG。しかし、ディフーザーを設置したIQがヴァルキリーに排除され、サッチャーとヴァルキリーによる1-1のタイマン勝負へと発展する。じりじりとした交戦が続くなか、野良連合側saku8saku選手あやつるヴァルキリーがディフューザー解除と見せかけた釣り行為で、サッチャーをおびき寄せ排除。最後は時間ギリギリでディフューザー解除を成功させ、見事野良連合が勝利! まさに手に汗握るタイマン勝負が展開されたが、最後は読みあいで野良連合側が勝利し、会場からは歓声が溢れた。
野良連合側のマッチポイントとなった続く第4ラウンドだったが、防御側v_RED_BARON選手が下から突き上げるかたちで、ニトロセルで敵を排除するファインプレイを見せる。つぎつぎとキルを取られ、先ほどとは打って変わって少々追い詰められた野良連合は、スモークのガスグレネードに阻害されなかなかディフューザーを仕掛けられず、ここではUIG側に勝利を許してしまう結果に。2-2で、試合はオーバータイムへと突入した。
オーバータイム第1ラウンド、勝ちたい気持ちが強く出てしまったためか、守りに徹するシーンで勝負をしかけに行き返り討ちにあってしまうなど、ミスを連発してしまったUIG。一方、野良連合は落ち着いたプレイを見せ、フューズのクラスターチャージでキルを貯るいい流れを生み出し勝利。優勝へ大手をかける。
オーバータイム2ラウンド。攻撃側UIGのバックがスケルトンキーで天井に穴を開け下から突き上げを狙うも、なかなか決まらない。残り1分となってしまい、攻めあぐねていくUIGは焦りがでたのか、クリアリングミスを連発してしまいつぎつぎと倒れてしまう。結果、野良連合が敵をすべて排除して守り切ることに成功! 接戦の末、見事優勝を手にした。


UIGは突撃型の攻撃方法が多かったが、一方で野良連合はテルミットで侵入経路を作り、徐々に包囲網を狭めていく王道スタイルの戦法が多く見られた。さらに、フューズをピックしたりと多彩な攻めかたも持っており、読み合いも強かったように見える。UIGの個々の撃ち合い能力は野良連合より秀でてはいたが、野良連合のチームワークの強さに一歩及ばずと言ったところ。正面からの撃ち合いよりも戦術が勝るという、『レインボーシックス シージ』らしい試合が展開されたのではないだろうか。
なお、今回の試合はタイムシフトでも視聴可能なので、ぜひ今後の研究材料として視聴してみてほしい。
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優勝インタビューを敢行
最後に、優勝チーム“野良連合”のインタビューをお届けする。
――優勝おめでとうございます。接戦が続きましたが、今回の試合を振り返って見ていかがでしょうか?
saku8saku いままで参加した大会の中で、一番印象に残る試合でした。こちらが研究に研究を重ねたマップでさえ突破されたり、焦ってしまいやれる場面を逃してすことが多かったので、自分たちの緊張やUIGさんの強さも含めて、いままでで一番キツイ試合でした。
――中盤は押されぎみでしたが、終盤で持ち直した印象です。作戦変更などはあったのでしょうか?
saku8saku 野良連合って一種のジンクスがあって、いつも負けからスタートなんです。圧勝はほとんどありません。スロースターターなので、負けていくことで「何がダメなのか、どこを改善したらいいのか」ということを考えながらプレイしています。最終的にチーム全体で気持ちがひとつになり、勝ちに繋がっていると思います。
――では、チーム内で分析官、司令官などがいるのでしょうか?
saku8saku 分析などはPrimary_Unknown_さんが行い、ぼくは現場指示や前線を上げることに徹しています。
――saku8sakuさんが殿のような感じなんですね。
saku8saku そうですね。作戦はおもにPrimary_Unknown_さんやJeN0bqさんが練っています。
――作戦ということで試合を見ていて気になったのですが、途中でフューズをピックしましたが、あれもやはり作戦なのでしょうか?
saku8saku Primary_Unknown_さん、フューズを好きなんですよ(笑)。
Primary_Unknown_ やはりフューズのクラスターチャージで、敵を強制的に移動させることができますし、なおかつUIGさんはあの時点でフューズを警戒していなかったようなので、ピックしました。
――だいたい戦術が読まれてきたなと思ったら、ピックを変えていくのですね?
Primary_Unknown_ そうですね。相手のピックが読めたら、こちらもアンチ的役割のオペレーターを選んだり、キャッスルを投入したりしました。
――もう1点試合を見ていて思ったのが、“読み合い”に強いチームだと感じました。
saku8saku 試合中の動きをもとに、声をかけあって臨機応変に対応できるようにしています。このチームはとても仲がいいのが特徴なので、ほかのチームよりは意思の疎通がスムーズに行えると思います。もう長いことやっていますし、最近チームに加入した人もすぐ馴染める雰囲気ではありますね。
――やはりチームでスムーズに連携をとれるのは、仲のよさが一番の理由でしょうか?
saku8saku 野良連合には、ズバ抜けてうまいスタープレイヤーはいませんが、信頼関係からうまれる連携プレイで戦うのが一番の強みだと思います。
Primary_Unknown_ それと、仲がいいからこそお互いの決定を指摘しあい、改善していくようにはしています。
――最後に、ファンの方へメッセージをお願いします。
saku8saku まず感謝の気持ちを伝えたくて……プレイステーション4やTwitter、YouTubeで応援メッセージを送ってくれて本当にうれしいです。これからも頑張りますので、応援の程よろしくお願いいたします。