ローポリでもかわいい。ローポリがカワイイ!

 愛玩電子メールソフト『PostPet』が2017年1月で20周年(!)を迎えたことを記念して、現在開発中の『PostPetVR』。Campfireにて開発のためのクラウドファンディングが行われている中、本日2017年1月20日、一部のマスコミ向けに特別体験会が開催されました。

 β版が1997年に公開された『PostPet』とは、かわいらしいキャラクターがメールを運んでくれるメールソフト。メールの送受信に、キャラクターをナデナデしたりおやつをあげたり……といった育成・コミュニケーション要素を加え、大ヒットを記録しました。『ポスペ』全盛期、父親のMacを勝手にいじるデジタル好き小学生だった筆者も、そのあまりにキュートな魅力にハマったひとり(たしかソフトは『PostPet 2001』だったような)。もちろん当時はインターネットを日常的に使う友人もおらず(小学生ですしね)、個人サイトで知り合った年上のお姉様たちと『ポスペ』で他愛ないメールのやり取りをしては心を躍らせたものです。いま思えば、あの頃のお姉様たちはよくあんな子どもの相手をしてくれたなぁ……。そういえばモモのボールペンとかメモ帳を買った記憶もあります。あのキッチュな極彩色の世界もカワイイんですよね~。

 ……つい余談を続けてしまいましたが、そんな思い出深い『ポスペ』がVR化する! ということで、個人的にも注目していた本プロジェクト。歴代『PostPet』シリーズを生み出してきたペットワークスが開発を行い、その資金を募るクラウドファンディングには、1月20日現在約140万円が集まっています(目標額360万円に達しなくても開発は続けるとのこと)。今回体験したデモ版をさらに進化させた『PostPet』β版の体験会や、ソフトのダウンロード権といったリターンも用意されているので、気になる方はぜひ募集ページ既報をチェックしてみてください(募集は1月30日まで)。

 さて、今回の特別体験会で体験できた『PostPetVR』は、紙袋をかぶったキャラクター“アンノウン”となり(懐かしい!)、『ポスペ』の“あの”世界に入るデモ版。HTC Viveをかぶると……おお、あの部屋だー! 中に入るとこんな感じなんですね! そして柵に囲われた庭がある! この空間のなかを動き回れたのですが、歩くアクションは両手に持ったコントローラーのトリガーを引きながら、実際に歩いているときと同じく手を前後に動かすことで可能になります。ペタペタ、カクカク進む感じがアンノウンっぽい(笑)。ちなみにワープではなくこのような移動方法になっているのは、「なるべくUIを共通にしたいから」とのこと。開発は現在HTC ViveのほかOculus Rift向けにも行われているそうです(個人的には、プレイステーション VRでもやりたいところ!)。

▲歩きかたを解説。
▲画面右下がプレイヤーの視界、左下が三人称視点。アンノウンがモモをなでてます(笑)。

 そしてお待ちかねのモモさんは、プレイヤーの右手に反応してトコトコとこちらへ。うわ、かわいい。めっちゃカワイイ! たまらん! ポリゴン感がすごい! でも(だから)めっちゃカワイイ! モモとVR空間で出会っただけで、ほかの言葉を忘れたかのごとく「カワイイ~!」を連呼しながら大興奮してしまいました。だってカワイイんですよ! 立ったまま見下ろすとモモは膝くらいの背丈なのですが、しゃがむと目線が合わせられるんですね。モモ! ドアップ! 超かわいい~~~! あの頃と同じく、若干虚無的な瞳がたまりません! 前述の通り、モモはプレイヤーの右手(のコントローラー)を追う仕様になっているため、モモを無視して部屋のなかを歩き回ってもついてきてくれるのが健気でカワイイ。残念ながら現段階でインタラクティブ性はほとんどないのですが、しゃがみこんでアゴのあたりをわしゃわしゃすると、されるがままになっているのが……カワイイ。「もういいよ!」と言われようが、とにかくカワイイんです、これが! ただただ“モモといっしょにいる”だけなのに、いつまでもこうしていられるような気がする……こ、これが癒しというやつでは……。
 モモとのふれあいもさることながら、VR空間に広がる『ポスペ』の世界をぼーっと眺めているだけでもノスタルジー全開で楽しいです。フォトリアルの真逆を行くポリゴン世界ながら、だからこそ『ポスペ』の世界に来たわ~、という没入感があるんですよね。

 ちなみにVR版のモモは、「400ポリゴンくらいしかない超ローポリ」(ペットワークス・八谷和彦氏談)。『PostPet V3』のデータをほぼそのまま使っており、今回のデモは1ヵ月半ほどので制作されたそう(しかも、メインの開発者はほぼひとり!)。トコトコ歩いたり首をかしげたりするモモですが、それでもキャラクターのアクションは『PostPet V3』の1/5ほどしか入っていない模様。「『PostPet V3』にあったものは全部入れたい!」とのことなので、今後のバージョンにも期待です。

▲伝わりますかね、このかわいさ!
▲カワイイ。
▲めちゃめちゃカワイイ!!!

 今回のデモ版には実装されていませんでしたが、ゆくゆくはペットにおやつをあげたり、なでたり、抱っこしたり抱っこされたり(!)、洗ったり……といったインタラクティブ性も取り入れたいとのこと。部屋にはベッドや冷蔵庫、庭には温泉らしきモノもあり、たとえば冷蔵庫からおやつを取り出したり、ペットといっしょに眠ったりできたら、まさに“かわいいペットと暮らす生活”が実現するんだな~とワクワクしてしまいます(おやつあげたい)。そして最終的にはかつての『ポスペ』のように、ネットワークを介して自分のペットと友だちのペットが互いの部屋を行き来できたりしたらもう最高! あれもしたい、これもしたい、でもかわいいペットといっしょにいるだけで充実感ハンパない! ……と、夢の広がる『PostPetVR』でした。『ポスペ』誕生から20年、インターネットやスマホの普及した現在は、“必ずしも電子メールじゃなくてもいい”時代。それでも『ポスペ』がもたらしてくれたコミュニケーションのワクワク感は、現在でもじゅうぶんに魅力的だと思い知りました。

▲ペットワークスの皆さん

 なお『PostPetVR』は“基本的には20周年イベントのためのアプリケーション”とのことですが、ペットワークスが掲げるエクストラゴールはスマホ版『ポスペ』。八谷氏いわくVR版とスマホ版の連動も構想にあり、もしVR版・スマホ版がともに完成したら、遊びにきた友人のペットにかけたちょっかいがリアルタイムで相手のデバイスに伝わる……といった遊びかたが可能になるかも。まずはVR版のクラウドファンディングでプロジェクトを応援しましょう。

 ちなみに『PostPet』20周年にあたっては、So-netもアニバーサリー企画を展開中。キャラクターカフェ(渋谷にて2017年1月7日~22日)の実施やタレントコラボ、ぬいぐるみなどの商品化やLINEスタンプの配信が予定されているとのことです。『ポスペ』ファンはこちらもお見逃しなく!

▲モ、モモ妹がきてくれたーーー! カワイイーーーッッ!! 奮闘したものの、HTC Viveは残念ながら装着できず。
▲VR取材のデメリットとして“VRを体験していると写真が撮れない”というのがあるのですが、今回は参加していた報道陣が会社の垣根を越えてモデルになる、という手法で乗り切りました(皆さんありがとうございます)。そしてVRを逆再現してくれるサービス精神旺盛なモモ妹プロ。