発売直前! 幸村の生涯を描く意欲作
コーエーテクモゲームスは、2016年11月23日発売予定のプレイステーション4、プレイステーション3、プレイステーション Vita用ソフト『戦国無双 ~真田丸~』について、本日11月18日(金)、都内で完成発表会を開催した。
完成発表会には、同社ゼネラルプロデューサーのシブサワコウ氏、同社代表取締役社長兼『戦国無双 ~真田丸~』ゼネラルプロデューサーの鯉沼久史氏、同作プロデューサーの三枝修氏のほか、ゲストとして真田幸村役を演じる草尾毅さん、茶々役を演じる高野麻里佳さんが登場。発売直前の『戦国無双 ~真田丸~』を紹介し、同作にまつわるトークなどをくり広げた。
まずは鯉沼氏が開会宣言。本作を「『戦国無双』で大河ドラマを描くとどうなるかということで開発してきた」と語り、合戦だけではない人間ドラマもふんだんに盛り込まれた、新たな切り口のシリーズ最新作に自信をのぞかせた。
続いては三枝氏が同作を紹介。『戦国無双 ~真田丸~』はシリーズで初めてひとりの武将にスポットを当てたタイトルとなっており、その主役は真田幸村。彼が駆け抜けた人生を、幸村の父である昌幸の初陣から描く意欲作だ。三枝氏によると、開発チームでは当初から「“これが『戦国無双5』でもよかった”と言われるくらいのタイトルにしよう」と気合が入っていたようで、ゲームボリュームも満点に仕上がっている。
なお本作には、昌幸や茶々を始め、佐助、武田勝頼、徳川秀忠、村松殿など新規武将も多数参戦。とくに勝頼は若々しいイケメン武将だが、これは「プレイアブルにしてほしい」という多くのリクエストに応えて参戦が決まったそう。
本作の特徴としてたびたび語られている、合戦前後の人間ドラマや武将たちの休息が垣間見える新システム“城下町”や、前哨戦などを含む長期合戦が解説された後は、発表会で初お披露目となる本作のOPムービーが上映。クライマックスで壮年期の幸村が見上げる月を、初陣を前にした父の昌幸も見上げている……という、壮大なドラマを感じさせるOPに仕上がっていた(ちなみに本作では“月”が大きなモチーフになっているとのこと)。
ゲーム紹介に続いては、スペシャルゲストとして草尾さん、高野さんが登場。シブサワ氏や三枝氏を交えてトークをくり広げた。
本作は現在放送中のNHK大河ドラマ『真田丸』とも深い関わりを持つということで、まずは同作に採用されているシブサワ・コウ氏技術提供・監修の3Dマップの話題から。『真田丸』には『信長の野望・創造』の3Dマップが使用されているが、申し出があったのは2014年のこと。シブサワ氏は当時の心境を「いよいよ『信長の野望』が大河ドラマになるのか! と思いましたが(笑)、マップをぜひ使いたいというありがたい申し出があり、感激いたしました」と語っていた。これは『真田丸』のプロデューサーが『信長の野望』シリーズの大ファンだったことから実現したそうだ。『真田丸』ではスタッフロールに“シブサワ・コウ”の名前が登場するが、これには草尾さん&高野さんやコーエーテクモゲームス社員、ゲーム業界の関係者も大感動したとのこと。シブサワ氏の口から、レベルファイブ 代表取締役社長/CEOの日野晃博氏も「テレビで名前を見るだけでうれしい」と語っていた……というエピソードも語られた。なお『真田丸』に使用された『信長の野望・創造』の3Dマップは、同じものが『戦国無双 ~真田丸~』にも使用されている。
『真田丸』とのつながりはこれだけにとどまらず、初回特典として真田信繁(幸村)赤備えの『真田丸』特製衣装が付属するほか、ソフト発売後にドラマに登場した衣装が続々と配信予定。すでに昌幸の“あの”毛皮衣装は公開されていたが、幸村や信之、茶々や三成なども、大河ドラマ同様の衣装を着用させることができる。また同じくダウンロードコンテンツとして、『真田丸』特別軍馬や、ドラマ内でおなじみの武器や装飾品セットも配信予定とのこと。これら装飾品は、装備していると特別な効果もあるそうだ(槍のみ武器、その他は装飾品)。
『真田丸』と『戦国無双 ~真田丸~』はどちらも史実を大切に作られている点は共通しているが、もちろん『戦国無双』には従来のシリーズで作り上げられてきたキャラクターがいるため、同じ歴史をベースにしていても描かれかたは違う。大河ドラマとゲームをあわせて楽しむことで、両作の魅力は倍増するだろう。
そして大河ドラマ内でも印象的に描かれていた、幸村と茶々の再会のシーンを、発表会では草尾さん&高野さんが生アフレコで再現。うれしそうな幸村に対して茶々は含みのある言動を見せるが、その理由は実際にゲームをプレイして確かめてほしい。
キャストがキャラクターへの想いを語るコーナーでは、草尾さん&高野さんの『戦国無双』に対する熱い思い入れが垣間見えた。草尾さんは「真田幸村というもののふが何を考えてどこを目指して、何に悩み、どうしてああなったのかがプレイしている皆様に少しでも伝われば。いろいろな人に対する感情以上に、もののふとしての生き様を貫き、悩み苦しみ義のために生きていく強さや信念をすごくこめました」と熱弁。本作では少年期、青年期、壮年期の幸村が描かれるが、最初に壮年期のひげを生やした幸村を見たときはびっくりしたという。アニメやゲームでも、キャラクターが成長し容姿が変わることは珍しいため、「“そういう切り口で来たか”と、身の引き締まる思い。収録まで3ヵ月くらい、いろいろ考えましたね」と振り帰っていた。草尾さんの幸村に対する想いに、三枝氏も感無量の様子だった。
対する茶々は、『真田丸』の天真爛漫なイメージとは異なり、『戦国無双 ~真田丸~』では成長するにつれて影のあるキャラクターに。高野さんも「自分の殻に閉じこもる茶々に、幸村の存在がどう影響していくかが描かれています。『戦国無双』ならではの茶々様を見ていただきたい」と話していた。
真田家の面々以外にも多数の魅力的な武将たちが登場する『戦国無双』シリーズ。ここでは高野さんに好みのタイプを訊いてみよう! ということで、モニターには男性武将がズラリ(檀上には草尾さんもいるということで、幸村は除外)。気になる高野さんの好みのタイプは……なんと本多忠勝! その理由は「戦場ではいちばん信頼できる人がそばにいてほしい」とのことで、意外な(?)チョイスにシブサワ氏も「いやぁ、うれしいなぁ! 年配の忠勝を選んでいただけるとは(笑)」と語っていた。ちなみに発表会で司会を務めた歴史タレント・小栗さくらさんは、“真田家”推しということで真田昌幸をチョイス。なお本作で初参戦する武田勝頼は、昌幸の親友として登場する模様。序盤で重要な役割を占めるようだ。
続いては男性陣が、『戦国無双』女性キャラクターから好みのタイプを選ぶことに。草尾さんは「皆さん美しいですし魅力的ですが……目が行くのはくのいちですかね。思い入れもありますし」と幸村らしいチョイス。三枝氏は清楚系の早川殿、そしてシブサワ氏が選んだのは……まさかの小少将! 「いいですね、魅惑的なウィンク!」と、意外な(?)タイプを披露していた。
発表会の最後には、改めて登壇者が『戦国無双 ~真田丸~』をアピール。草尾さんが「真田幸村というキャラクターを演じて10年が経ちましたが、その集大成という感じで幸村の人生を丁寧に描く作品と出会えて、幸村の声を演じられて声優冥利に尽きます。私が『戦国無双』で感じる幸村のすべてを1本にかけたつもりなので、もののふとしての幸村の体温を感じていただけたら」と語れば、高野さんも「『戦国無双』はいちばん最初から遊んでいる大好きな作品。そんな作品に関わることができて、発売日を待ち遠しく思っていました。私事ですが、父や父の妹さんもすごく喜んでくれて……(笑)。いまも幸村(草尾さん)の隣に立たせていただいている幸せを噛みしめています。早く皆さんと茶々のネタバレを語り合いたいです!」と熱弁。シブサワ氏も「NHKさんとのご縁があり、協力関係にもとづいて完成いたしました。大河ドラマが盛り上がる時期に本作でも真田幸村の一生を楽しんでいただきたい。長い期間、楽しんでいただけると思います」と、その出来栄えに太鼓判を押した。
なお同作は、11月20日(日)に長野・上田市のコミュニティ施設“真田十勇士ガーデンプレイス”にてイベントが開催(関連記事はこちら)。発売直前の11月21日(月)には、豪華ゲストを迎えてのWeb生放送も配信される予定だ(関連記事はこちら)。