水口哲也氏のミニインタビューもお届け

 2001年にプレイステーション2とドリームキャストで発売され、プレイしていると音楽、映像、振動などがシンクロしていき、まるで音楽を演奏しているかのような感覚を楽しめるシューティングゲームとして話題を呼んだ『Rez』。同作を高解像度リマスター化し、プレイステーション VRへの対応を実現した『Rez Infinite』が10月13日より配信開始された。本記事では、配信を記念して、東京・渋谷のGALAXYにて行われたローンチパーティーの模様をお届けする。

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 パーティー開始時間になると本作の開発を担当するエンハンス・ゲームズの水口哲也氏が登場。初めて『Rez Infinite』の制作が発表された、“PlayStation Experience 2015”のKeynote(発表会)を彷彿とさせるデモプレイを披露し、イベントがスタート。

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▲“PlayStation Experience 2015”と同様に全身で振動を感じることのできる“シナスタジアスーツ”を着てデモプレイを披露。しかし、よく見てみるとこれまでとはスーツのデザインが違う……?

 デモプレイを終えた水口氏は「これが初お披露目の“シナスタジアスーツ Ver2.0”です」と新しくなったシナスタジアスーツをサプライズで紹介。そもそも、シナスタジアスーツとは、全身26カ所に埋め込まれた振動素子から、ゲームと連動した振動フィードバックによる“音の触感”を感じることができる、本作のために開発されたスーツのこと。これまでのシナスタジアスーツは、振動素子が埋めこまれたインナーと、どの部分がどのように振動しているかをLEDライトで表現するアウターに分かれていた。そこ改良し、振動とLEDの一体化を実現したのが“シナスタジアスーツ Ver2.0”だ。

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▲以前のLEDが搭載されていたアウター(写真右の光っているスーツ)は、水口氏のサイズを基準に制作されており、水口氏以外が着用することが難しかったという。
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▲“シナスタジアスーツ Ver2.0”は、誰でも着用可能。ちなみにシナスタジアスーツは、まだまだ進化していく予定とのこと。

 続いて、『Rez Infinite』が配信開始となったいま心境について「昨日は、あまり寝れませんでしたが、無事配信されて安心しました。Twitterなどを見てみると、今日はプレイステーション VR一色になっています。ソニーの皆さま本当におめでとうございます。そして、こんなすばらしいものを作っていただいてありがとうございます」とコメント。また、長年の夢だったというVR対応に関して「僕は26年間ゲーム業界にいますが、四角い画面というのが本当に嫌で嫌でしょうがなかったです。ずっとやれることの限界だと思っていて、『Rez Infinite』の前に作った『Child of Eden』では3D対応もしましたが、やっぱり画面を覗いているような感覚でした。早く画面の中に入ってしまいたいなと思っていましたが、ようやく実現することができました」とVRにかけるアツい思いを語った。

 そして、ここでソニー・インタラクティブエンタテインメントジャパンアジア プレジデントの盛田厚氏が登壇。盛田氏は「私もプレイステーション VRを発売できてうれしいのですが、プレイステーション VRはコンテンツがないと、ただの箱なんですよね。今日、私はローンチイベントで「VRというテクノロジーは、テレビが登場して以来の映像体験のイノベーションだ」という話をしました。先ほど水口さんにも言っていただいた通り、VRでは新たな世界に入って行けると思っていますが、それにはクリエイターの方々に作品を作っていただかないと実現できません。そういう意味では『Rez Infinite』を配信していただいたのは、うれしいですし、私のほうからもお礼を言いたいです。本当にありがとうございます」と水口氏へ感謝の気持ちを伝えた。

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▲写真左:盛田厚氏、写真右:水口哲也氏

 その後に、『Rez Infinite』用に開発された新ステージ“Area X”の音楽を担当した武藤昇氏と石田貴子氏のユニット“HYDELIC”のDJとRAKUDASAN氏によるVJパフォーマンスが行われ、ローンチパーティーは終了となった。

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▲DJを務めた“HYDELIC”の武藤昇氏は、水口氏がプロデュースしている音楽ユニット“元気ロケッツ”の音楽なども担当している。
▲同じくDJを務めた“HYDELIC”の石田貴子氏は、『Child of Eden』や『ルミネス』の音楽を手掛ける。
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 なお、同会場では10月16日まで、本作の体験会を実施中。体験会では、Area1~5はもちろん、新ステージ“Area X”を含むすべてのステージから自由に選択してプレイステーション VRで30分間プレイできるほか、シナスタジアスーツを着て体験することも可能。シナスタジアスーツでプレイする場合は、Area1の途中からArea4のボスに移行する特別デモバージョンでの体験となる。

 記者も実際にシナスタジアスーツを着てプレイしてみたが、全身で音楽を感じるというのは、これまでに経験したことのない感覚。高揚感や没入感が尋常ではなく、とにかく気持ちいい体験だった。現状、シナスタジアスーツの販売は予定されておらず、スーツを着て体験できる機会は限られているので、興味を持った方は、ぜひ体験会に足を運んでみてはいかがだろうか。

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 記事の最後にイベント開始前に実施した、水口氏へのミニインタビューの模様をお届けする。

――10月8日から開催されている体験会に水口さんも足を運ばれているということですが、ユーザーの皆さんの反応を直接聞いてみた感想はいかがですか?
水口 “どんな気持がした”、“ここがよかった”、“次回作に臨むこと”などの意見を、ユーザーの皆さんから直接聞けるということは、大切な時間で、すごく楽しいです。楽しいから毎日来ちゃってます(笑)。

――そうなんですね(笑)。ユーザーさん声で印象的だったものはありますか?
水口 Area Xを遊び終わって、プレイステーション VRを取ったときの皆さんの表情がすごく印象的ですね。それが楽しみで、体験が終わりそうになると近づいていったりしています(笑)。皆さん、こちらが感動してくれるような言葉を言ってくださって、すごく励みになります。

――そして、いよいよ『Rez Infinite』が配信開始されましたが、いまの率直な気持ちを聞かせてください。
水口 とにかくうれしいですね。僕らはインディーズなので、3人で世界中のパブリッシングとマーケティングをやっているので、ひとつひとつがすごく楽しいくて、一生忘れることはないんじゃないかなと思います。いままでの『Rez』もやっと完成させられましたし、新しい『Rez』も入れることもできましたし、そういう意味で本当にうれしいです。また、ここからいろいろと新しいことも始めていきたいと思います。

――新しいことというと、『Rez Infinite』は、11月10日に発売されれるプレイステーション4 Proで、4K解像度にも対応しますが、実際に見た感想はいかがですか?
水口 すごくキレイです。初めて4Kで起動したときには、「おぉーーー!」という、どよめきが開発スタッフからも起こったくらいでした。4KでArea Xを遊ぶとパーティクルの隅々まで見えて、本当にキレイです。ハワイ島のマウナケアという山に世界中の望遠鏡が設置されている天文台があるのですけど、そこから見える星空は世界一キレイなんです。そこで見た、星空ぐらいキレイですね。

――最後にファンの皆さんにメッセージをお願いします。
水口 作りたいものがまだまだ、たくさんあります。ここからどんどん加速してきますので、ぜひ楽しみにしていてください。