グラフィックやAIなど、さらに進化
2016年8月17日~21日(現地時間)ドイツ・ケルンにて、ヨーロッパ最大のゲームイベントgamescom 2016が開催。ここでは、2Kブースで行われた『NBA 2K17』のプレゼンテーションの模様をお届けしよう。ゲームの概要を紹介してくれたのは、2K インターナショナル プロダクトマネージャー、オベリアン・バリガマジ氏だ。
『NBA 2K』は、全米プロバスケットボールリーグNBAの最高峰を極めるゲームとして、揺るぎない立場を確立している人気シリーズ。毎年1作リリースされ、シリーズを追うごとにそのクオリティーをアップさせていっている。実際のところ、そのこだわりっぷりはハンパなく、丹念な作りこみには唸らされるばかりだ。年を経るごとに成熟していくぬか床のようなものであろうか……などと、若干意味不明な比喩をろうしつつ、毎年『NBA 2K』シリーズの新作が発表されるごとに、記者も「これ以上進化するところはないのではないか?」と疑問に思ったりもするのだが、「まだまだ!」とばかりに毎年進化ポイントを打ち出してくる。まさに貪欲なのだ。だからこそ、こうして記事にし甲斐もあるというものなのだが……。
「『NBA 2K』シリーズは、リアルなシミュレーションを目指しています。ファンの方から賞賛されていますし、自分たちでもうまくできていると自負しています。これまでも“ベスト”と言われてきていますが、さらに上を目指したいと思っています」とバリガマジ氏。リアルなシミュレーションとして、“さらに上を目指す”ために今回取り組んだのが、グラフィックまわりではライティングの改善。各クラブの本拠地となるアリーナは、照明の明るさや色合いが微妙に異なるらしいが、本作ではそれをできるだけ忠実に再現しているのだという。という改善点を聞いても、いかに本シリーズがリアルさにこだわっているか、おわかりいただけるのではないか。選手たちのアニメーション(動き)も種類が増えているので、相当バリエーションに富んだ動きが見られるようだ。
再現ぶりはゲームプレイにも及んでおり、「プレイヤーにコントロールを預けたい」(バリガマジ氏)との思いから、より緻密なコントロールが可能となった。それだけ「うまくやらないとショットが入らない」と、己の腕がより問われることになるわけだが。リバウンドにしても、より現実に近い感じでいままでよりも取りづらくなっており、ジャンプのタイミングをしっかり考えないと、難しいという。
また、“ファティーグシステム”というのも興味深い。fatigueは“疲労”という意味で、これまで従来作ではスターター5人で最後までプレイできたものが、本作からはパフォーマンスが下がって、ミスショットをしたりするという。「ベンチプレイヤーをうまく管理しながらやっていかないといけなくなります」(バリガマジ氏)とのことで、まさに現実そのもの。
さらに本作では、AIもより洗練されてきている。チームメイトも対戦相手も、プレイヤーの動きに応じて、しっかりとした反応を見せてくれるというのだ。NPCによる対戦相手の動きも、現実に即してタイプごとにわけられており、ドレイモンド・グリーン選手やレブロン・ジェームズ選手のようなガンガンとアグレッシブに、ステファン・カリー選手のようにテクニカルな選手は、スキルで攻めてくるといった具合に、タイプごとに違いがわかるようになっているという。
ここ数年の『NBA 2K』シリーズでは、何と言ってもストーリーモードの“My CAREER”が魅力的だが(前作『NBA 2K16』では、スパイク・リー監督が、同モードの監督、脚本として参加)、「前作では90%のプレイヤーが遊んでいるので、もちろん本作でも欠かせません」(バリガマジ氏)と、収録を明言。『NBA 2K』シリーズのプロモーションの慣例として、海外発売日の9月16日の少し前に、“My CAREER”の詳細なども明らかにされるという。
『NBA 2K17』は、国内では10月20日発売予定。“ベスト”のさらに先を目指す同作が、どこまでのクオリティーに仕上がっているのか、楽しみだ。