意義は「作り手の努力を真摯に受け止め、その年のゲーム業界を象徴する作品をきちんと選んでいること
1996年のスタートから今年で20周年を迎える東京ゲームショウ。国内ゲーム産業にとって、なくてはならないイベントとなっている東京ゲームショウだが、そんなイベントと歩みをともにする形で、今年20周年を迎えるのが日本ゲーム大賞だ。
日本ゲーム大賞は、開催年の前の年度にリリースされた優れたコンピューターエンターテイメントソフトウェアのコンテンツを選考し、表彰することを目的に設立されたもので、国内ゲーム業界の賞の中でも随一の歴史を誇る。主催は、一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)で、1996年の制定以降、国内でも屈指の影響力を持つ賞として、大きな存在感を放ってきた。東京ゲームショウに合わせて行われる発表授賞式の模様は、毎年の風物詩ともなっている。
ここでは、CESA 日本ゲーム大賞事務局の五十嵐有佳氏に、お話を聞いた。
――日本ゲーム大賞20周年を迎えての、率直なご感想をお教えください。
五十嵐 CESAも設立20周年ですので、業界の発展とともに日本ゲーム大賞も歩んできました。東京ゲームショウ同様に日本ゲーム大賞も20周年を迎えられたのは、ゲームを楽しみ応援してくれたユーザーの皆さんと、審査員を初めとする多くの関係者の方のおかげです。心からお礼を申し上げます。
――20年というと相当長きに渡りますが、そこまで賞を継続できた理由はどのようなものがあると分析していらっしゃいますか? また、20年継続して展開してきたことによる"意義"や"役割"に関しては、どのようなものがあると自己分析されていますか?
五十嵐 1票を投じてくれたユーザーの皆さんの評価、ユーザーさんに楽しんでもらえるゲームを作るため、つねに挑戦を続けるクリエイターさんや開発会社など、作り手の皆さんの努力を真摯に受け止め、その年のゲーム業界を象徴する作品をきちんと選び、表彰していくこと。日本ゲーム大賞の意義は、ここにあると思います。そして、誰のための何のための表彰制度であり、発表授賞式なのか、実施していくうえでもっとも重要な点がぶれなかったことが、20年継続できた理由ではないかと思っております。
――日本ゲーム大賞をさらに訴求するために、今年はどのような取り組みを考えていますか?
五十嵐 前回、東京ゲームショウ公式動画で初めて、年間作品部門とアマチュア部門の発表授賞式を生配信したのですが、たいへん好評だったので、今年も実施することが決定しております。さらに、生配信を見逃してしまった方にも後日ご覧いただけるような施策も考えております。また、先日発表しましたが、今年は、東京ゲームショウ初のオフィシャルサポーターとして、ゲーム実況・音楽制作ユニット、M.S.S Projectさんと女性アイドルグループのわーすたさんに就任していただきました。今後さまざまなメディアで、東京ゲームショウや日本ゲーム大賞を紹介してもらいます。また、会期中は会場の幕張メッセから生配信番組にも登場しますので、発表授賞式の模様や受賞作品を通して、ゲームの魅力をより多くの方にお伝えできると思います。
――オフィシャルサポーター以外にも20周年を記念した企画はありますか?
五十嵐 東京ゲームショウの会場内で、日本ゲーム大賞の20年がわかる展示企画を予定しています。過去の受賞作品や発表授賞式の模様を紹介するなど、皆さんといっしょに20年を振り返り、歴史や想い出を共有できたらと思っています。今後、詳細を発表していきますので、どうぞご期待ください。
――以前お話をうかがったときに、「海外でも日本ゲーム大賞が紹介されはじめている」とおっしゃっていましたが、1年を経て、その後の海外でのお取り扱いの状況をお教えください。紹介の流れはさらに加速されている感じでしょうか?
五十嵐 とくにフューチャー部門は、海外からの注目度も高いようです。2014年から2015年の1年を見ると、アジア、とくに中国では掲載数が約2割以上増えていることから、関心は高まっているように見受けられます。また、今年は海外に向けての広報事業を強化するため、アマチュア部門を除く日本ゲーム大賞各賞の決定情報(ニュースリリース)を、これまでの日本語、英語に加え、韓国語と中国語、さらにヨーロッパ言語にまで翻訳して発信していきます。
――締め切りまであとわずかですが(締め切りは7月22日)、投票を検討している読者に向けて、ひと言お願いします。
五十嵐 今年で20周年を迎える日本ゲーム大賞では、 これまで支えてくださったゲームユーザーの皆さんへの感謝の気持ちとして、Wチャンスキャンペーンを開催中です。東京ゲームショウのメインビジュアルも手掛けられている形部一平氏に描き下ろしていただいたオリジナルイラスト台紙付きプリペイドカードセットを、20名様限定でプレゼントさせていただきます。“年間作品部門”にご投票いただくと、Wチャンス キャンペーンにも、そのまま自動で応募完了となります。数量限定の完全非売品となりますので、まだ投票されていない方は、ぜひ投票してください。