30周年のお祝いで“氷のスライム”も登場
スクウェア・エニックスは、2016年5月27日発売予定のプレイステーション4、プレイステーション3、プレイステーション Vita用ソフト『ドラゴンクエストヒーローズII 双子の王と予言の終わり』について、本日5月26日、都内で完成披露発表会を開催した。
『ドラゴンクエスト』シリーズ30周年記念タイトルとなる本作は、初代『ドラゴンクエスト』(以下、『DQ』)発売からちょうど30周年となる5月27日に発売。2015年2月に発売された前作『ドラゴンクエストヒーローズ 闇竜と世界樹の城』に引き続き、キャラクターボイスが搭載されている。
このたび開催された完成披露発表会には、主人公・ラゼルを演じる森山未來、もうひとりの主人公・テレシアを演じる武井咲、そして心強い味方・ツェザールを演じる山田孝之が登壇。『DQ』生みの親である堀井雄二氏や、本作プロデューサーの青海亮太氏(スクウェア・エニックス)とともに、収録時のエピソードなどを語った。
発表会はまず、堀井氏の挨拶からスタート。「明日(5月27日)はいよいよ『DQ』30歳の誕生日。10周年も20周年も次回作を作るのに必死で、誕生日を意識したのは今回が初めてです。30年続けられるとは思っていませんでした。支えてくれたファンの方々、スタッフの皆さんに本当に感謝です」と、万感の思いを述べた。続く青海氏も、「前作よりも開発は大変でしたが、コーエーテクモゲームスの開発スタッフの『DQ』に対する愛、キャストの皆さんの『DQ』に対する愛に支えられて、無事に発売を迎えることができました」と、発売を迎えられる喜びを語った。
続いてはボイスキャストを務めた森山、武井、山田が登壇。森山、山田は「ガチガチの『DQ』ユーザー」(堀井氏)なうえ、両親が『DQ』ファンだという武井自身も、堀井氏がゲームデザインを手掛ける『いただきストリート』をかなりやり込んでいるそうで、『ドラゴンクエストヒーローズII』に対する思い入れはたっぷりだ。
「そもそも“主人公がしゃべるの!?”とビックリしました。前作よりパワーアップしているのでひとりあたりのセリフ量もハンパなく多い(笑)。とにかく叫び続けていましたね」と語る森山は、堀井氏から伝授された呪文のイントネーションに衝撃を受けたそう。たとえば“ルカナン”は、“ル↑カ↓ナ↓ン↓”ではなく“ル↓カ↑ナ↑ン↓”(文字だと伝わりづらいですが、“マキロン”ではなく“佐賀県”のイントネーションです)。堀井氏直々の演技指導で明らかになったイントネーションの“正解”にも注目しよう。
テレシアを演じる武井は、「声だけで表現する難しさがありましたが、先に森山さんの声が入っていたので心強かったです」と収録時の感想を語りつつ、自身も「何でもチャキチャキやってしまいたいタイプ」と、しっかり者のテレシアとの共通点を明らかにした。収録は「楽しかったですね」という山田は意外な出演経緯を披露。前作CM撮影時、青海氏に「オファー、来てないです」と冗談で話をしたそうだが、時を経て本作で「マジで(オファーが)来たので焦りました(笑)」とのこと。そのハマりぶりは、収録に立ち会った堀井氏も「山田さんがツェザールにしか見えなかった!」と太鼓判を押すほどの出来栄えだ。
そんな決めゼリフにちなんで“他人に理解されづらい美学”を訊かれた山田は、「それこそ『DQ』をやるときには、一目散にツボとタルをすべて割ります」と断言。とくに『DQヒーローズ』は敵を倒すと終わってしまうため、「最近は敵より先にツボとタルを割ります」と、ゲーマーならではのこだわりを語っていた。
堀井氏も冒頭で語っていた通り、明日5月27日は『DQ』誕生から30周年の記念日! ということで、発表会ではお祝いセレモニーも。東京メトロポリタン・ブラス・クインテットが演奏する「ハッピーバースデイ ドラゴンクエスト」に乗せて、大きさ2メートルにもおよぶ“氷のスライム”が登場! その迫力には登壇者も驚きで、森山は「メラを出して溶かしてみたい(笑)」とこぼしていた。
最後は登壇者がそれぞれ、『DQヒーローズII』や『DQ』30周年への思いを語り終了。明日5月27日限定でテレビ放送されるというスペシャル映像(関連記事はこちら)もお披露目された。
森山「30周年ということは、つまり僕の生きてきた時間と変わらないくらいの長さ。そして個人的にも大好きな作品に携われることを本当にうれしく思います。初めてのゲームのキャラクター声優で、完成がどうなっているのかまだわからないところがいっぱいあると思います。これからゲームを思いっきり楽しみながら、自分の声を聞いて“ああ違う!”と思ったりするかもしれませんし、そんな躁うつ状態を楽しめれば(笑)」
武井「このような歴史的なゲームに携われて大変うれしく思いました。私の自慢がひとつ増えたなという思いです! これからもたくさんの人に愛されるゲームであり続けるよう、心から願っています」
山田「ぜひ還暦まで行ってもらいたいものですね。『DQXX』くらいまで行ってもらって。『ヒーローズ』はそのころいくつになっているんでしょうね? それくらいまで、どんどん生み出してもらいたいと思います」
青海氏「私自身、演じていただいた皆様も、堀井さんの作り出した温かい『DQ』の世界で育ってきました。そのなかで、作り手側として携われたことを本当に光栄に思います。それを今度は愛をこめて提供するということがもっとも難しいハードルではありましたが、今回この作品でやり尽くしたかなと思っております。ぜひ明日の発売を楽しみにしていただきたいです」
堀井氏「30年間やってきて、誕生日を祝ってもらうのは初めて。本当にうれしいです。30年間続けてよかったなと思います。30年間ありがとうございました! これからも『DQ』をよろしくお願いします!」