「ナンバリングと気構えずに楽しんでほしい」
スクウェア・エニックスとトライエースが放つ、プレイステーション4/プレイステーション3用RPG『スターオーシャン5 Integrity and Faithlessness』。2015年9月24日発売の週刊ファミ通では、本作の第2報を掲載した。記事内にある、プロデューサー・小林秀一氏へのインタビューを改めてお届けしよう。
動画配信も念頭に置いたチャレンジ
――発売日が発表されましたが、開発は順調だと考えてよろしいでしょうか?
小林 何をもって順調とするかは難しいですが、現在の開発状況でいうと70%くらいでしょうか。基本的なシステムはもう入っていて、バトルやダイナミックカットシーンなどの調整中です。基本的には全部シームレスでリアルタイム、さらには自由に動かせるようにしてあるので、調整に苦労しています。イベント時にカメラを固定すると、いろいろとごまかせる部分もあるのですが(笑)、今回はそういったことができないので。
――イベント中にカメラやキャラクターの操作を自由にできるのは新しい感覚でした。どういった意図で導入するにいたったのでしょうか?
小林 プレイステーション4にはSHARE機能がありますし、いまはプレイヤーが自由に動画配信する時代だと思っています。それならば、プレイする人によって異なるパターンでイベントシーンが見られたら楽しいんじゃないかと考えたんです。これまでは、やり込みプレイやコンボ数がすごい動画などが主流でしたから。
――ダイナミックカットシーンの途中で、キャラクターチェンジは可能ですか?
小林 変更はできません。あくまで主人公はプレイヤーであり、その分身がフィデルですので。その代わり、フィールドやカットシーン中に特殊なアクションができるようにする予定です。プレイする人によって見えかたが異なる、見た人が「録ってみたい!」とか「オレならこうする」と思って、挑戦してくれたらいいなと思います。ただ、ネタバレは推奨していませんので、その点だけは配慮していただきたいですね。
個性豊かなキャラクターたち
――今回、新キャラクターの紹介をしているので、それぞれの特徴を教えてください。(詳細はこちら)
小林 まず、フィデルはオーソドックスなキャラクターですね。片手剣を使って戦いますので、攻撃が速くてコンボもつなげやすいです。“敵に単独で突っ込んでもなんとかなる”というイメージで調整しているので、初心者が使っても扱いやすいと思います。ちなみに、フィデルは父親がやっている“カミューズ流剣術”の師範なのですが、この流派の技の中には、これまでの『スターオーシャン』シリーズをプレイした人にはおなじみの技が、なぜかあったりします。
――そのあたりに、何か秘密が?
小林 とくにないです(笑)。これまでは、同じ技が登場することがあまりなかったので、20周年ということもあり、ユーザーサービスとして懐かしんでもらおうという意味も込めて、同じ技を登場させました。つぎにミキですが、貴重な回復役ですね。火属性の呪印術も使えますが、どちらかと言えばヒーラーです。物理攻撃はあまり期待できないので、敵から離れた位置で戦うのが基本となります。
――初紹介となるフィオーレについてお聞きします。この服はどうなっているんですか?(笑)
小林 この世界で呪印術を使うには、体のどこかに呪印を刻む必要があるのですが、フィオーレは自分が使える呪印の強さを誇示するために、こういった服装を好んで着ています。フィオーレが住むランドックという国では、呪印術士特有の衣装があるのですが、それを自分流にカスタムして着ているというわけです。決して露出狂ではないです(笑)。
――戦闘スタイルはいかがでしょうか?
小林 攻撃型の魔法使いといったイメージですね。ミキが火属性の攻撃をするのに対して、フィオーレは氷系の呪印術を得意としています。補助系の呪印術も使うことができますが、ヒーラーのミキに対して、魔法攻撃を担うキャラクターという位置づけになっています。
――同じく初紹介となるヴィクトルは、どんな特徴を持ったキャラクターでしょうか?
小林 二刀流で敵をなぎ倒す軍人です。ただ、使っているのは片手剣で、剣と鞘を使った二刀流となっています。ちなみに、剣術の師匠がフィデルの父親なので、フィデルと同じ技を使うこともありますが、対集団用の技を好んで使うイメージです。必殺技によっては、これを合体させて薙刀のように使うこともあります。範囲攻撃に長けているキャラクターですね。
最新技術で作られた王道RPG
――設定についてうかがいたいと思います。まずは、本作の世界について教えてください。
小林 『5』というナンバリングで、世界観や時系列はこれまでと共通ですが、物語は本作だけで完結しています。そこは安心してください。時間軸としては『2』と『3』のあいだになっていて、シリーズ作品を遊んでいる人が思わずニヤリとする演出は随所にあります。
――主人公が未開惑星の住人というのは、シリーズでは珍しいですよね?
小林 そうですね。『1』と『2』のレナ以外は、文明を持っている側の人間が主人公でしたが、本作では未開惑星側です。最初は文明とはかけ離れたところから始まり、徐々に『スターオーシャン』らしくSFチックになっていきます。そして、宇宙を巻き込む壮大な物語へ拡大するのは、これまでのシリーズ通りです(笑)。
――発売まであと5ヵ月ほどということで、最後の追い込みの時期だと思いますが、TGSで遊んだユーザーのフィードバックを受けて、変更を加えるといった予定はありますか?
小林 もう完成に近い形ですので、大きな変更は加えにくいです。アクション性を調整する段階を終えて、イベントのチューニングに入っていますので。ただ、僕が「イジるな」と言っても、手触り感は調整されるのではないかと。開発は、あのトライエースですから(笑)。
――なるほど(笑)。
小林 ちなみに、TGSバージョンはイベントの性質上長時間遊んでいただくわけにもいきませんから、操作に慣れる前に試遊が終わり、気持ちよさを優先したバランスにしています。製品版は、もっと歯応えがありますよ。
――なるほど。最後に、2月の発売に向けて、アピールポイントをお願いします。
小林 前作『4』から6年も経っていることもあり、心機一転、新規の方でも遊んでもらえるものを作っています。ファンの方はもちろん、TGSバージョンを見て気になった方は、まずは手に取ってもらえればと思います。シリーズ作品のことを知らなくても楽しめますので。最新の技術を惜しみなく使った、王道のJRPGをお送りしますので、今後の情報をお待ちください!
スターオーシャン5 Integrity and Faithlessness(インテグリティ アンド フェイスレスネス)
メーカー | スクウェア・エニックス |
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対応機種 | PS4プレイステーション4 / PS3プレイステーション3 |
発売日 | 2016年2月25日発売予定 |
価格 | 各7980[税抜](各8618円[税込]) |
ジャンル | RPG / ファンタジー・SF |
備考 | 開発:トライエース キャラクターデザイン:あきまん |