『World of Warships』のクリエイターにバージョンアップ情報などを聞く。

●『World of Warships』では、日本の艦船は世界中のユーザーに親しまれている

▲ディレクター オブ グローバル オペレーションのイヴァン・モロゾフ氏。

 2015年8月5日~9日(現地時間)ドイツ・ケルンにて、ヨーロッパ最大のゲームイベントgamescom 2015が開催。ここでは、ただいまオープンβテストが実施中のWargaming.netの“オンライン海戦ストラテジー”『World of Warships』について、ディレクター オブ グローバル オペレーションのイヴァン・モロゾフ氏にお話をうかがった。

 さて、少しおさらいをしておくと、『World of Warships』は、第二次世界大戦に登場した艦船をメインに据えたストラテジーゲーム。いま現在はアメリカと日本の艦船がメインで、駆逐艦、巡洋艦、戦艦、空母にタイプ分けされている。それぞれの艦船は、じゃんけんのように有利不利がはっきりしており、「駆逐艦は魚雷を駆使することで戦艦を倒せますし、戦艦は高い攻撃力と防御力で巡洋艦を撃破できます。一方で、巡洋艦は駆逐艦などの装甲の薄い艦船に対して有利です」(モロゾフ氏)という、いわゆる三すくみの構造だ。これはゲーム性のためもあるが、「実際に、魚雷は攻撃力が高く、よく戦艦を撃破していた」という史実に基づくものでもあるのだという。ちなみに、例外が空母で、空母は搭載機によって、ほかの艦船に大きなダメージを与えられるが、ほかの3種類の艦船に比べて、接近されたら非常にもろいという。

 『World of Warships』の現在のバージョンで用意されている試合形式は2種類。ひとつが協力プレイで、プレイヤーどうしで編成されたチームを率いて、AIと戦うモード。もうひとつがPvP、いわゆる対人戦で、いずれも最大12vs12で戦える。

 『World of Warships』の大きな特徴のひとつに、艦船ごとにモジュールを変更できる点が挙げられる。これにより、艦船に迷彩を施すことで、敵からの発見率を低下させるといった、バフ効果(プレイヤーに有益な効果をもたらす)が発生するのだ。また、『World of Warships』には、“信号旗システム”も実装されており、こちらもそれぞれ異なるバフ効果を持っている。特定の信号旗には、戦闘後の修理費を減らしたり、副砲の射程距離を伸ばしたりといったメリットがあるのだ。この信号旗は、戦闘中に特定の条件を満たすことで入手できる“勲章”を得ることで、プレイヤーに与えられる。

 また、各艦船には艦長がいて、戦闘をこなすことで艦長のレベルが上がり、さまざまなスキルを身につけていくことになる。

 と、ここまで話を聞いてきて、『World of Warships』は史実に忠実でありつつも、けっこうゲーム性が加味されているとの印象だが、それに対してモロゾフ氏は、「当社としては、歴史に興味を持っていただくための入り口になればいいなというコンセプトをベースにゲームを作っています。ゲームは遊んでいただく以上、おもしろくないと意味がありません。まずはゲームを遊んでいただく。ゲームが楽しければプレイヤーの皆さんが興味を持って調べていただけるので、いわゆる“誘導路”になればいいなと。最初から史実にのみ忠実に作ってしまって敷居の高いゲームにしてしまうと、プレイヤーはおそらく何をしたらいいか、わからなくなってしまう。そういった意味で、本作は可能な限り敷居を低くして、簡単にプレイできるようにしているんです」という。

 一方で、もちろん『World of Warships』では史実も大事にしており、艦船のビジュアルや装備などは可能な限り史実に忠実に再現しているという。

 さらに続けてモロゾフ氏は、Wargaming.netは社名こそ勇ましいが、もちろんのこと決して戦争を賛美しているわけではなく、過去の歴史から学んでほしいという思いがあるのだという。「よく、“あなたたちは戦争を推奨しているんですか?”と聞かれることもあるのですが、決してそんなことはなくて、むしろその逆です。“歴史を忘れないでほしい”というメッセージなんです。当社のゲームには、兵器は出てきますが、人は出てきません。ゲーム内で血も流れませんし、動いている兵器は、すべて無人です。人をどうこうというゲームではありません」(モロゾフ氏)。

 さて、今回『World of Warships』では、gamescomに合わせて、新しくドイツの艦船を追加することを発表している。10月をめどに実装予定で、Tier1~10までの巡洋艦が追加されるという。さらに、それとは別にモロゾフ氏は、今後追加予定の2隻の戦艦を教えてくれた。1隻目はティルピッツ。8月に一般に開放予定のプレミアム艦で、通常の艦船とは異なり技術ツリーには入らない。ティルピッツの魅力のひとつが、本作で唯一魚雷を積んだ戦艦であること。基本的に魚雷は駆逐艦や一部の巡洋艦にしか搭載されないが、ティルピッツには搭載できるので、ほかの戦艦とは違った楽しみかたが可能だという。

 もう1隻がビスマルク。ドイツが誇る超弩級戦艦で、来年の2月から3月をめどに実装予定。こちらは技術ツリーに入るという。モロゾフ氏はドイツの戦艦の特徴として、「主砲の口径がそんなに大きくないので攻撃力は高くないですが、その代わりに装甲が厚いです。日本の戦艦と比較した場合に、軽快な機動力を持っているので、接近戦が取りやすいですね」と教えてくれた。

 モロゾフ氏に今後の展開を聞いてみると、「コンテンツの充実化をメインに考えています」とのこと。今後はソ連の技術ツリーや、ドイツの戦艦ツリー、ソ連の巡洋艦ツリーといった形で、随時さまざまな国の艦船を追加していく方針のようだ。

 ちなみに、いま『World of Warships』には、世界中から「自国の艦船を追加してほしい」というリクエストが届いているという。「ドイツやイギリス、ポーランド、イタリア、中国など、何らかの形で海の歴史を持っている国の方々は、“自分たちの国の艦船を追加してほしい”と要望してくださいますね」とモロゾフ氏。“コンテンツの充実化”を掲げる『World of Warships』だけに、今後はこういった希望も順次叶えられていくのかもしれない。

 ところで、世界中の『World of Warships』ユーザーに、日本の艦船はどの程度楽しまれているのだろか? モロゾフ氏に聞いてみると、「自国の艦船を使う人は多いですが、アメリカのユーザーさんでも日本の艦船を使う方は多いです。日本の艦船のほうが知名度は高いですからね。アジアサーバーは、もちろん日本の艦船を使う人が多く、ヨーロッパはアメリカと日本で半分半分くらいです。全体的には日本の艦船が多いですかね。日本の方よりも、日本の艦船に詳しいですよ」とのことで、やはり日本人としてはうれしくなってしまうところ。

 最後にモロゾフ氏は、「『World of Warships』はアメリカと日本の技術ツリーがメインとなっています。いまオープンβですが、日本のプレイヤーの方々がとても楽しんでいただけているという声を聞いて、とても喜んでいます。これからも、ゲームに対するご意見などお寄せいただければ、順次ゲームの改善に情熱的に取り組んでいきたいです。今後は、日本の方々が楽しめるような新しい要素なども組み込む予定でいますので、ぜひ、これからのアップデートにご期待ください」との、日本のユーザーに向けてのメッセージを寄せてくれた。

[関連記事]
※『World of Tanks』はユーザーのためにまだまだ進化する! 日本の重戦車の追加などが発表
※『Master of Orion』名作宇宙探索シミュレーションが20年以上の時を経て蘇る