日本の試作段階の重戦車も追加

『World of Tanks』はユーザーのためにまだまだ進化する! 日本の重戦車の追加などが発表【gamescom 2015】_29
▲『World of』シリーズのグローバルプロダクトマネージャーのマックス・チュバロフ氏。

 2015年8月5日~9日(現地時間)ドイツ・ケルンにて、ヨーロッパ最大のゲームイベントgamescom 2015が開催。ベラルーシに本社を構える、Wargaming.netによる『World of Tanks』は、全世界でのアカウント数が1億1000万を超えるなど、世界有数の規模を誇るオンラインゲーム。当然のこと、gamescomでも注目タイトルのひとつだったわけだが、会場にて『World of』シリーズのグローバルプロダクトマネージャーのマックス・チュバロフ氏に『World of Tanks』の今後のアップデート内容などを聞いた。まずは、アップデート内容を端的に解説した映像があるので、そちらをご覧いただこう。

『World of Tanks』はユーザーのためにまだまだ進化する! 日本の重戦車の追加などが発表【gamescom 2015】_28

 チュバロフ氏によると、2010年の運営開始から5年目を迎える『World of Tanks』の、もっとも大きなテーマは“コンテンツの充実化”。直近での大きなトピックは、日本戦車の技術ツリーの中に“重戦車ツリー”が追加されること。「この“重戦車ツリー”はけっこう独特で、ユニークな車両が多いです」(チュバロフ氏)とのこと。何よりたいへんだったのが、資料探し。ご存じの通り、『World of Tanks』ではできるだけ史実に基づいた形で車両を再現しているのだが、今回の重戦車は、いわゆる試作段階の車両も多く、資料探しは相当難航したのだという。「それで、とある日本の企業さんが、私たちが必要とする資料をお持ちだったことがわかりまして、今回ご協力を仰ぎました」(チュバロフ氏)なのだという。

 試作段階のものまで導入するというのは、マニアックなファンが多い『World of Tanks』ならではと言えるのかもしれないが、チュバロフ氏いわく「プレイヤーの多くの方々は、マニアックな車両にたいへん興味をもっています。とくに『World of Tanks』に関しては、ゲーム中で戦車を集めるのが好きな方もいらっしゃいます。“いろいろな戦車をコレクションしたい”という方にとっては、特殊な車両は喜んでいただけますね」とのことだ。なお、今回導入される車両は、Tier6~10まで5両くらいが入るという。

『World of Tanks』はユーザーのためにまだまだ進化する! 日本の重戦車の追加などが発表【gamescom 2015】_08
『World of Tanks』はユーザーのためにまだまだ進化する! 日本の重戦車の追加などが発表【gamescom 2015】_09
『World of Tanks』はユーザーのためにまだまだ進化する! 日本の重戦車の追加などが発表【gamescom 2015】_10
『World of Tanks』はユーザーのためにまだまだ進化する! 日本の重戦車の追加などが発表【gamescom 2015】_11
『World of Tanks』はユーザーのためにまだまだ進化する! 日本の重戦車の追加などが発表【gamescom 2015】_12
『World of Tanks』はユーザーのためにまだまだ進化する! 日本の重戦車の追加などが発表【gamescom 2015】_13
『World of Tanks』はユーザーのためにまだまだ進化する! 日本の重戦車の追加などが発表【gamescom 2015】_14
『World of Tanks』はユーザーのためにまだまだ進化する! 日本の重戦車の追加などが発表【gamescom 2015】_15
『World of Tanks』はユーザーのためにまだまだ進化する! 日本の重戦車の追加などが発表【gamescom 2015】_16
『World of Tanks』はユーザーのためにまだまだ進化する! 日本の重戦車の追加などが発表【gamescom 2015】_17
『World of Tanks』はユーザーのためにまだまだ進化する! 日本の重戦車の追加などが発表【gamescom 2015】_18
『World of Tanks』はユーザーのためにまだまだ進化する! 日本の重戦車の追加などが発表【gamescom 2015】_19
『World of Tanks』はユーザーのためにまだまだ進化する! 日本の重戦車の追加などが発表【gamescom 2015】_20
『World of Tanks』はユーザーのためにまだまだ進化する! 日本の重戦車の追加などが発表【gamescom 2015】_21
『World of Tanks』はユーザーのためにまだまだ進化する! 日本の重戦車の追加などが発表【gamescom 2015】_22
『World of Tanks』はユーザーのためにまだまだ進化する! 日本の重戦車の追加などが発表【gamescom 2015】_23
『World of Tanks』はユーザーのためにまだまだ進化する! 日本の重戦車の追加などが発表【gamescom 2015】_24
『World of Tanks』はユーザーのためにまだまだ進化する! 日本の重戦車の追加などが発表【gamescom 2015】_25
『World of Tanks』はユーザーのためにまだまだ進化する! 日本の重戦車の追加などが発表【gamescom 2015】_26
『World of Tanks』はユーザーのためにまだまだ進化する! 日本の重戦車の追加などが発表【gamescom 2015】_27
『World of Tanks』はユーザーのためにまだまだ進化する! 日本の重戦車の追加などが発表【gamescom 2015】_01

 gamescomでは、日本の車両以外にも、チョコスロバキアの車両が追加されることが発表されている。『World of Tanks』では、アメリカ、ソ連、ドイツ、フランス、イギリス、日本、中国の“技術ツリー”が採用されているが、今回それにヨーロッパが追加。その第一弾がチェコスロバキアの車両になるという。今後は、チェコスロバキアだけではなく、ポーランドやイタリア、スウェーデンなどヨーロッパのさまざまな国の車両が追加されていく予定だという。

『World of Tanks』はユーザーのためにまだまだ進化する! 日本の重戦車の追加などが発表【gamescom 2015】_02
『World of Tanks』はユーザーのためにまだまだ進化する! 日本の重戦車の追加などが発表【gamescom 2015】_03
『World of Tanks』はユーザーのためにまだまだ進化する! 日本の重戦車の追加などが発表【gamescom 2015】_04

 さらに、gamescomではヨーロッパのマップが追加されることも明らかにされている。ひとつ目はポーランドの村を舞台にしたマップで、第二次世界大戦では大規模な戦車戦が行われた場所として有名だという。数多くの映画の撮影にも使われているとのこと。過去に撮影された写真をベースにできるだけ忠実に再現しているのだという。ふたつ目が、チェコにあるスコダという戦車生産工場。スコダでは、有名な車両が大量に生産されており、その生産拠点をベースにしたマップとなっている。従来は平地や山岳など野外のマップがメインだったが、今回のマップでは、建物の中で戦うという、まったく新しいシチュエーションになっているという。そして、3つ目がベルリン。こちらはヒストリカルマップで、1945年に破壊されたベルリンを、できる限り忠実にゲーム内で再現しているのだという。「プレイヤーの皆さんは、このマップを使って、史実で起こったような戦闘を再現できるかもしれません」とチュバロフ氏。

『World of Tanks』はユーザーのためにまだまだ進化する! 日本の重戦車の追加などが発表【gamescom 2015】_07
▲ポーランド
『World of Tanks』はユーザーのためにまだまだ進化する! 日本の重戦車の追加などが発表【gamescom 2015】_05
▲チェコ。
『World of Tanks』はユーザーのためにまだまだ進化する! 日本の重戦車の追加などが発表【gamescom 2015】_06
▲ベルリン。

 “コンテンツの充実化”とともに、『World of Tanks』でいま取り組んでいるのが、ゲームプレイの更新。ここ最近だと、リスポーンが可能にある“ドミネーションモード”や、旗を陣地まで持っていく“キャプチャー・ザ・フラッグ”などのルールを実装。「ただコンテンツの内容を充実させるだけではなく、従来とは違うゲームプレイをプレイヤーの方に提供することで、新しい試みにも取り組んでいます」(チュバロフ氏)とのこと。リスポーンにしても、“キャプチャー・ザ・フラッグ”にしても、FPSのルールとの親和性がうかがえるが、Wargaming.netでは若いFPSユーザーにも『World of Tanks』により親しんでほしいと思っているようで、チュバロフ氏によると、「FPSユーザーだと1試合1試合激しく、早い展開を好まれる方もいますので、そういった方にも楽しんでいただけるように、選択式で違うモードも遊べるようにしています」という。

 『World of Tanks』では、一度にすべてのゲームルールを提供するわけではなく、“イベント”として時期を分けて適宜導入。定期的にルールを変更しながら、「どうやったらプレイヤーの皆さんに楽しんでいただけるかを調べながら運営している」(チュバロフ氏)という。ちなみに、新しいモードが導入されると、ユーザーの95%が新モードを試してみるそうで、大多数のユーザーが意見や要望を送ってきてくれるとのことで、Wargaming.netとユーザーコミュニティーの良好な関係がうかがえる。

 “コンテンツの充実化”、“ゲームプレイの更新”ときて、もうひとつ『World of Tanks』で主軸に置いているのが、“技術研鑽”。具体的には、物理演算をより進化させていくつもりなのだという。「『World of Tanks』が最初にリリースされてから5年経っていますが、5年もすると技術は相当に進化しています。時代の流れに置いていかれないように、私たちもグラフィックの向上や物理演算の改良まで、つねに進化を続けないといけないんです」とチュバロフ氏は語る。

 物理演算のアップデートも、8月末から9月にかけて実装予定で、これにより「プレイヤーの皆さんは、いままでとはまったく違った戦術や動きが可能になります」とチュバロフ氏。さらに続けて「ゲームを飽きさせないための、非常に重要な要素になっています」という。“コンテンツの充実化”にしても、“ゲームプレイの更新”にしても、“いかにユーザーを飽きさせないか?”がテーマと言えるが、そのための(目立たないけれども)もっとも重要な部分が、“技術研鑽”というわけだ。

 最後にチュバロフ氏は、日本のゲームファンに向けて、以下のメッセージを贈ってくれた。「『World of Tanks』を楽しんでくださっている日本のファンの方はとても多く、皆さんのこのゲームにかけてくれる情熱には、とても感謝しています。私たちは、今後も皆さんにいろいろな新しい体験をご提供したいと思っています。まずは、近日実装される日本の重戦車にご期待ください。こちらは興味深い車両が多く、ゲームプレイという意味でも、とてもおもしろいものになると思います。ぜひ試してみてください!」。

[関連記事]
※『World of Warships』をプレイして、歴史に興味をもってほしい 実装予定のドイツ戦艦の詳細も明らかに
※『Master of Orion』名作宇宙探索シミュレーションが20年以上の時を経て蘇る