2015年8月3日、東京都のSeven.にて、インターグローから2015年9月17日発売予定のバイクレーシングゲーム『MotoGP 15』(プレイステーション4/Xbox One/プレイステーション3/Xbox 360対応)のメディアブリーフィングが開催された。元MotoGP選手の中野真矢氏を迎えたこのイベントの様子をリポート!

●元MotoGP選手のライダー、中野真矢氏が魅力を語る!

 インターグローから2015年9月17日発売予定のバイクレーシングゲーム『MotoGP 15』(プレイステーション4/Xbox One/プレイステーション3/Xbox 360対応)は、世界最高峰のバイクレース“MotoGP”(モトジーピー)の世界を余すところなく再現した本格バイクレースゲームだ。
  2015年8月3日、東京都のSeven.にて元MotoGPライダーの中野真矢氏を迎えて、報道陣に向けた『MotoGP 15』メディアブリーフィングが開催された。グランプリの第一線で活躍してバイクレースの世界を知り尽くした中野氏と、本作の日本側開発スタッフが本作ならではの魅力とポイントを披露してくれたぞ。

現在開催中の2015年シーズンの最新データで走れ!
 イベントの冒頭では、インターグロー代表取締役、竹内茂樹氏が登壇。自身も大のバイクファンである竹内氏はMotoGPのトップライダー、バレンティーノ・ロッシ選手のキャップを被り、来場者へ挨拶。2015年6月25日に同社から発売されたリアルバイクシミュレーター『RIDE(ライド)』の反響について言及し、歴代の同ジャンルのゲームと比較しても好調なセールスを記録していることを述べた。発売開始後も順調なセールスを見せており、「(レースと同じで)やるからには表彰台を目指したい」と語った。

▲インターグロー代表取締役、竹内茂樹氏

 そして、本日のゲストである中野真矢氏が司会者に招かれて登場。1999年シーズン(当時の名称はロードレース世界選手権)から2008年シーズンまでMotoGPに参戦していた中野氏。この日はMotoGPの世界で活躍したライダーの視点から「『MotoGP 15』の魅力を皆さまにお伝えしたい」と述べ、竹内氏と熱い握手を交わした。

▲元MotoGPライダー 中野真矢氏

 まず、本作については「『MotoGP 15』は今年のシーンを題材にしたゲームですが、まだ現実ではシーズンの最中。自分で(最新シーンの)レースが楽しめます」と、最新データを搭載しているからこその面白さを語り、続けて「驚いたのは(かつてのMotoGPシーンで活躍した)“伝説のライダー”が収録されていること。このライダーを選んで、当時存在しなかったサーキットを走ることもできるのです」と、最新だけでなくグランプリの伝統と歴史も踏まえていることも賞賛した。
 竹内氏からは、「その“伝説のライダー”のなかには、中野さんも入っているんですよね」と説明。2005年シーズン時にカワサキレーシングチームに所属していたころの中野氏がゲームに登場することを披露(2004年、2005度の出場ライダーが使えるDLC“4ストロークレジェンド”に収録。初回販売特典では無料配信を予定している)。ゲームで登場する自身のキャラクターを初めて見るという中野氏は「いやぁ、楽しみですね。自分が遅かったらショックですが」と笑いを誘った。

バイクレースへの熱意が日本語ローカライズを実現させた
 本作は前述の『RIDE』に続いて、インターグローが日本語ローカライズを手がけるバイクレースゲーム。開発はいずれもイタリアのゲーム開発会社“Milestone”(マイルストーン)社によるもの。同社はバイク関連のゲームに特化したスペシャリスト集団だ。MotoGPを題材にしたゲームは久しく日本で発売されていなかったのだが、なぜインターグローが本作の日本展開を行うことになったのか? ゲームのプレゼンテーションの前にその経緯が竹内氏から明かされた。
 ケニー・ロバーツやフレディ・スペンサーといった、いまでは伝説的存在として語り継がれる天才ライダーが活躍していた1980〜1990年代のレースシーンに、当時から非常に感銘を受けていた竹内氏。ライダーたちが生身の姿でサイド・バイ・サイドで争う姿に「ワルツを踊るよう」と感じていたという。
 しかし、国内のゲーム界では2007年以降、MotoGPを題材にしたゲームが発売されていない。そのことを疑問を思ってその理由を調べたところ“ローカライズの難しさ”が壁になっていたことを知った。そこで「誰もやらないんだったら、自分たちだけでやっちゃおうか」と決意したというのだ。

 ここで、本作のローカライズプロデューサーを担当する三谷真央氏が登壇。三谷氏はかつてユービーアイソフトで『アサシン クリード ユニティ』、『アサシン クリード 4 ブラック フラッグ』などのローカライズ作業に関わった人物。ゲームの膨大なテキスト量の扱いや日本にフィットした翻訳作業、複数ハード同時開発作業の調整にも慣れているスペシャリスト的存在だ。続いてはゲームの内面を詳しく知る三谷氏によって、搭載モードや機能詳細のプレゼンテーションが行われた。

▲ローカライズプロデューサー 三谷真央氏

多彩なレースモードで体感するMotoGPの世界
 本作で登場するライダーは2015年、2014年シーズンに活躍する実在の選手。トップカテゴリのMotoGPクラスだけでなく、下位カテゴリのMoto2、Moto3クラスの選手も操作できる。実在する選手、サーキット、バイクなどのデータはMotoGPのレースを運営・管理している“Dorna Sports”(ドルナスポーツ)社よりライセンスを受けて提供を受けたもの。つまり“本物”だ。ゲームに収録されている2005年シーズン時点での中野真矢氏について、本人からは「古い写真を、どうやって手に入れたんですか?」との質問が飛び出したが、肖像もすべてDorna Sportsの当時の公式記録から用いているというのだ。

 レースモードについては、すぐにレースが楽しめる“クイックレース”モードや、任意のラウンド数や開催サーキットを設定してオリジナルシーズンをプレイする“選手権”モードなど多彩なレース体験も可能。ランダムで天候が変わる設定も可能で、降雨でのレースも起こることがあるという。

 そして、実在の世界を題材にしたレースゲームらしさがもっとも現れているのが、“リアルイベント2014”モード。
 これは、過去に本当に起きたレースの出来事をゲームで追体験するというもの。その一例として“フライング”というイベントを挙げて説明。これは2014年のオースティン( アメリカズGP)で、ホルヘ・ロレンソ選手がフライングスタートをしてしまったハプニングを題材にしている。ピットインペナルティを経て最下位近くに落ちたポジションから、現実どおり10位以内にフィニッシュするのがここでの目標だ。
 中野氏は「レースの世界に“〜だったら”は絶対にないと教わってきたのですが……」との言葉に続けて、「ゲームでは過去の歴史を自分で塗り替えられるんですよね。現実の歴史ではホルヘ・ロレンソ選手はこの“フライング”によって、チャンピオンシップ争いから脱落してしまいましたが、ここで現実以上の結果を残していたらチャンピオンの可能性もあったかもしれません」と“もしも”の世界を体験するおもしろさを述べた。竹内氏の「2014年シーズンはマルク・マルケス選手の圧勝だったのですが、それが変わってしまうのかも」というコメントに、中野氏は「歴史を変えちゃっていいんですかね(笑)」とも。

 レースモード紹介の最後は、竹内氏が「これが(本作の)一番の目玉」と語る“キャリア”モードについて。
 これは、グランプリに加わるルーキーライダーとなってキャリアアップを目指していくというもの。モーターホームを拠点にして情報を集めたり、自分のマシンを進化させたりといったことができる。このモーターホームのリアリティに中野氏は絶賛。ヨーロッパのラウンドでは実際に住処となるトレーラーをサーキットに持ち込む選手が多いというのだ。参戦レースでいい成績を残すとほかのチームからオファーがモーターホームに届くという。
 「(ゲームといえども)いきなりMotoGPクラスから始めるとパワーがあり過ぎてとても難しいんです。まずはMoto3クラスからキャリアを始めて、実力をつけてMoto2クラス、MotoGPクラスへとステップアップしていきましたよ。これは、現実のライダーもまったく同じことなんです」とライダーとしての成長の過程がゲームで体験できることに共感したようだ。

MotoGPの参戦ライダーもイメージトレーニングに使用
 続いて、実際にレースに挑むまでの流れを紹介。
 まずはレースやマシン設定メニュー画面の役割を担うピットから始まる。ここではライダーからの一人称視点になっており、「ライダー気分が味わえますよ。ピットではいつもライダーは座ってドリンクを飲んだりするんですが、ここからの見た目は現実そのまま」と中野氏も語るこだわりだ。ピットではレースの周回数やマシンセッティングが任意に行えるのだが、長丁場のレースとなると、タイヤの摩耗の影響でピットインをしなければならない場面も起こるという。また、マシントラブルの有無も選択可能だ。
 
 プレゼンテーションではチェコGPのブルノ・サーキットを選択。中野氏は自身の走行体験を交えながら本作のリアルな走りを解説してくれた。中野氏によるとコースを覚えていない若い選手はまずゲームで体験してから、実際のサーキットに挑むことが多いという。リアルなサーキットのデザイン、ディティールや挙動が、イメージトレーニングに大いに貢献しているというのだ。このコメントを証言するかのように竹内氏も、Milestone社のスタッフから聞いた話として、Moto2、Moto3の若手選手には「このゲーム(『MotoGP』シリーズ)がないとレースに出られない」とも言うライダーまでいるという。世界を転戦するイベントゆえに、キャリアの浅いライダーほど走る体験を得る機会が限られてくるからだ。。だからこそ再現度の高いゲームが求められているというわけだ。

中野真矢氏が“本人”で2015年シーズンの日本GPにエントリー!
 最後にブリーフィングイベントの締めとして、中野氏がゲームに収録されている2005年当時の“中野真矢選手”を操って走るという、極めてレアな(?)デモンストレーションランが行われた。チョイスしたサーキットは2015年10月に開かれる日本グランプリの舞台であり、2004年には中野氏が見事3位入賞を果たしたツインリンクもてぎだ。まだ2015年のレースは開催されていないが、ここで一足先に今シーズンの日本GPを体験!
 そして、いざレーススタート。開幕直後、前を行く集団に絡んでしまい転倒というアクシデントに見舞われたが、やり直しができる“リワインド機能”を使って何とかスタートに成功。

 「(開始直後の)1コーナーはインが鉄則なんです。接触が多いですから」、「S字コーナーはここから上りになっています。加速が大事」など、要所ごとに解説を交えながらライディング。その言葉のひとつひとつは経験に裏打ちされたものだけに、観戦している報道陣も思わず感嘆!
 レース前には「『RIDE』は市販車のバイクでしたが、『MotoGP 15』はレーシングマシンを操ります。動きがシャープなのでうまく走れるかどうかわからない」と語っていたが、ラインをはずさない確実なコーナリング操作、無駄と無理のないコーナーでのスロットル操作はさすが世界一線級のライダー。筆者のようなアマチュアライダーとはひと目でわかるレベルの違いを実感してしまった。
 また、「当時のカワサキのバイクはピーキー(=急に出力が変化すること)なエンジン特性だったので、コーナーの立ち上がりに苦労しました」、(バックストレートで)「観客席の歓声を思い出します」、「ちょっとマニアックなことをいうと、デジタルメーターのデザインも当時のものが再現されています」などと、走りながら思い出話やエピソードも披露してくれる大サービスっぷりも見せてくれた。
 そしてフィニッシュ! 自分の走りに少し納得が行かなかったようで「もう1回行きたいですね」と熱いレース魂をアピール。「実際のもてぎは3位まで行ったんですが(笑)」と、場を和ませてくれたぞ。


MotoGP 15
メーカー インターグロー
対応機種 PS4プレイステーション4 / PS3プレイステーション3 / XOneXbox One / X360Xbox 360
発売日 2015年9月17日発売予定
価格 プレイステーション4・Xbox One版:7800円[税抜]、プレイステーション3・Xbox 360版:6800円[税抜]
ジャンル レース
備考 プレイ人数:1〜2人(オフライン)、最大12人(オンライン) CERO:A(全年齢対象)