『Halo 5: Guardians』や『Gears of War 4』など、ファーストパーティータイトルが充実
2015年6月15日(現地時間)、アメリカ・ロサンゼルスのギャレンセンターにて、“Xbox E3 2015 Briefing”が行われた。E3会期中の“華形”とも言えるハードメーカーによるカンファレンス。北米で2013年11月22日に発売されて今年で3年目を迎えるXbox One。まさに、充実期に入ったとばかりに今年のカンファレンスはソフト推しに。とくに際立つのが、Xbox One 独占タイトルで、ライバルと言えるプレイステーション4と差別化を図るとの意図が明確に見えた。
“オープニングアクト”を飾る形で紹介されたのは、海外では2015年10月27日に発売が予定されている『Halo 5: Guardians』。ブリーフィングには、開発を手掛ける343 Industries 代表、ボニー・ロス氏が登壇し、「さらなる壮大な戦いが展開されます」と『Halo 5: Guardians』の魅力をアピール。さらに、ストーリーモードにあたる“キャンペーン”のデモプレイが世界初披露された。キャンペーンでは、4人が参加しての協力プレイが確認でき、プレイヤーはシームレスにドロップインしたりドロップアウトしたりすることが可能となる模様。さらに注目すべきはスパルタンロックの存在。『Halo 5: Guardians』のキービジュアルにも、フィーチャーされたスパルタンロックは、敵か味方か謎の存在。キャンペーンでは、スパルタンロックかマスターチーフサイドに分かれてプレイすることになるようで、どんなストーリーが紡がれるのか、注目が集まるところだ。
さらにブリーフィングでは、『Halo 5: Guardians』から採用されるマルチプレイの新モード“Warzone”が紹介された。“Warzone”では、最大24人の対戦を実現するなど、マルチプレイの幅をさらに広げてくれそうだ。「『Halo』のマルチプレイに大いなる飛躍をもたらしてくれます」とは、『Halo 5: Guardians』のクリエイティブディレクターを務めるジョシュ・ホームズ氏。
『Forza Motorsport 6』も、ファーストパーティーのXbox One独占タイトルとしてブリーフィングでは大々的に紹介された。プレゼンでは、フォード社のヘンリー・フォード3世氏と開発元であるTurn 10 Studiosのクリエイティブディレクター、ダン・グリーナウォルト氏が仲よく登壇し、『Forza Motorsport 6』では、1080pによる60fpsの描画を実現しており、さらに、450車種のクルマが登場し、マルチプレイでは最大24人で楽しめることなどが明らかにされた。家庭用ゲーム機を代表するレーシングシミュレーターとしておなじみの『Forza Motorsport』シリーズだが、最新作ではさらにダン・グリーナウォルト氏のこだわりが結実しているようだ。本作は、海外では2015年9月15日に発売されることがアナウンスされている。
※【動画追加】『Forza Motorsport 6』は北米で9月15日発売決定!
『Halo』、『Forza Motorsport』と来れば、ファーストパーティータイトルで欠かせないのが『Gears of War』シリーズ。来年(2016年)に10周年を迎える同シリーズだが、いよいよ本格的な動きが! ブリーフィングには、シリーズのプロデューサーであり、いまは新会社The Coalition(旧Black Tusk Studios)に所属するロッド・ファーガソン氏が登壇し、まずは『Gears of War ULTIMATE EDITION』が発表された。こちらは、シリーズ1作目に新コンテンツを加えたパッケージで、1080p&60fpsを実現。まさに、ファン必携のコレクターズパックになっている。
と、これで終わりか……と思いきや、さらなる発表が! かねてからウワサされていたシリーズ最新作『Gears of War 4』が発表されたのだ。『Gears of War 4』の発売は、2016年のホリデーシーズン。公開されたトレーラーでは、新キャラクターがフィーチャーされており、どのような内容になるのか、期待が集まるところだ。
マイクロソフト傘下の老舗開発会社レア社の動向も気になるところ。ブリーフィングでは、同社のヘッド、グレッグ・ダンカン氏が登壇し、レア社30周年を記念しての象徴的なコレクションとして『Rare Replay』が明らかにされた。こちらは、『バンジョーとカズーイの大冒険』や『パーフェクトダーク』など往年のレア社の名作30本をひとつのパッケージにまとめた1作で、海外では2015年8月4日に発売予定だ。
さらにレア社からはもう1本の隠し球も。グレッグ・ダンカン氏から「最高の野心作」として、『Sea of Thieves』が紹介されたのだ。ここ数年は、『Kinect スポーツ』シリーズや『Killer Instinct』シリーズなどをリリースしてきたレア社だが、久しぶりの新規IPによるアドベンチャータイトルとして、注目度も高かったのか、来場者から大きな歓声が沸き上がっていた。
クリスタル・ダイナミックス開発、パブリッシャー、マイクロソフトスタジオによる、『トゥームレイダー』シリーズ最新作『Rise of Tomb Raider』もXbox One独占タイトルとして大いに注目を集めた1本。会場にはクリスタル・ダイナミックスのブライアン・ホートン氏が姿を見せ、デモプレイを披露した。雪山を探検するリアルなグラフィックが印象的なデモでは、これまでとは少し印象の違ったララ・クロフトがお披露目された。同作は海外では2015年11月10日に発売予定だ。
※Xbox One独占タイトル『RISE OF TOMB RAIDER』は北米で11月10日に発売決定
そのほかでは、稲船敬二氏による新作『recore』が発表。さらに、Xbox OneとWindows 10のクロスプラットフォームを実現した『Fable Legends』や『Gigantic』の最新トレーラーがお披露目されている。バリエーション豊かなID@Xboxによるインディーゲームタイトルも大きな注目を集めた。ID@Xboxでは、完成前のタイトルをいち早く遊んで評価をするといった、“Xbox Game Preview”も明らかにされている。
※【動画追加】稲船敬二氏らが手がけるXbox One独占タイトル『recore』が2016年春発売!
サードパーティータイトルとしては、フロム・ソフトウェアとバンダイナムコエンターテインメントによる『DARK SOULS III(ダークソウルIII)』が世界初お披露目。さらに、ベセスダ・ソフトワークスの『フォールアウト 4』やユービーアイソフトの『ディビジョン』、『Tom Clancy's Rainbow Six Siege』なども紹介された。とくに『フォールアウト 4』では、登壇したトッド・ハワード氏が、マイクロソフトとの良好な強調関係を強調しつつ、「この15年のあいだお願いしてきたこと」の成果として、Xbox One版『フォールアウト 4』では、PC版で作ったMODをXbox One版でもプレイできることが実現したことをアナウンスし、喝采を浴びた。
※『DARK SOULS III(ダークソウルIII)』2016年初頭に発売決定 滅びに瀕した終末の世界が舞台に【動画あり】
一方で、エレクトロニック・アーツは、ピーター・ムーア氏が登壇し、世界的に人気の高いタワーディフェンス型ゲーム『Plants vs. Zombies: Garden Warfare 2』をXbox One向けに投入する予定であることを明らかにしている。
なお、今回のブリーフィングでは紹介されなかったが、8月にドイツで開催されるgamescomでは、『Quantum Break』や『Scalebound』、『Crackdown』、そして新規FPSなどがさらに発表されるというから、タイトルの充実ぶりには驚かされる。
会場が大いに湧いた下位互換の実現と“HoloLens”、Vlave VRとの連携も発表
Xbox One独占タイトルが注目を集めた今回のブリーフィングだが、それに勝るほどの歓声を集めたトピックがあった。ひとつは、Xbox OneがXbox 360との下位互換を実現したこと。これは、イノベーションの限界に挑戦しているXbox Oneの開発チームが、ユーザーからのフィードバッグを受けて、「もっとも要望の高かったリクエストを実現したもの」とXbox ヘッドのフィル・スペンサー氏。Xbox Oneにはダウンロード版として提供され、もちろんのこと、Xbox Oneの機能である画面写真の撮影やゲーム実況なども可能になるという。この下位互換は、今年のクリスマスシーズンにはすべてのユーザーが楽しめるようになるという。
※【速報】Xbox Oneに下位互換機能が登場 Xbox 360のゲームがXbox Oneで遊べるように
もうひとつ会場が大いに湧いたのが、“HoloLens”のデモプレイのお披露目。“HoloLens”は、2015年1月に行われたWindows 10の発表会で発表されたばかりの、現実の空間にホログラムを表示できるヘッドセット。会場では、『Minecraft』のプレイデモが披露され、ホログラムでの立体表示に驚きの声が上がっていた。
※『Minecraft』を“HoloLens”を使ってプレイするデモが公開! 未来の新たなゲームの形を示す
さらに見逃せないのが、VRデバイスとの連携。先日行われたOculus VRの発表会では、同社と提携して、Oculus RiftにXbox Oneのコントローラーが同梱されることが明らかにされたばかりだが、ブリーフィングではValve VRとの連携がアナウンスされたのだ。連携の具体的な内容については明かされなかったが、マイクロソフトのVRメーカーとの親密ぶりを示す発表と言えるだろう。
一方で、ファンにとってうれしかったであろうと思われるのが、Xbox Elite ワイヤレスコントローラーの発表。もともと評価の高かったXbox Oneのコントローラーだが、Elite Xbox One ワイヤレスコントローラーでは、ユーザーの使い心地に合わせて、さまざまなパーツもカスタマイズできるようになるようだ。
ファーストパーティーのXbox One独占タイトルから、未来への可能性を示す“HoloLens”、そしてXbox 360ユーザーを取り込もうとする下位互換の実現など、さらに“ゲーム”に注力していこうという、強い意思が見える“Xbox E3 2015 Briefing”となった。